山形県手をつなぐ育成会 日々徒然なること

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障がいのある人に対する準ずる教育とは

2013年08月15日 | 福祉用語
 浅井浩氏の以下のホームページに掲載している「福祉」にかかる論述を、ずっと連続して引用している。
 その第69回目。

 特別支援学校における教育は、「準ずる教育」と法では定めている。
 その「準ずる教育」に対する誤解が、特別支援教育に対する偏った見方を生じていると指摘している。
      
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【引用始め】
   
http://www.asai-hiroshi.jp/mysite5/index.html

教育を受ける権利の保障   2013.4.12

学校教育法でいう 「準ずる教育」 とは

 学校教育法の第72条に特別支援学校の目的として、
 「特別支援学校は、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、
 肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。以下同じ。)に対して、
 幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、
 障害による学習上又は生活上の困難を克服し
 自立を図るために必要な知識技能を授けることを目的とする。」とあります。

 この学校教育法でいう 「幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に
 準ずる教育を施す」 ということをどのように考えるか
 ということも重要な問題だと思います。

 準ずる教育という言い方は、
 障害のない子どもの教育になぞらえるということであり、
 端的にいえば、同じようにするとか似せるということだと思います。
 同じようにするとか似せるということで何も問題がないのであれば、
 わざわざ 「準ずる」 などと紛らわしい言い回しをせずに
 最初から 「同じ教育」といえばよいはずです。
 しかしいわゆる一般的な学校と同じでは問題があるからこそ
 特別な支援教育を行う特別支援学校というのだと思います。

 特別な教育支援を行うというのであれば、
 その学校での具体的な教育の内容や方法は、
 一般的な学校に「準ずる教育」ではなく、
 障害の状態に応じた「適切な教育」を行う
 ということでなければならないと思います。

 「準ずる教育」 から 「適切な教育」 に改めることにより、
 特別支援学校での具体的な教育的支援の方向性や
 そのための教育の内容や方法が考えやすくなり、
 工夫もしやすくなるはずです。

 特別支援教育が必要だとするならば、
 その前提として重要なことは
 何よりもまずその対象となる児童生徒の実態の把握とともに、
 そのためにどのような教育を
 どのように行うかということを考えなければなりません。
 そうでなければ特別支援と称する教育の内容や方法を
 具体的に追求していくことにはならないからです。
 当然そうしたことで現在に至っているのかもしれませんが、
 「準ずる教育」へのこだわりはなぜか根強いようです。

 障害のない児童や生徒を対象にした
 いわゆる普通教育と同じような内容や方法では無理があるわけですが、
 そうしたことの理解認識が正しくなされないままに、
 未消化のままの人権論やノーマライゼーション、インクルージョンなどの
 論理に翻弄されてしまっているようなところがあるのではないでしょうか。

 準ずる教育による混乱とそれによる弊害を招かないためにも、
 また教育的意義や教育的効果の点からも、
 教育を受ける権利に対する教育を受けさせる義務という点からも
 「準ずる教育」 は 「適切な教育」 に改めるべきではないかと考えます。
  
【引用終わり】

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 「準ずる教育」は普通教育を基準としている。
 その基準を踏まえて、障がいのある人一人ひとりの教育がなされる必要がある。
 学校教育法第72条、特別支援学校の目的の後段では、「障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けることを目的とする」となっている。
 この後段部が、特別支援教育の独自性である。
 障がいのある人の教育は、準ずる教育とともに自立を支援する教育があいまって成り立つのである。
 障がいの実情を踏まえての教育を模索することが重要なのだ。
 それをここでは「適切な教育」という表現を用いている。
 「準ずる教育」と「自立支援教育」を包含した概念なのだろう。
(ケー) 


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1 コメント

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Unknown (特別支援教育)
2014-04-18 17:27:00
準ずるとは、何に準ずるのか考えてみました。
学校教育法72条には「幼稚園、小学校、中学校または高等学校に準ずる…」と表記されています。


学習指導要領では、つぎのように考慮するように示しています。
ここでいう「準ずる」とは、原則として同一ということを意味している。しかしながら…(略)…については、小学校または中学校の学習指導要領に準ずるのみならず、児童生徒の障害の状態や特性を充分考慮しなければならない。

原則として、同一ではありますが、児童生徒の障害の実態などから完全に小学校・中学校学習指導要領と同一であることは難しいので、考慮すべきことを示しているのではないでしょうか。
幼児児童生徒一人一人の教育的ニーズを考えたうえで、あくまでも障害を持たない子供たちと同じような普通教育を受けさせる。「自立支援」の考え方とつながっているのだと思います!
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