私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

トヨ2にまつわる謎のこと

2016-07-26 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 トヨタ2000GT(以下トヨ2)は、その流麗なスタイルと僅か330台余という少ない生産台数が生む希少性から、生産から50年余を経た現在、ますます価値は上がり続けている。

 書籍など情報によれば、トヨタがヤマハ(発動機)に委託生産させたということであるが、アッセンブリー工程は間違いなくヤマハであろう(いのうえこーいち氏なる方の本(題名は忘却)の写真を掲載)が、ボデーおよびロータス様のX型バックボーンフレームまでを含め、つまり各種のパネルリングのプレス工程やスポット溶接など、すべてをヤマハが担ったのか? 一部記述では、関東自動車(現:トヨタ自動車東日本)が担った様なことも聞くがどうなのか?

 話は変わるが、最近はほとんど買わんが、以前 MotorFan なるカー雑誌を数十年に渡り購読し続けた。その理由は、モータージャーナリスト達の記事は評価に値せずと読まず、ロードテストという谷田部(車の試験場)へ評価車を持ち込んで各種テストを行ったデータや試験者の所感記事にあったのだ。その後、兼坂弘氏の「毒舌評論」や中村良夫氏の「クルマよこんにちわ」というコーナーも楽しく、しかも知識豊富にさせてくれたと感じている。その MoterFan が廃刊になって久しい時が流れた。しかし、最近新たに MotorFan の再復刊がされていることに気づき、その1号を試しに購入してみた。全般としては、まったく魅力が感じられない内容で、これじゃしばらくしたら再休刊だろう。但し、これにロードテストのトヨ2の再掲載がされていたことが、本屋でパラパラと内容チェックで発見したのが購入動機だったのだ。

 トヨ2のエンジン3Mは、いわゆる2バルブヘッドである。2バルブの場合、一般的にバルブ挟み角は大きめに設計される。これは、なるべくバルブ傘径を大きくして吸排気効率を良くしたいというのが一番の理由だろう。しかし、中村良夫氏も「レーシングエンジンの過去・現在・未来」でも記しているが、燃焼室表面積/容積比(SV比)をなるべく小さくする(コンパクト燃焼室)が求められるんであって、4バルブ化と共にバルブ挟み角はレーシングエンジンでも市販車でも、小さく改変されて来た。但し、今回のロードテスト再掲載の内容で知ったのだが、バルブ挟み角を大きくした理由として、IN、EXのカムシャフトを外側に追い出し、カムシャフト付きでヘッドボルトを締め弛めできる様にという、組み付け容易性(直動式なのでシム調整要で、ヘッドサブAssyでブロックと合体できる)に大きな理由があった様だ。

 またまた話は変わるが、静岡県浜松市は昔から工業発達地だ。オートバイメーカーも、ホンダ、ヤマハ、スズキと浜松が出発地である。そして、ホンダとスズキは今やオートバイも作り続けるが、主力はクルマであることは確かなことだ。では、何故、ヤマハはクルマ作りに乗り出さなかったのだろうか? 技術力がホンダやスズキに見劣りしていたとは思えない。また、資本力として、親会社たるヤマハ楽器があり、ホンダやスズキ以上のものがあったはずと想像されるのだ。その理由は判りかねるが、たぶんモーターリゼーションが立ち上がる時代(トヨ2の生産をしている頃)、何らかの社内的な論議はあったのではなかろうか。しかし、結局のところ、投資額やリスクを含め親会社の理解を得られなかったというところんなんだろう。



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