DOCOMORO100

モダニズムだけじゃない建築ブログ

ちょっと行って来ます。’08-’09

2008年12月29日 22時11分42秒 | 建築
 さて今年も残すところ2日と少しですが、「ちょっと行って来ます。」次のUPは1月の5日を予定しています。と言うわけで、本年最後の記事となりました。
 今年はバルセロナ、アムステルダムに始まり、penkou師匠と稚内に行ったり、絵夢さんにも御一緒して頂き鎌倉を探訪したり、充実した一年でありました。入院することもなく無事に過ごすことが出来、感謝感謝です。(実は稚内から帰った後、寝ぼけて右足をドアに痛打!生爪を剥がしてしまったのですが、その傷も癒えました。笑)
 
 2009年も早速建築探訪してきますが、今年は海外ではありません。恒例penkou師匠との強行建築探訪は道南、函館あたりが有力候補。師匠からの宿題「札幌建築マップ」制作も開始しなければと、またまたつっ走る一年となりそう。ロータスもつっ走る予定です。

「茶房旧茶屋亭/旧近藤商店」
設計者:? 建築年:明治末期 函館市末広町14-27

「いざ鎌倉!腰越強行突破」’08鎌倉・東京建築紀行 その14“安泰?”

2008年12月24日 22時01分22秒 | DOCOMOMO
 Penkou師匠、絵夢さんと別れ、何かコンサートでも開催されていないだろうかと神奈川県立音楽堂を訪れたところ、耐震改修工事の真っ最中であった。完成は来年の3月とのことである。解体工事ではなかったので、胸をなでおろした。しかし真っ暗な中で写真撮影をすることになってしまった。
 「神奈川県立図書館・音楽堂」のホールの音は現在でも素晴しい評価を得ている。同じ前川建築である「東京文化会館」を思い出す。前川建築のホールの音は演奏者、観客双方に評判が良いようである。

 日建設計による「県民ホール」の方は、建替えの話があるようだ。こちらもJIAの25年賞を受賞した建築なのだが。

「神奈川県立図書館・音楽堂」
設計者:前川國男 竣工:1954年 横浜市西区紅葉ヶ丘9-2
DOCOMOMO JAPAN選定建築(当ブログ30件目)

「いざ鎌倉!腰越強行突破」’08鎌倉・東京建築紀行 その13“メタボリ”

2008年12月23日 23時48分14秒 | DOCOMOMO
 “メタボ”という言葉が流行っている。40を過ぎ、健康診断の際、胴回りを測定されるようになった。自分はリウマチと狭心症、プラス乾癬という動く病の標本みたいな人間ではあるが、まだメタボではないらしい。

 ところで黒川建築において最も「メタボリズム」を表現しているこの「中銀カプセルタワービル」も相当傷んでいるようだ。外部から見ただけではあるが、それだけでも補修が必要であろう箇所を沢山見つけた。

 エントランス横に内部も見れるユニットの見本が設置されている。

 以前Casa BRUTUSで、この内部を様々な用途にリニューアルした例の特集記事を見た。DOCOMOMO JAPANにも選定されたことであるし、ユニットを新陳代謝させた姿を見てみたい。

「中銀カプセルタワービル」
設計者:黒川紀章 竣工:1972年 東京都中央区銀座8-16-10
DOCOMOMO JAPAN選定建築(当ブログ29件目)

「いざ鎌倉!腰越強行突破」’08鎌倉・東京建築紀行 その12“RC造”

2008年12月21日 13時05分19秒 | 建築
 校倉造りの高床式。エントランスには虹梁、海老虹梁、斗栱。立派な伝統的建築であるが、RC造である。
 設計者は「歌舞伎座」を設計した岡田信一郎氏。しかし、現在見ることが出来る歌舞伎座は戦災で焼けてしまった為、オリジナルではない。復興したのは弟子である吉田五十八氏である。極々小さい範囲で吉田五十八ブームを楽しんでいるわけだが、そういえば歌舞伎座も見ていた。

 年代的にはモダニズムに含まれる。この国宝館は傷んだ感じもしない。まだまだ使われていくだろう。歌舞伎座の方はどうだろうか。

「鎌倉国宝館」
設計者:岡田信一郎 竣工:1928年 神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-1

生きてます!08師走(泣)

2008年12月20日 18時16分41秒 | 趣味
 いかん!1週間以上空いてしまったーーー!(久しぶりにこのフレーズを使うはめになった。泣)学校の授業は昨日で終わったのだが、本日も分刻みで動いている。本当は、このスバル360で記事を書きたかったのだけれど、また時間のある時にでも書きたいと思う。
 嘗てこの“てんとう虫”でかなり痛い目を見た。納車当日に田んぼの真ん中で止まってしまったり…。(当時は携帯電話など無かった。)そんな顚末記をいずれ書きたいと思う。

「いざ鎌倉!腰越強行突破」’08鎌倉・東京建築紀行 その11“宿泊熱望”

2008年12月11日 19時11分45秒 | DOCOMOMO
 麻布十番の駅から歩いた為、急な登り坂を歩くはめになった。「国際文化会館」の敷地前に着いた時には、息が切れてしまった。
 この日は結婚式の披露宴が行われていたようである。カフェやレストランもあるのでごく普通に中に入ることが出来た。ただやはり中庭からこの建築を見てみたかった。しかし宿泊客ではないため、それは叶わない。
 1階部分の壁は鎌倉近美でも使われている大谷石で、DOCOMOMO JAPANのプレートも設置されていた。(mさんがご自分のブログで掲載されていたので、真似して載せてみた。)

 ネット上の写真で改修工事の様子を見ることが出来るのだが、かなり大掛かりと云うか、しっかりした工事を行っており、この建築が末永く使われていくのだろうと分かる。
 改修直後、本オープン前にpenkou師匠は宿泊されたのだが、その時は桜の花とモダニズム建築が見事に調和した写真を掲載された。レストランのフルコース料理も召し上がられており、もの凄く羨ましい。

 エントランスの改修では、階段部分の手摺に木を用いていた。柔らかいカーブを描く木の手摺は好感が持てる。オリジナルの階段も同様だ。是非ともこの建築に宿泊し、自分もフルコース料理を食べたい。(結論が、あらぬ方向へ柔らかいカーブを描いてしまった。)

「国際文化会館」
設計者:前川國男・坂倉準三・吉村順三 竣工:1955年
東京都港区六本木5-11-16
DOCOMOMO JAPAN選定建築(当ブログ28件目)

「いざ鎌倉!腰越強行突破」’08鎌倉・東京建築紀行 その10“ふくちゃん”

2008年12月10日 19時04分15秒 | 建築
 国民的漫画「ふくちゃん」の作者横山隆一氏の邸宅を、一部移築、一部をミニギャラリーとし庭とプールも残してスターバックスの店舗とした。鎌倉に在って違和感の無いデザインを目指したものである。巨大な片流れ屋根がとても印象的だ。真新しい建築、特異な素材、興味をひかれるものを見ると、ついつい触りたくなる。外装材をpenkou師匠と二人で触りたおしていたら、後ろでmさんが笑っていた。

「スターバックスコーヒー鎌倉御成町店」
設計者:COTOPACE 竣工:2005年 鎌倉市御成町15-11

「いざ鎌倉!腰越強行突破」’08鎌倉・東京建築紀行 その9“思うも涙”

2008年12月09日 20時22分02秒 | DOCOMOMO
 初めて「日本芸術院会館」を訪れたのはもう3年も前のことである。それが自分にとって初の吉田五十八建築体験であった。その時は幸運にも開館日に当たっており、入館し貴重な収蔵品を見ることが出来た。館内部、中庭も撮影したのだが・・・。あの思い出しただけで涙が出そうになる雷事件により(誘導雷サージか。)データが全部無くなってしまった。当時はバックアップデータを取っておらず物凄く後悔したが、文字通り先に立たずである。
 それで今回の訪館では、公開日に当たることを期待していたのだが残念ながら外れてしまった。まあ記憶の中には、あの素晴しい中庭がまだ存在しているのだが。

 「さてそれでは表の館銘でも撮影して帰るとするか」とシャッターを切った。すると何やら光のようなものが写り込んでいる。

 写真撮影に関し素人同然であるので、何がどうなってこんな光が写ったのかは分からないが、何だかこの建築を品格あるものと表しているかのようだ。

「日本芸術院会館」
設計者:吉田五十八 竣工:1958年 東京都台東区上野公園1-30
DOCOMOMO JAPAN100選選定建築(当ブログ7件目)

「いざ鎌倉!腰越強行突破」’08鎌倉・東京建築紀行 その8“鎌倉のサヴォア邸”

2008年12月04日 19時27分20秒 | 建築
 「これは、鎌倉のサヴォア邸だ!」そのプロポーションから、すぐにサヴォア邸を思い浮かべてしまった。設計者は鎌倉市のまちづくりにも関わりの深い、武基雄氏である。ネットや書籍により、武氏のモダニズムがコルビュジエの影響を受けている云々を読んだのは、帰札した後のことである。本当にコルビュジエの影響が有るのかは分からないが、この建築を見た瞬間、咄嗟にそう思ったのだ。住宅ではなく事務所建築ではあるが。

 内部に入り、また驚いた。1階天井は巨大な格天井のように、太い格子状の梁が表されており、その2階より上の躯体を、見たところわずか4本の柱で支えている。それも下の写真のように「ピンか?」と思えるような接合なのだ。

どう見てもその他の壁などはカーテンだ。その事を知ってから外部に出ると、途端にとても軽やかな建築に見えてきた。
 当日は講演会の開催直前で、地下のホールも少しだけ覗かせてもらうことが出来た。思ったよりも広いホールである。

 何とも凄い建築を見た。それは鎌倉の山の麓に静かに建っていた。

「鎌倉商工会議所会館」
設計者:武基雄 竣工:1969年 鎌倉市御成町17-29

「いざ鎌倉!腰越強行突破」’08鎌倉・東京建築紀行 その7“絵画のような”

2008年12月03日 23時17分41秒 | DOCOMOMO
 「東京カテドラル聖マリア大聖堂」は催し物があっても内部見学可能とのことで、安心して尋ねた。日曜日であったためミサの準備が行われていた。教会建築を訪れる際ミサが行われていたりすると、物凄く恐縮しながら、さっと内部を見せていただき逃げるようにして退出する。この聖マリア大聖堂でも信者の方に声をかけていただいたのだが、やはり早々に出てきてしまった。

 この建築の様々な内部写真を見る度に、「まるで絵画を見ているようだ」と感じていたのだが、内部のコンクリート表しの壁は実際にこの目で見ても本当に絵を見ているようであった。どうにも現実の世界にいる感じがしない。2方向曲面のHPシェルも、何か視覚的効果をもたらしているのではないだろうか。
 ネコで打ったというコンクリートの地肌が強烈な印象を与える。外部の金属板の光が対照的でドラマチックだった。 

「東京カテドラル聖マリア大聖堂」
設計者:丹下健三 竣工:1964年 東京都文京区関口3-16-5
DOCOMOMO JAPAN100選選定建築(当ブログ27件目)

「いざ鎌倉!腰越強行突破」’08鎌倉・東京建築紀行 その6“住宅”

2008年12月02日 18時10分08秒 | 建築
 札幌に帰ってから知ったのであるが、吉田五十八氏設計(既存民家を改築)の「吉屋信子記念館/旧吉屋信子邸」は普段、一般公開していないようだ。たまたま自分が訪れた日は、年に何回かの公開日に当たっていた。それで、今改めて良かったなあと思い返している。何せ小生は多少悪戯心も持っていて、isamuさんの「聞いてないよー!」の一言を聞くのも建築探訪の原動力となっているのだから困ったものである。中を見ていないとあっては、isamuさんに自慢できない。

 既存の改築とは言え、内部外部共に一味違う雰囲気を感じることが出来た。これまで見た吉田五十八建築は上野の「日本芸術院会館」だけである。住宅建築は初めての体験だ。雰囲気の良い玄関から居間へ入ると、まずその天井に目を奪われた。網代目透かし張りボードの目地内に、銀色の紙かテープが貼られていた。
 書斎も独特である。トップライトは拡散照明で柔らかい光を机上に落としている。収納の扉の仕上げが格好良い。
 真壁の柱、所々小口の見える梁材、鴨居、長押、落し掛けの焦げ茶色と白い壁とのコントラストに心を奪われる。絵夢さんも玄関の床材である欅に相好を崩されていた。

 ところでこんな小生にも苦手な人種がいて、あろうことかこの素晴しい建築で多数出会ってしまった。両足を投げ出し長時間ソファーを独占し、だらだらと稚拙なスケッチを続ける連中のおかげで居間のまともな写真が無い。他の訪問者も吉田五十八デザインのソファに座ってみたかっただろうに、そういうことを考えられないのか。自分の学生なら一喝していたが・・・。(指導者は公共性という言葉を教えるべき。)

 翌日何年かぶりに日本芸術院会館を訪れた。イーゼルを立てた恐らく美術学生であろう、2人組を見た。真剣な眼差しで描くカンバスの中の吉田五十八建築は、どちらも素晴しい出来だった。

「吉屋信子記念館/旧吉屋信子邸」
設計者:吉田五十八 竣工:1962年 鎌倉市長谷1-3-6

「いざ鎌倉!腰越強行突破」’08鎌倉・東京建築紀行 その5“3大巨匠”

2008年12月01日 19時45分10秒 | DOCOMOMO
 20年前、西池袋を訪れたことがある。その時はライトが設計した「自由学園・明日館」が目的だったのでは無く、空手の極真会館東京総本部を目指していた。その場所から移り、立派なビルとなった総本部道場の前を通り過ぎ、昼前には明日館に到着した。
 
 この日、明日館では結婚式が行われており、ちょうど前庭で記念写真を撮っている最中であった。よって残念ながら、内部見学は適わなかったのだが、それでもいくつかの部屋を覗き見ることは出来た。
 ライトのスタッフだった田上義也氏の建築を沢山見ているので、ライト建築を初めて見たという気がしない。田上建築はライトの影響を強く受けていることを、あらためて実感した。薄い木板による窓の模様、同じく窓ガラスに施された格子のデザインなどそっくりである。
 また明日館は平成13年まで補修工事が行われていたので、ひどい老朽化は感じなかった。都心の高い建築群の中で、この広い庭を持ち開放的な平屋の建築を見るとほっとする。

 さてこれでようやく3大巨匠の作品が揃った。日本では他にもライト建築を見ることが出来る。次は何処に行こうか。

「自由学園・明日館」
設計者:フランク・ロイド・ライト+遠藤新 竣工:1921年 東京都豊島区西池袋2-31-3
DOCOMOMO JAPAN 100選選定建築(当ブログ26件目)