DOCOMORO100

モダニズムだけじゃない建築ブログ

’07伊・仏建築紀行 -パリ編その6-

2007年01月28日 22時18分05秒 | Art
 ベルナール・ゼルフス、マルセル・ブロイヤー&ピエール=ルイジ・ネルヴィ設計のユネスコ本部には、安藤忠雄氏の「瞑想の庭」など、いくつかのアートが贈られた。以前「札幌芸術の森」のダニ・カラヴァン作「隠された庭への道」を掲載したが、ユネスコ本部の中庭には「寛容の庭/イツアク・ラビンへのオマージュ」が在る。暗殺されたイスラエルのラビン首相に捧げられたものだ。
 後方の文字板はユネスコ憲章で、中心にオリーブの木が一本植えられているのだが・・・。何故か布で覆われていた。このアートも芸術の森の隠された庭への道同様繊細なものである。

 ユネスコ本部では見学に予約が必要だ。丁度、仕事を終え帰宅する人達の流れに逆らうように受付へ行くと、見学申し込みの用紙を貰った。明日以降に又来るようにと促され、とぼとぼ歩いて帰ろうと建物を廻っていたら、「寛容の庭」は外部からも見学出来た。

「寛容の庭/イツアク・ラビンへのオマージュ」
制作者:ダニ・カラヴァン 完成:1996年 パリ市内

’07伊・仏建築紀行 -パリ編その5-

2007年01月28日 00時51分50秒 | 建築
 近代建築国際会議CIAMの創立メンバーにして第1日目の会議にも出席したピエール・シャローの代表作が、ここパリに在る「ガラスの家・ダルザス邸」である。パリの市街地にあるガラスの家はコートハウスの中庭に面している。このあたりは歴史ある石造建築が多いのだが、中庭への門は、皆堅く閉ざされている。
 この建築の見所は中庭に面した部分で、鉄骨造にガラスブロックを積み上げて創られている。施工最中にはル・コルビュジエが何度か訪れていて、この家がかなり気になっていたそうである。

 実はこのガラスの家は見学出来ない。場所は、街の人々に聞きながら何とか辿り着いたが、肝心のガラスブロックの外壁は門の中である。しかし神様が小さな贈り物を下さった。たまたま住人である一人の御夫人が帰っていらっしゃった。撮影をお願いしたが、さすがに断られてしまった。だが門を開けていた少しの間、この“深窓の美人”を見ることが出来た。

「ガラスの家・ダルザス邸」
設計者:ピエール・シャロー 完成:1932年 パリ市内