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中・大型バスの換気扇の修理

2019-01-24 | 車両修理関連
 中・大型バスには、一般的な乗用車では見掛けない装置が結構あります。天井部に付けられた換気扇もその一つでしょう。今回は件(くだん)の換気扇が停止させ様としても時々止まらず、上部の開口部ダンパーが閉じたり開いたりを繰り返し続けるというトラブルの修理記録を紹介してみましょう。

 この換気扇のメーカーは、製品ラベルを見るとゴールドキングというバス用装備品メーカー製で、型式VIM-234Cというもので、修理該当車は15年程使用していますが、今でも現行製品として作り続けられてることが判りました。また、同メーカーから聴取したところ、今回の様なトラブルだと、開閉ダンパー駆動ユニットのサブAssyとして約15千円程の設定となっていることも判りました。

 こんかいの様な現象は、ダンパーの上限、下限の位置を検出するスイッチ(リミットスイッチ)が悪いと見込みを付け、該当マイクロスイッチのメーカーと型番をメモしました。メーカーはPanasonicで型番はAVL3255 というものでした。メーカー(パナ)のサイトで、業務用の通販が行われており、費用は送料共で800円弱(内送料が500円程)で、注文後2週間程で配達となりました。

 さて、部品調達もできたので、換気扇のダンパー駆動ユニットを車上より取り外し、スイッチの取替を実施します。リミットスイッチですが、上端および下端の検出に180°位相で装着されています。つまり、右回転のモーター駆動のクランクでダンパーを上下させていますが、クランク根元のカムで、180°位相で停止位置を決めている訳です。まずはサーキットテスターの抵抗レンジでスイッチの接点抵抗を計測しますが問題ありません。次に指触によりマイクロスイッチのストロークとクリック感を比べてみると、上死点側のスイッチがONになる位置が深い様です。マイクロスイッチは、内部に燐青銅製のスプリングがあり、これでカチンとスナップしてON(もしくはOFF)をスイッチしているのですが、経年によりスプリングの特性に狂いを生じている様です。これではカム山でスイッチON(もしくはOFF)になるべきところでならず、通り過ぎてしまい何時までも動き続けるという結果となるのでしょう。

 当該マイクロスイッチを取り寄せた新品と交換し、ハンダ付けで配線をしっかりと接続し直し、機器を元通り車上に組み付け直しました。それから、約2週間使用してますが、運転手からは異常動作の再発はないと報告を受けています。不慣れな初めての作業でしたが、1h程の作業時間で終了できました。






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