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モダニズムだけじゃない建築ブログ

’07伊・仏建築紀行 -パリ編その1-

2007年01月22日 00時00分56秒 | 建築
 ローマ編と並行してパリ編も綴っていく。ローマ編で最初に取り上げたのはリチャード・マイヤー。パリ編もマイヤーで始めたい。但し、少々苦しい洒落だがオスカー・ニーマイヤーで。
 こちらも当ブログ初登場だ。ニーマイヤーも1988年にプリッカー賞を受賞し、ル・コルビュジエから影響を受けたとされている。実際にコルビュジエの事務所でも働いていた。まだ亡くなったという話を聞かないが、もし今年の12月15日まで生きていたら100歳だ。以前、90歳を越えて活躍されている話を聞いたが、凄いことだ。

 オスカー・ニーマイヤーのモダニズムの特徴は、何といっても美しい曲線であろう。「フランス共産党本部」は1971年から1980年までかけて完成されたので年代的には少々遅いかもしれないが、その形態はモダニズムの雰囲気満天である。一目見て、少なからず感動を覚えた。正面の地形の変化や半球のオブジェ、背の低いピロティ部分(と言って良いか分からぬが)への流れ、上部階へと続く曲線はとても美しい。さすがに内部には入れなかったが、外部だけでも見る価値は十分に有る建築であろう。

 ニーマイヤーはブラジルでルシオ・コスタの事務所所員だったことがある。後日掲載するが、ブラジル学生会館は当初ルシオ・コスタの仕事であったのをコルビュジエに大部分取られてしまった。ニーマイヤーも国連本部の仕事にコルビュジエが後から大きく関わりすぎたと不満をもらしていた映像を見たことがある。
 コルビュジエはヒトラー、ムッソリーニ、満州にも仕事を求めていた旨の文章を読んだことがあるが、いやはや貪欲なことだ。

「フランス共産党本部」
設計者:オスカー・ニーマイヤー 竣工完成:1971年-1980年 パリ市内