山形県手をつなぐ育成会 日々徒然なること

育成会の事、関係ないことも勝手につぶやきます

障害者は世の中に迷惑を掛けないと生きていけない

2012年07月11日 | 地域福祉

 「心のバリアフリー化」を図るための研究報告書が発行された。
 次のタイトル書である。

 心のバリアフリー化に関する促進・啓発事業企画実行委員会 委員長 坂巻 熙(さかまき ひろむ)編「平成22年度心のバリアフリー化に関する促進・啓発事業」平成24(2012)年2月29日刊(社会福祉法人 日本身体障害者団体連合会)

 本誌の「第2章 座談会 心のバリアフリーに関するアンケート調査をめぐって」(p.63~p.107)から興味深い発言を引用する。
 その第16回目。
 坂巻 熙氏(淑徳大学名誉教授、元毎日新聞社論説委員)は、障害者は世の中に迷惑掛けないと生きていけないと主張する人のことを以下のように紹介する。(p.106)
                 
********************************************************

【引用始め】(p.106)

 坂巻:
 世の中を変えていくのは、やはり障害者本人です。
 新聞記者時代の忘れられない人に、成瀬さんといって、ひと欄に書いたんですけれども。
 重度の脳性まひの方なんですが、毎週銀座に行くって言うんです。
 「俺は、人に迷惑を掛けに行くんだ。」って、こう言うんですよ。
 要するに、人に迷惑を掛けちゃいけないんじゃなく、障害者がこの世で生きていく上には、迷惑を掛けないと生きていけないんだ。
 だから、わざわざ人に「お願いします。」と言って、車いすを押してもらって銀座に行って、段差の時は、「すみません、持ち上げてください。」と言えば、10人に1人ぐらいは声を掛けて手伝ってくれる人がいる。
 「それが俺の仕事なんだ。おれは年金で暮らしているけれども、ちゃんと仕事をしているんだ。」って言われて、「なるほど。」と、目が覚めたんですけれども。
 障害者自身が、心のバリアフリーを変えていくための動きを、どうやって具体化していくかが、とても大事だろう。
 具体的に相談員や障害者の方が、先頭に立って、世の中を変えていく。
 具体的にどういう活動をしたのかという実例を、どんどん出していっていただきたい。
                           
【引用終わり】

********************************************************

 バリアフリー化が不十分だと主張するのは、直接利害が生ずる障がい者本人やそれに関係する人たちだと説得力がある。
 それも具体的な行動や事実でもってやるしかない。
 上記の例のように行動できる人はまれである。
 しかし、そういう過激な人が先鞭をつけていくのだろう。
 世の中の流れに棹さすには思いきった行動も必要な時がある。
 ただ、誰もが思いきった行動をしていてはかえって反発も招きかねない。
 適度な対応も考えながら、できるところから徐々にバリアフリー化に向けて、多くの人たちの理解と協力が得られるようにすべきである。
 それを先導するのは、障がい者本人であり、その関係者なのだ。
 第三者がやってくれるわけでない。 
 (ケー)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。