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モダニズムだけじゃない建築ブログ

道内では有数の温暖な地域、白老に在る資料館

2014年10月26日 19時32分15秒 | 建築

 北海道内で温暖な気候の地域を挙げる際、真っ先に出てくる地名白老(しらおい)に在る「アイヌ民族博物館」通称ポロトコタンにpenkou師匠をお連れした。隣の苫小牧市を見たいとの御所望だったのだが、苫小牧市街では特別に観光するスポットを思いだせなかった為、少しだけ足を延ばした。この博物館は展示物を公開する現代建築と、アイヌのコタン(村)を再現した建築群で構成されている。

こちらの資料展示の為の建築内では、この日から「共生の世界へ 松浦武四郎とその時代展」がスタートしていた。

 トップの写真が再現されたアイヌ民族の民家群で、それぞれの家に「サウンチセ(手前の家)」、「オトゥタヌチセ(次の家)」という名称が付けられている。

 特徴としては、壁の下部が末広がりの形状をしている。これは屋根組を組んだ後に四隅に柱を縛り付け、一気に屋根組を持ち上げるという施工方法から表われた特徴である。このチセの研究を修士時代の同級生S君が行っており、彼は博士号取得に向け、更に研究を深めている。

 アイヌの集落では「プ」と呼ばれる食品庫と、祭事時に神へ返す羆を捕えておく檻を見ることが出来る。

 左が羆用の檻、右が「プ」である。この博物館では、多くの資料が再現されている。

「アイヌ民族博物館(通称ポロトコタン)」
北海道白老郡白老町若草町2−3−4


少し時間が経ってしまったが

2014年10月19日 22時28分10秒 | ランドスケープ

 イタリアで活動する北海道美唄市出身の著名な彫刻家、安田侃氏がアートスペースとして開設したのが1992年であるから、もう22年もの月日が流れている。廃校になった小学校の校舎を利用してギャラリーを開設したのが1999年で、その頃から様々な賞が与えられ、注目されるようになった。何度か訪れたことが有るが、自然豊かな場所に、安田侃氏の作品が数多く設置されており、ゆったりとした時間を過ごすには最適の場所だ。写真はこれから紅葉が鮮やかになろうかという時期だったのだが、1週間経ってしまった。ひょっとしたら紅葉は見頃になっているかもしれない。

こんな贅沢な敷地の使い方は北海道ならではだろう。

 ゆったりとした時間を過ごすお伴は珈琲が良いかと思う。

敷地内に上品な内装の「Caffè Arte」が在る。イタリア語なのでfは二つ書く。

エントランスには渡り廊下風の屋根が架かる。

内部から安田侃氏の彫刻を見ながら美味しい珈琲を頂く。何とも贅沢な時間だ。

「アルテピアッツァ美唄」
設計者:? 建設年:1992年~ 北海道美唄市落合町栄町
2001年「北のまちづくり賞」知事賞
2002年「第十五回村野藤吾賞」
2009年「第8回北のみらい奨励賞」
2010年「地域づくり総務大臣表彰」
2012年「平成24年度北海道地域文化選奨」