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モダニズムだけじゃない建築ブログ

’07伊・仏建築紀行 -ローマ編その2-

2007年01月21日 00時00分43秒 | 建築
 長い歴史の街ローマでは、いつもどこかで補修工事が行われている。昨年はスペイン広場が、今年はナヴォーナ広場のベルニーニの噴水が補修されていた。
 「アラ・パチス博物館」内に在る「アラ・パチス」も展示しながら補修を行っていた。歴史、文化に支えられて生きている街は、このような補修するという部分がしっかりしているのだと思う。

 初代ローマ皇帝アウグストゥス帝により作られたローマの平和を祝う祭壇、アラ・パチスの壁面には素晴しいレリーフが施されている。その内部では儀式的な意味から牛などの動物を焼いたそうで天井は無い。嘗てはガラス張りの建物が、現在はリチャード・マイヤーの建築が、この祭壇を覆っている。リチャード・マイヤーの建築はトップライトと壁面ルーバーで和らげられた沢山の光を取り込み、実に明るく開放的な内部空間を創っている。

 日本に居ると、特に新しい街札幌で生活していると100年でも古いと思うのに、こちらでは100年などごく最近という感覚である。紀元前に作られたこの遺跡も一旦はバラバラにされたことも有ったが、各博物館から集められこうして蘇った。

「アラ・パチス」
制作者:アウグストゥス帝 完成:紀元前9年 ローマ市内