私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

可変バルブリフトエンジンのこと

2007-11-14 | 車両修理関連

 BMWが実用化に先鞭を付けたバルブ開度を連続可変する可変バルブリフト機構としてバルブトロニックがあります。BMWに遅れること5年余で、やっと国産車にも同様システムの採用エンジンが登場しました。トヨタのバルブマチックとニッサンのVVEL(ブイベル)が登場しました。どちらの方式も、幾何学的な動作が非常に判り難いものですが、私の見るところトヨタの方式は、微少バルブ開度での気筒間のバラツキを押さえるのに苦労しそうな方式であると感じます。微少バルブ開度でのバラツキは、気筒間のパワーバランスの差を生じ、アイドルの不安定や低負荷時のトルク変動を生じてしまいかねません。
 何れにしても可変バルブ機構は、自動車エンジニアの長年の夢であった、ガソリンエンジンにおける低負荷(パーシャルスロットル)域でのポンピングロスを改善して、実用燃費を改善させることが出来る良い機構ではあると感じます。しかし、これらエンジンにはバルブ開度を可変化するために電動モーターを使用していますが、エンジンの動作と共に常に正逆回転を繰り返すモーターの耐久性が気になるところではあります。パワーステアリングの電動化(EPS)もそうですが、この様な重要部分にモーターを使用することの、信頼性の確保が十分か気になるところです。

追記
 ホンダも同様のシステムを準備中の様子です。従来からVTECエンジンではバルブ作用角とバルブリフトを可変化にしていましたが所詮2段階の動作でした。しかし、ホンダというのは、この様なシステムを真っ先に取り入れるのが、そのDNAと真骨頂と思いますが残念なことです。宗一郎さんが生きていたら、さぞや悔しがっていただろうなどと想像してしまいます。 


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