DOCOMORO100

モダニズムだけじゃない建築ブログ

坂の街、小樽の神社

2014年11月30日 19時06分42秒 | 建築

 小樽で有名な神社と言えば、まず「住吉神社」であろうか。トップの写真「水天宮」は、国道5号線よりも海寄りに位置し、その敷地から見る海岸線の風景はなかなかのものである。

拝殿と本殿が有り、正面に3つの破風を設けた入母屋屋根を持つ。

ペパーミントグリーンの板金屋根が綺麗だ。

 海側から訪れるときは、下の写真「外人坂」から上ってこなければならない。

 今回はここを下った。下りで良かったと心底思った次第である。

「水天宮」
設計者:? 竣工:1919年 小樽市相生町3-1
小樽市指定歴史的建造物


川の上の市場

2014年11月23日 18時30分37秒 | 建築

 現在観光で小樽を訪れる人のほとんどは、運河沿いの観光地に向かうと思う。しかしながら小樽市内には、いたるところに見るべき建築が存在する。例えばトップの写真、「妙見市場」などもそうだ。お気付きだろうか。川の真上に出来た市場である。地面が有って地下水路が作られたのではなく、川の上にかまぼこ型の屋根を持つ建築が建てられたのだ。戦後、樺太などから引き揚げてきた人々が、川の両サイドで商売を始めたことにより出来た市場らしい。嘗ては、写真の川の部分にも建築物が建っていて随分長い市場だったのだが、2棟取り壊されてしまった。

土地には勾配が付いていて、国道5号線に向け、下がって行く形態だ。

かまぼこ型の屋根が良い味を醸し出している。

最上流から撮った写真。川の上に建っている。
 現在も店子の数が減っているようで、ちょっと寂しい気持ちになってしまった。

 「妙見市場」
設計者:? 竣工:?年 小樽市花園2丁目11−1


補修工事も行われている

2014年11月16日 17時59分51秒 | 建築

 北大名誉教授の角先生の建築探訪シリーズを持って、建築探訪に出かける機会が多い。「旭川と道北の建築探訪」は2000年の発行で、発売されてから既に14年が経っている。現存する建築を訪ねると、外壁や屋根など改修工事を行ったものも多く在って、それらを確認するのも楽しい。改修工事を行ったということは、暫くは大切に使われるだろうと予想出来るからだ。
 トップの写真「尾花商店・石蔵」も屋根板金の色や形状が、角先生の本に掲載された写真とは違っている。

 札幌軟石(石山軟石)を使用した石蔵の屋根も改修されていた。

 大正15年の大火の際、この石蔵だけが焼け残り、その後資金に余裕がある場合、石造の店舗にしたとのこと。角先生の本の写真では、店舗と石蔵の屋根の色が違っていた。現在は統一され、一体感が強くなっている。

「尾花商店・石蔵」
設計者:? 竣工:昭和初期(店舗)・1923年(石蔵) 北海道浦臼町第6


上下に

2014年11月09日 14時44分46秒 | 建築

 コンペによって設計者が決定した「北海道立文学館」は、もうすぐ竣工20年を迎える。過去に何度かクラッシックギターの師である、宮下先生のコンサートを聴きに行った。そのコンサートは何処で開催されるかというと、下の写真にあるように地下の空間である。

 地下と言っても、壁の1面は巨大なガラス開口部であるし、その外部は半円形の野外劇場となっていて解放感十分だ。エントランスは当然だがGLに有り、すぐに階段を下りる動線で、展示スペースも地下に在る。この日は「ムーミンの世界展」最終日であった。

 巨大なガラスの開口部側は、曲線でデザインされており、音楽や演劇の野外ライブを観たくなる。しまった、野外ステージを撮影し忘れた。なんという不覚!

「北海道立文学館」
設計者:北海道建築設計監理㈱ 竣工:1994年 札幌市中央区中島公園1-4