山形県手をつなぐ育成会 日々徒然なること

育成会の事、関係ないことも勝手につぶやきます

知的障害者のための新聞『ステージ』

2013年05月08日 | 本人活動
 知的障がい者本人向け新聞「ステージ」は全日本手をつなぐ育成会より発行されている。
 全ページカラー刷りの本人向け新聞として、これだけ本格的なものは日本唯一といっていい。
 「ゆき・えにしネット」=福祉と医療、現場と政策をつなぐホームページ=
 http://www.yuki-enishi.com/index.html
 において、野沢和弘氏の「ステージ」にかかる発言が以下のとおり掲載されている。
 これから、その発言を分割して順次紹介していく。
 
 その第1回目である。

**********************************************************

【引用始め】

http://www.yuki-enishi.com/media_shougai/media_shougai-01.html#01

メディアと障害

知的障害者と新聞~『ステージ』の編集から
毎日新聞科学環境部次長(現・社会部次長) 野沢 和弘さん


(1)ステージ

 「ステージ」は知的障害者のための新聞として、1996年9月に創刊された。
 タブロイド版、8ページで年に4回発行されている。
 全日本手をつなぐ育成会(東京都港区)が発行元だ。
 編集には同会職員、知的障害のある本人、毎日新聞の記者などが携わっている。
 全日本育成会のメンバーらが
スウェーデンで知的障害者向けに写真やグラフを多用した新聞が
 発行されているのを知り、
 日本でも発行できないかと考えたのがきっかけだった。
 「あんまり福祉っぽくないものにしたい」というのが支援者らの要望だった。
 読者は知的障害者の本人たちである。
 どのような紙面にするのかを考えると、
 まず思い浮かぶのが、
 施設の紹介、福祉の制度の使い方、学校や仕事に関する情報、
 趣味や余暇活動に関する情報--のようなものではないだろうか。
 しかし、そうではないのだという。
 これまで知的障害者は学齢期を過ぎて成人しても、
 親に保護され管理されながら生活しているか、
 入所施設で暮らしている人が多かったが、
 これからは街の中で自立した生活を送る人が増えていくはずだ。
 そのためには「情報」が必要で、だからこそ彼らのための新聞を作るというのである。

【引用終わり】

************************************************************

 「ステージ」の記事の多くは、世間で話題になっているごく一般的なものである。
 たとえば、「ステージ」2013年春号(No.65)の1面には、「ゆるキャラ」の話題だ。「ひこにゃん」、「くまモン」といった人気キャラが紹介されている。
 2面には、「注目ニュース」として、「体罰受けた男子高校生が自殺」「生活保護が減らされる」「アルジェリアのテロ日本人10人亡くなる」といった社会的に話題になった記事が掲載されている。
 さらに、3面には「中国の大気汚染が深刻に」「ニュースダイジェスト」となっている。
 世間の話題をわかりやすく記事にしている。
 こうした話題を知的障害のある本人たちが理解し、世間との距離を少しでも縮めるよう配慮されている。
 みんなが知っている話題を、本人たちも知っている。
 「ステージ」はそうした役割を果たす新聞である。
 (ケー)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。