DOCOMORO100

モダニズムだけじゃない建築ブログ

漂泊のサムライ

2006年09月28日 22時44分58秒 | Art
 彫刻家、流政之氏の作品は北海道にも数多くある。札幌市内にも函館近くの大沼にも、あるいは奥尻島にも。自分は常々60歳までに納得した仕事をして(建築を創って)死にたいと思っているが、流氏は「芸術家は八十からが勝負だ」とおっしゃる。いやはや凄い人がいるものだ。
 流氏は若いころより古武道を学び、刀鍛冶も経験した元ゼロ戦パイロットである。正にサムライだ。

 写真の「サキモリ」シリーズは数多く創られたものだが、その一つが北海道の「知事公館」敷地内に在る。サキモリとは“防人”である。内臓をえぐられたような、硬い鋭角の質感が力強い。

 ところで、この作品と狸小路6丁目の狸の像の作者が同じとは、にわかには信じられない。

来年はガルニエ宮!

2006年09月28日 00時18分15秒 | Art
 本日、我が北海道日本ハムファイターズがレギュラーシーズン1位を決めた。とても嬉しい!

 さて、今年は色々良いことがあって、オペラを歌う友人Cさんが旭川市の新人オーデションに合格し、ステージに立つことになった。同じスタジオに所属のU君は昨年合格し同舞台に立っている。今年は二人でCさんの応援(声は出さないが)となる。(写真は先日公演された二人が所属するスタジオの舞台である。)
 来年1月の渡欧が決定した。今年はミラノスカラ座にて観劇したが、来年は是非ガルニエ宮でのオペラ観劇を実現させたい。

実は入れる知事公館

2006年09月24日 22時02分52秒 | 建築
 敷地の角には交番が建ち、四周をぐるりと塀に囲まれている為、知らない市民も多いと思うが、実は北海道の「知事公館」に入ることが出来る。この10月にpenkou師匠におこし頂き、学生達と鑑賞を予定している「道立三岸好太郎美術館」も同じ敷地内に建つ。
 角先生の「札幌の建築探訪」によると、イギリスの木造住宅建築様式ということだが、大きな合掌が北の大地の風土にとてもよく合っていると思う。イギリスと言うより、チロリア風に感じられる。

 この知事公館の敷地内には、とても広く美しい芝生などが有り市民の憩いの場となっている。また、流政之氏の彫刻なども設置されている。入れる事をご存知なかった方は一度訪れてみては如何だろうか。北一条側から入りずらければ、三岸好太郎美術館側から入ると良い。

「知事公館」
設計者:? 竣工1936年 札幌市北1条西16丁目1-3

人間性

2006年09月23日 00時11分37秒 | Book
 「インタビュー」の作者、建築・アート・デザインのプロデューサー、安東孝一氏の講演会を聴きに、カフェ・エスキスに出かけた。プロデューサーというよりも、御本人がおっしゃる通り、建築・アート・デザインのキュレーターという方がしっくりと合う方であった。
 講演会はあっと言う間に終了。話に引き込まれ真剣に聞き入っていたため、終わった瞬間、思わず「え?」と声を上げそうになった。それ程興味深い内容であったのだが、それだけではなく安東氏の人柄に依るところも大きかった。

 安東氏は、ざっくばらんなようでとても気を遣われる方だ。それが人の信頼を得るのだろう。写真の「インタビュー」は最も新しい出版物だが、建築・アート・デザイン界のトップランナー達へのインタビューを活字にし、あとは写真やデータを少し載せただけのものである。
 インタビューを受ける側が、安東氏に信頼を寄せているのがとてもよく分かる。普段なら決して話さないであろう内容も話題に上っている。例えば、隈研吾氏へのインタビューでは、なんとM2の話がでてくる。インタビューが実施されたのが2001年から2002年頃だそうだが、自分は隈氏がM2について語ってらっしゃるのを初めて読んだ。それもごく自然な流れで語られている。ポストモダンについても同様だ。今、隈氏のHPではM2の写真は無く、著書「グッドバイ・ポストモダン」は外されているというのに。

 今日、安東氏の講演を聴き、世の中には様々な“役割”が存在する事を知った。そして、その様々な役割に大切なのは、やはり人間性なのだということも。

ライフ(生命)

2006年09月21日 00時08分53秒 | 趣味
当ブログ開設当初からの仲間、かるまんぼうさんから「ライフバトン」を頂きました。建築野朗I君もイチオシの“バトン”行ってみよう!

Q1.起きてまず始めにすることは?

風呂に入る。(乾癬なので、古い皮膚を落とさないと人前に出られない。)

Q2.これだけはかかせない日常的なことは?

クラッシクギターの練習と歯磨きと風呂。

Q3.好きな食べ物を3つ

塩ジャケ、麺類、米。

Q4.嫌いな食べ物を3つ

特に無い。(が、イナゴだの蜂の子だのは、敢えて食べたいとは思わない。)

Q5.最近1週間でうれしかったことは?

一日一日が、無事に過ぎていく。

Q6.最近1週間で悲しかったことは?

特に無い。

Q7.今使ってるシャンプー&リンスは?

何だっけ?

Q8.お風呂で1番始めに洗うところは?

髪の毛。

Q9.あなたにとって恋愛とは?

相手を想いやる心。相手からも想われる幸福感。

Q10.恋愛は手のひらで転がすタイプ?

大切な人を転がそうとは思わない。

Q11.あなたの長所は?

我慢強い。

Q12.あなたの短所は?

我慢の限界を超えてしまうと…。

Q13.あなたを動物に例えるなら?

K君曰く、熊だそうで。

Q14.あなたの弱点は?

好きな物には目が無くなる。

Q15.寝る前に必ずすることは?

ギターの練習と歯磨き。

Q16.リラックス&ストレス発散にすることは?

バイクと温泉。

Q17.好きな映画を3つ

プラトーン、大脱走、素晴らしき哉人生、フォレストガンプ、鷲は舞い降りた、ホワイトナイツ、ビッグウェンズデー、リトルダンサー、飛ぶ教室、ジャッカルの日、ペイルライダー、Uボート、スターウォーズ帝国の逆襲、マッドマックス、ブレードランナー、ブラックレイン、遊星からの物体X、ゼイリブ、燃えよドラゴン、ジェイコブスラダー、ダークブルー、傷だらけの青春、ロッキー、酔拳、どついたるねん、紅の豚、ルパン3世カリオストロの城、モーターサイクルダイアリーズ、雪に願うこと、飛べないアヒル、ダーククリスタル、ファントムオブパラダイス、オペラ座の怪人、麻雀放浪記、マトリクス、レイズザタイタニック、栄光のルマン、がんばれベアーズ、野ばら、十戒、海底軍艦、椿三十郎、ミニミニ大作戦、オールウェイズ三丁目の夕日、ベンハー、8mile、ダニーザドッグ、犬の生活、あの夏一番静かな海、バックドラフト、最前線物語、ロードオブザリング、ブルースブラザース、太陽がいっぱい、天国から来たチャンピオン、アイアンウィル
の中から、どれでもお好きなものを三つ選んでください。

Q18.好きな季節は?

秋(の匂いをバイクで走っている時に感じるのが好きである。)

Q19.好きな香水 思い出の香水 毎日つけている香水

ありません。

Q20.バトンを回す人5人

例によって終了。

 釧路やその近郊に建つ毛綱毅曠氏の作品は、竣工時の潮流から思考を具現化したものが多い。どれも生命の根源であるとか真理を追究したものであるとか、普通の枠には納まらないものばかりだ。釧路市湿原展望台も、展望台としてよりも内部の造形を感じる建築である。ライフ(生命)を感じる。どうせ、外は霧で何も見えない。(写真は釧路市湿原展望台内部の天井。)

「釧路市湿原展望台」
設計者:毛綱毅曠 竣工:1984年 釧路市北斗6-11

窓⑨有機的なステンドグラス

2006年09月20日 00時19分26秒 | 建築
 田上義也氏の「網走郷土博物館」は、他の作品とは少し違ったイメージを持つ。このステンドグラスの窓もその理由の一つだろう。建物周りの植栽ともマッチしているし、内部から光を通して見ると単純に美しい。

 この網走郷土博物館は展示物も充実していて、「今回のツーリングでは1番」とは、K君の弁である。

「網走郷土博物館」
設計者:田上義也 竣工:1936年 網走市桂町1丁目1番3号

大手設計事務所

2006年09月17日 18時57分32秒 | 建築
 日本では、数名から10数名位で開業している設計事務所を“アトリエ系”と称する。大先輩のpenkou師匠やisamuさんも、(一応自分も?)そうである。片や全国に支店を持つ事務所は“大手”と呼ばれる。小樽の「石原裕次郎記念館」は“大手”山下設計の札幌支社の設計であるが、小樽港マリーナに隣接し、なかなか良いロケーションだ。施工は三井建設(現三井住友建設)札幌支店で、竣工が1991年であるから、自分が三井建設に入社した前年のことだ。入社が決まり、帰省した際に早速見に行った記憶がある。ところで、入社後の勤務地希望調査で自分は第一希望札幌支店、第二希望東北支店と出したのに、蓋を開けてみると東京建築支店であった。いきなり社会の厳しさを教えられた訳だが、それではあの希望調査はいったい何の為だったのだろう(笑)。

 社会の厳しさというと、恐らく山下設計のような大手の設計事務所では、意匠設計の際、アトリエ系のように「個人が自由に表現する」ということは難しいような気もする。勝手な推察だが、どんなものだろう。三井時代に一度、松田平田さんにお世話になったことがある。担当の先生が取りまとめをするのだが、意匠のイニシアチブを取ってガンガン!という感じではなかった。
 ともあれ、この「石原裕次郎記念館」はアリーナがその雰囲気の演出に一役買っていることもあり、スマートなデザインとなっている。

 内部の撮影は禁止であるが、2階には裕ちゃんの愛車、メルセデスベンツ300SLガルウィングドアを展示している。カーマニアの方は一度ご覧になっては如何だろうか。


「石原裕次郎記念館」
設計者:山下設計札幌支社 竣工:1991年 小樽市築港5番10号 

道東の四季の像 「夏」

2006年09月15日 00時25分59秒 | Art
 釧路市内、毛綱毅曠氏の「フィッシャーマンズワーフ・MOO」と「釧路キャッスルホテル」の間に架かる幣舞橋には、四季を表す4体の像が立つ。日本を代表する彫刻家4人の手によるものだが、その内二人は私の高校の先輩である。一人は、このサイトでも何度か取り上げている本郷新氏。田上義也氏や上遠野徹先生が美術館・記念館を設計なさっている。因みに両館は私の自宅からとても近い。
 そして、もう一人は四季像の「夏」を担当された佐藤忠良氏である。札幌西高校が開校70周年記念の際、講演会を開いて下さったので、私はお話を聞いた。当時は東京造形大学で教授をされていたように思う。

 幣舞橋の四季の像はどれも素晴らしい作品であるが、とりわけ佐藤氏の作品は力強く躍動感に溢れていて良い。氏の他の作品を見ても、いつもその感想を抱く。ところが当の佐藤氏は「いつも、最初に意気込んだほどうまくいかないものだ。」とおっしゃる。この「夏」の像のどこに不満があるのだろう。創造者が納得してしまったら、そこで終わるということなのだろうか。

足場解体完了

2006年09月12日 22時54分55秒 | 建築
 「終わらない現場は無いって言いますよね…」
 新人現場監督の頃、先輩にそう聞いたところ「あるよ」との一言。「足場が、ばれなかった現場がある!」と聞いて、「なるほど~…」と唸った。恐ろしい…。

 さて、足場がばれた。あとは内装工事、設備工事と植栽で竣工である。

バウハウス3連発・第2弾

2006年09月08日 23時43分19秒 | Art
 ヨセフ・アルバース展に続く、バウハウス3連発の第2弾は「パウル・クレー展」である。パウル・クレーはワイマール、デッサウのバウハウスで教えた。

 「光」「自然」「抽象」、建築をモチーフにした絵画もある。20代の繊細な作品から50代の重厚な作品まで、まんべんなく鑑賞出来る。晩年の象形文字のような絵は素晴らしい。作風に変化が見られるが、皮膚病がきっかけとも言われる。他人事には思えない。他人事に思えないのはもう一つ有って、クレーは音楽も相当に愛していたようだ。

 パウル・クレー展は北海道立近代美術館で10月9日まで開催されている。金曜日は19時まで入場できる。

es blue

2006年09月07日 22時34分00秒 | 建築
  昨日は夕方に、学生のH松君とYさんを現場見学に連れ出した。外壁に一部調合した「青」を塗っているのだが、二人に「モロ・ブルーだ!」と囃したてられた。

 実はこの青には既に名前が付いていて、「エス・ブルー」と言う。勿論、自分で勝手に呼んでいるのだが。とにかく、この青には思い入れ満タンである。さあ、木骨石造ならぬ、木骨ALC造アパート完成まであと一息だ!

お帰りなさいませ

2006年09月07日 00時13分43秒 | 趣味
 クラッシクギターのお師匠様が、南米パラグアイより帰国された。現地ではTV、ラジオ、新聞など大きく沢山取り上げられ、演奏も好評を博したそうだ。
 パラグアイはスペイン語圏の国である。お師匠様は英語もスペイン語も話される。写真はスペイン繋がりということで、ミース・ファン・デル・ローエのバルセロナチェアである。

 何はともあれ、ご無事に帰国され良かったが、自分のギターの腕が鈍りまくっていたのを指摘されビックリ。独りよがりの練習は無駄が多いということを実感する秋であった。

“エクス”プレス CAFE GO!

2006年09月03日 23時31分51秒 | 趣味
 「狼の皮を被った羊」号が、来週PRESS CAFE’マスターにより出撃する。場所はHSP!ミニによるレースを観戦するのは初めてであるので、とても楽しみだ。
 さてこのレーシングミニのシートに座らせていただいたのだが、物凄くタイトで身動きが取れない。レーシングカーのシートというのはこのような物なのだ。ロータスヨーロッパのシートもタイトだと思ったが、ちょっとタイトの質が違った。

 ボンネットを留める革のベルトがとても渋い。さて、来週はどのような猛者達が集うのだろうか。

北海道超特急0号車 PART3

2006年09月03日 01時23分21秒 | 建築
 アイヌ人の古民家を「チセ」という。茅葺きの家であるが、特徴としては風除室と言える前室がほぼ必ず付いている。この写真のチセは屈斜路湖畔に在り、お土産物を売る建物となっている。看板には「チセツ」と表記されているが、チセとは差異があるのだろうか?そのあたりはまだ調べていない。
 チセは、思いの他過ごし易い室内気候であるという。地面からの輻射熱で夏涼しく、冬暖かい。茅葺きの外壁は空気を多く含み、外断熱効果を生むそうだ。
 他のコタンのチセも沢山見て歩きたい。出来ることならば、単体ではなく集落を。しかし、チセの単体は道内各地に保存されているが集落となると難しいか…。自分はまだ知らない。