私の思いと技術的覚え書き

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86エンジンルームから思う

2015-08-12 | 技術系情報
 先日86を乗った際、ボンネットを開きエンジンルームを覗いてみました。予想通りと云うべき、ボンネットラインからエンジンまで隙が大きく、これなら、フェラーリディノ246GTや911みたいに低いボンネットラインで、左右のフェンダー部がアーチ状に盛り上がったデザインとすることができる様に思えます。

 但し、ラジエターやコンデンサーは、高さをさらに抑えた横長のものとし、同一面積を確保することや、オルタネーターやコンプレッサーなど補機類の位置を下げる工夫も必用になってくるでしょう。

 しかし、見ていて水平対向なのに何故かクランク位置が高い様に思えます。ネットで同型車のベアエンジンの写真を見て、その理由が判りました。エキゾーストマニホールド(+コンバーター)の取り回しを、オイルパンの下で行っているからなのです。こういうのこそ、ディアルコンバーター+エキゾーストエンドまでディアルで作ればいいのに。排気管だけディアルにして、ニセモノめという思いを持ちます。

 同じ水平対向エンジンに拘り長年作り続けている911(997カレラ)のエンジン下部の写真を見ると、狭い空間をコンバータ+メインマフラーとクロスさせながら、エンジンを持ち上げることなく、完全なディアルエキゾーストを成立させています。まあ。1500万のクルマと300万のクルマを比較するのもコスト要件的に酷なことなのかも知れませんが・・・。

 とにかく、水平対向エンジンで本気でFRスポーツカー作るんなら、これ本当にFRなのかいというぐらいノーズの低いクルマが実現可能と思えます。

 ところで本論と離れますが、86のエンジンルームを見ていて、フロントフェンダーとその取付相手部位であるエプロン(ストラットタワー)との間に随分頑丈そうなBKTが付いているのが目に付きました。これは最近のトレンドにそぐわない構造と首を傾げます。道路運送車両法の保安基準において、歩行者頭部保護として、ボンネットを含めた前部上面に歩行者頭部を模したインパクタを当てる試験を行い、HIC(頭部障害値)が基準以下かを試験しています。ですから、ボンネット下に空間のない車両では、ボンネットを瞬時に持ち上げる機構まで付けて対応しているのです。(フェアレディZなど)フロントフェンダーも上面からの入力で、沈み込み易い様に強度を考慮したBKTを装着しているクルマは多いのです。オフセット衝突対策かとも思いましたが、カウル部に連続しておらず切れていることから違うでしょう。




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