DOCOMORO100

モダニズムだけじゃない建築ブログ

泊まれば見れます

2007年01月05日 00時13分09秒 | 建築
 以前「ホテル123小樽」として紹介した「旧北海道拓殖銀行小樽支店」の建物の中には、まだ当時の金庫が残されている。現在は「ホテルヴィブラント小樽」と名称が変わっているが、やはりホテルとして使用されている。
 写真の金庫の横には、建物平面図の青図が額に納められ飾ってあった。金庫の位置は2階部分である。宿泊客でもないのに、ずかずかと入って行く訳にもゆかず、撮影する為に泊まった次第である。
 昨年夏の話だが、「一度、泊まってみたかったのさ。」と自分に言って聞かせた。

「旧北海道拓殖銀行小樽支店」
設計者:矢橋賢吉・小林正紹・山本万太郎 竣工1923年 小樽市色内1-3-1

蔦のからまる

2007年01月04日 20時18分26秒 | 建築
 蔦が育ち趣のあるファサードの珈琲店。このデザインが為されたのは1990年のことである。デザイナーは札幌で活躍されている今映人氏で、氏の事務所では凄い数の店舗デザインを為さっている。市内の気になる良いデザインの店でデザイナーを尋ねると、「今設計」の名をよく聞く。この「CAFÉ RANBAN」は1997年度の札幌市都市景観賞を受賞された。

 RANBANの建物は、もともと古い民家を改修したものであるが、場所が新しい街札幌であるから内地で言うところの“古民家”といったものではない。だがそれが、何となく歴史までも感じさせるようなデザインとなっている。内部もシックで落ち着く。自分は1階の喫煙席には座らない。午後には2階の禁煙カウンター席が開くので、珈琲を楽しみたい方は午後に訪れるのが良いと思う。

「CAFÉ RANBAN」
設計者:今映人 完成:1990年 札幌市中央区南3条西5丁目20

ああ憧れの日本代表

2007年01月03日 11時30分36秒 | Art
 写真が小さいので、一見女性アイドル歌手のように見えるが、中身は「超本格派」ギタリストの演奏である。手前味噌な記事だが、この方が私のギターのお師匠様だ。このCDは、カフェエスキスのお客様よりご要望があったもので、サインを入れていただいた。
 このCDは「レコード芸術」「CDジャーナル」「音楽現代」各誌に取り上げられ、「レコード芸術」誌では特選盤にも選ばれたものだ。お師匠様の実力は折り紙付きで、スペインリナーレスでのアンドレスセゴビア国際ギターコンクールにて日本人初にして最高の2位入賞。昨年は日本人女性ギタリスト代表としてパラグアイのギターコンサートのステージに立った。

 普段からあまり欲が湧いてこない性質だが、「日本代表」には物凄い憧れを持っている。アマチュアボクシングの練習中に、先輩選手のトレーニングウェアに縫い付けられた日の丸を羨望の眼差しで見ていた。

 歴史的建築保存の分野ではDOCOMOMOの世界大会に日本代表としてpenkou師匠が参加された。次の世界大会の開催地に立候補したのだが、様々あってオランダに決まってしまった。周りの方々は「気にする事は無い」とおっしゃられたそうだが、鈴木教授の落胆は大きかったそうだ。自分には鈴木先生の無念さがよく分かる。そしてその分余計に「お疲れ様でした。ありがとうございました。」という気持ちが強い。プレゼンは素晴らしいものだったそうである。
 
 天は二物を与えずというが、ギターのお師匠様は3つも4つも持っている。頭脳明晰、容姿端麗、芸術の才能を開花させ人間性も素晴らしい。凄いなあ。さて、昨年から建築の宿題を溜めまくっているが、今年はもう一つ目標を立てた。「いつか何かの代表になる!その何かを探す。」なんだそりゃ?

使ってませんでした

2007年01月02日 23時33分50秒 | Design
 ☆椅子さんの御訪問を受け、旧年中ずっと心に引っかかっていたことを思い出した。昨年開催され好評だった三岸好太郎美術館での「モダン建築の夢展」において、モダニズム関連の展示品としてミースの椅子とテーブルの展示があったのだが、ブログの画像フォルダに写真を保存したまますっかり忘れていた。この展覧会で自分は、館内での撮影がゆるされる写真係の腕章を美術館から頂いていた。普通は館内での撮影は不可である。
 展示されていたのはミースのアームチェアとコーヒーテーブルで、座っても良い展示方法であった。学生達も自由に腰掛け、すわり心地の感想をメモしている者もいた。長身のミースには少し小さく感じるこの椅子も、日本人にはちょっと大きいか、それともちょうど良いか。他にブロイヤーのワシリーチェアや同じミースのバルセロナチェアも展示してあった。こちらは☆椅子さんの展示場で撮影させていただいた。

 建築を学んでいる者は、これら建築家がデザインした椅子から接していくと、関心持って見ていけるのではないだろうか。宮の森美術館にもバルセロナチェアをはじめ、リートフェルトのレッドアンドブルーやコルビュジエのLC3などが展示?されている。鑑賞の合間に疲れたふりをして座ってきたが、やけに疲れやすい人と思われたか。

トンネルを抜けろ!! 2007

2007年01月01日 03時59分58秒 | 建築
 二年続けて学生達と関西を訪れている。建築を見学する研修旅行なのだが、両年共、原広司氏の「梅田スカイビル」に上った。大阪駅から梅田スカイビルに向かう途中「ゲートタワービル(ビーハイブ)」の近くを歩くが、このビルを見た学生達は皆とても驚く。何せ、ビルの胴体を自動車道路が貫いているのだから。通称のビーハイブとは“蜂の巣”という意味だそうだ。ビルと道路とは絶縁されていてオーナーも違う。

 このビルを見る度、道路がビルの中からあたかも飛び出しているかのように見える。出口のないトンネルは無い!辛くて辛くて立っていられないことが有っても、黙って3年も頑張っていれば何とかなるものだ。今年は今まで蓄えた力をバネにして高くジャンプする年にしたいと思う。

「ゲートタワービル(ビーハイブ)」
設計者:梓設計+山本・西原建築設計事務所 竣工:1992年
大阪府大阪市北区中之島4-2-55