私の思いと技術的覚え書き

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MRJは何時飛び立つか

2012-10-18 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 MRJは三菱航空機が開発中の次世代、中・小型旅客機です。機体デザインよる空気抵抗低減や炭素繊維による軽量化、そして新エンジンなどにより従来機より大幅に燃費効率を向上させた運行ができる喧伝されている野心的な航空機です。

 大戦中、日本の航空機産業は世界に冠たるものがありましたが、戦後はほとんどが米国機のライセンス生産に留まり、独自の旅客機は今から数十年も以前となるYS11に遡ります。そんな訳で、まったく新しい旅客機は経験不足もあり、相当の困難さが生じて来るものだろうと想像しています。

 もっとも世界最大の旅客機メーカーである米ボーイング社の新型機787でも、機体の40%近くに炭素繊維を取り入れた野心的航空機ですが、初就航は当初アナウンスから4年の遅延を生じしまいました。その前のエアバス社の巨人機A380も相当な遅延を生じています。これらのことからも、従来と構造が変わる程度が大きい程、その開発は困難さが伴うのでしょう。しかも三菱航空機は、ライセンス生産や大手航空会社の協力メーカーとしてパーツ単位の生産は行って来た実績はあっても、ゼロから新設計して新しい機体を作り上げるという経験が極めて少ない訳です。

 現在のアナウンスでも、必ずしも明確ではないですが、初就航まで1、2年の遅延を生じる様子が伺えます。これが、4年も5年も遅延してしまう様ですと、開発費の増加も含め、企業としての採算性の点で非常に厳し状況に追い込まれることになるのでしょう。

 航空機の難しさを素人的に想像してみます。例えばクルマみたいな小さな乗り物であれば、試作車を作り走らせ、問題点の把握をして改善を行っていくことはできます。しかし、圧倒的に大きく複雑でパーツ数も多い航空機では、簡単に試作機を作ってダメだからボツにするという訳にもいかないでしょう。多種類の各要素パーツの強度や信頼性試験を行いつつ、風洞実験、コンピューターシュミレーションを繰り返し、大筋のところで問題なく飛び上がれる初号機を作り上げるのでしょう。

 今後のMRJの動静について、注視まではしていませんが、気に掛けて眺めているところです。
 



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