私の思いと技術的覚え書き

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入力方向の判断のこと

2015-03-25 | 技術系情報
 クルマの事故では、相手車(もしくは物)との衝突により車体の変形を生じるのます。その際の、入力方向を判断し記録することは、保険会社では極めて重要なこととして認識しています。しかし、大した問題意識も持たず、ぼんやりと観察している方も少なくない様に見受けられます。何故、保険会社が入力方向に重要性を持つのかというと、保険契約者が申告した事故状況と一致するかという、いわゆる「整合性」の重要要素だからなのです。つまり、虚偽の事故を排除する意味において重要だからなのです。

 また、板金屋さんなど修理担当者にとっても、特に修正機での引き(もしくは押し)作業においては、入力方向を意識する必用性は当然のことでしょう。

 写真のBMW車ですが、知り合いの板金工場で見たクルマです。右前部が潰れ、右ヘッドランプがなくなる程の損傷をしています。また、タイヤに入力受けのでしょう。前方配置の右側タイロッドが折損していました。ちょっと見では、右前方(1~2時くらい)の入力方向と、私も思いましたが誰もが思うことでしょう。ところが、証拠となる2枚目の写真を見て下さい。右サイドフレーム先端のリインホースメントと結合するフランジ部が捻る様に変形し、結合ボルトが引きちぎれています。このことから、このクルマの入力方向は1~2時ということはなく、むしろ後方となる4~5時あたりとなると私は判断しました。その入力で、けっこう背のある丸い(角のない)垂直物?にぶつかったということになると、本当の事故状況は判りませんが、相手は物で自爆事故ではないのかな?とも思えます。何れにしても、入力方向の判断の難しさを改めて感じた次第です。



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