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モダニズムだけじゃない建築ブログ

’07伊・仏建築紀行 -パリ編その7-

2007年01月29日 23時16分37秒 | 建築
 イタリア人建築家のデザインは世界潮流とは一線を画する。その中でも、マッシミリアーノ・フクサスのデザインは特異だ。外装の素材も、荒々しいものであったり、粗野なイメージであったりする。
 パリ市内にある「スポーツ・コンプレックス+パーキング」は亜鉛メッキ鋼板で葺かれている。その形態はデコンストラクティビズムかと思えるもので、かなり自分好みである。パリは長い歴史を重ねた建築だけではなく、新しいものも上手く溶け込んだ街だ。エッフェル塔やポンピドゥセンター。今回の旅では最新のケ・ブランリー美術館も訪れた。これらは完成当初、新しい輝きを放つ建築である。
 ところが、このマッシミリアーノ・フクサスの建築は、おそらく竣工した瞬間からもう30年もそこに在ったかのような顔をして建っている。周囲に馴染んでしまい東京の下町的雰囲気であった。だから、この建築を初めて見た瞬間、嬉しさよりも何か懐かしさのようなものを感じた。

「スポーツ・コンプレックス+パーキング」
設計者:マッシミリアーノ・フクサス 竣工:1993年 パリ市内