私の思いと技術的覚え書き

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解体屋で見るE36・Fサスペンション

2016-10-31 | 車両修理関連
 先日のこと、ある部品探しに、時々訪ねる自動車解体業さんへおじゃました時のこと。ここは、個別リサイクルパーツを分別して売ろうという意志はなく、もし欲しい部品があるなら、打ち合わせ後、自分で取り外して持ち帰るという業社だ。その代わり、NGPとかの全国ネットワークのリサイクル業社より、余程安価で入手できる。しかも、解体車の入手先に数社の輸入車ディーラーもあるから、欲しい輸入車部品があることも多いのだ。

 今回は目的のパーツ取り車もなく、積み上げてある解体車を眺めていると、約20年程前のBMW・E36があった。フロントサスペンション廻りが良く見えて、改めてこの頃のBMWは、シンプルで良い足回りを持っていたと思うのだった。つまり、L型ロワアームだが、前側のピボット(横応力を負担)は遊びなしのボールジョントを使い、後ろ側のブッシュは左右への逃げを作る大容量ラバーブッシュとする配置だ。これにより、タイヤは高いキャンバー剛性と、前後への動きを許すハーシュネスを良くしている。そして、FR車に限りだが、ラック&ピニオンのステアリングギヤは前方配置とされている。

 このE36ではロワアームが鋼鍛造の様だが、次のE46ではアルミ鍛造製となり、後ろ側ラバーブッシュの容量も増やされている。しかし、前側のボールジョント構造は変わらないし、ステアリングギヤの配置も変わらない。FFのBMW・ミニ(R50、R56)でもアーム配置は同様で、スペース上の制約だろうが、ステアリングギヤは後方配置となる。

 なお、E90以降は、ロワアームが2本に別れ、それぞれのボールジョントとナックルが結合される、いわゆるダブルジョントに変わっている。E46とE90を比較し、限界性能を比べた訳でも(その様なドラテクもない)ないが、限界が上がった様な感もなく、僅かにハーシュが良くなったかなという程度で、素直さではE46に分がある様にも感じられる。

 などと、解体屋さん巡りも結構な勉強になることは多いものだ。

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