赤い椅子

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鳥海山の高山植物と出会う旅 Ⅱ 

2006-07-24 20:43:52 | ノンジャンル
昨夜は星も出ていたのに…
朝は曇り、予報では9時ごろから雨になるという。
とりあえず予定どうりバスに乗り標高1000Mの大平登山口に向かいそこから登山。
少し雨が降り出したようだ。天気予報がやけによく当たる。

その前に鳥海山とは…
秋田、山形の県境、庄内平野の北に位置する。
標高2236Mの独立峰、緩やかな裾野を日本海に落とす美しい山で、出羽富士といわれる。
春から夏にかけて200種以上の可憐な花を咲かせる高山植物の宝庫。

バスを降り、9時頃、雨合羽で武装して歩き始める。
今日も花のガイド、芝田肇氏、ウォーキング・ライターの森岡裕起氏、ツアーコンダクターの寺路氏、観光協会の若者(ごめんなさい、名前を失念)の4人に守られて心強い10人の旅仲間たち。

小雨の中ゆっくり花を見ながら説明を聞き歩く。
芝田氏は声が小さい。聞こえないので聞き返すと「東北生まれなもんで…」と
少しずーずー弁が入ると恥ずかしそうに言われる。



左上、イブキセリ。  右上、ゴゼンタチバナ。
左下、ヨツバシオガマ。右下、クルマユリ。

降ったり止んだり、これくらいなら…と気を好くして歩く。
2時間あまりで御浜小屋へ。(ここで標高1500M位)
雨も小止み、ここで宿の作ってくれたおにぎりで昼食。



小屋から見た鳥海湖。雪渓もありすばらしい景色。風が強く、雨も降り出す。

鳥海湖を左横に見て山の斜面を歩くが、雨がひどく風も強く寒い。
テレビで台風の中継をやっているアナウンサーのように風と戦いながら歩く。
でもニッコウキスゲの咲く景色を撮る余裕は残っていたようだ。



雪渓を三つ超える。解けかけて凍っているのでよくすべる。



雪渓の断面の模様が面白い。まだこんなものを見る余裕がある(^_-)-☆

雨がひどくなり、手袋がずぶぬれで手がしびれるように冷たい。
水洟がでている。ぬれねずみだ。
でもまだ花の写真を撮る。「元気やな~まだ余裕があるんや」と
同行の人にあきれられる。



左上、鳥海アザミ。 右上、ネバノキラン。
左下、イワカガミ。 右下、白山シャクナゲ。
鳥海アザミは俯いて恥ずかしそうに咲き、油からでてきたように粘った感じ。

千畳ヶ原あたりは石組みや木道が続き歩きやすかったが…。
幸治郎沢という岩場を芝田氏の先導で足場を確かめながら4つんばいで登る。
見上げてはため息をつき、見下ろしては足がすくみ…。



月山森に入るがすでに下山予定の3時を過ぎている。
雨などで条件が悪く、大幅に予定が狂っているがみんな頑張る。
雨や雪解け水で道が川のようで、みんな何回も滑って転びもう全身ぐっしょり。
靴の中まで水が入りこんでじゅくじゅくだ。雨もますますひどい!



斜面が変わり、生態系が変わるとまた違う花に会える。
左上、ヒナサクラ。 右上、ウサギギク。
左下、トウゲブキ。 右下、ミヤマハンショウヅル。
雨でレンズが曇りなおさら上手く撮れないが、横で夫が傘を差したり、邪魔な枝を押さえたり、涙ぐましい協力をしてくれる。

途中橋を渡るが、川は恐ろしい勢いと泥色の流れだ。
滝の小屋が見え「あと30分」という声で最後の力を出して歩くが30分以上かかったと思う。
車道の車の音が聞こえ、バスが見え座り込みそうになるほどほっとする。
時間はすでに5時を過ぎている。9時から歩き、約8時間半の行程だ。
リュックを下ろし、雨合羽を脱ぎ濡れた頭を拭く。
防水のリュックにカバーをかぶせていたが、リュックの中は水がたまっていた。
芝田氏の著書『鳥海山に咲く植物』を買い休憩のときにでも見ようと、
リュックに入れていたら半分水浸し(泣)

でも宿、鳥海山荘に着いた時、その濡れた本で失礼だが芝田氏のサインを貰う。



花の写真はピンボケであったり、雨で曇っていたり、上手く撮れていても調べても花の名が分からなかったり…思うように行きませんが、自分の胸ではしっかりと印象に残り、思い出のアルバムが出来ています。

お花畑あり、雪渓あり、岩場あり…とにかくいろんな山の姿を見せ、山のすばらしさを堪能させてくれた鳥海山で、スタッフの皆さんに感謝でいっぱいです。
常に先頭を歩いていた婦人はもうすぐ72歳だそうです。
今年が最後かも…とこの夏、穂高にも登るそうです。

元気なうちに行きたいところに行こう…疲れて眠れないベットで思いました。
コメント
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