宇奈月駅は観光客でごった返していた。しばらく土産物を買ったり眺めたりしたが折角なので温泉に浸かろうということになる。扇沢から回送サービスをかけておいた仲間のワンボックスに乗り込む。その後500円払って黒部川・宇奈月ダム湖の高台にある公衆浴場『とちの湯』に入浴。この宇奈月温泉、実は湯元はトロッコ電車の途中駅の黒薙温泉で大正13年、引湯管を設置して、現在の場所に温泉街が開かれたということであった。雨に叩かれた体には最高に気持ちが良かった。露天はまたもや我々3人の貸し切りである。40分程時間をかけてゆっくりと浸かる。時折対岸を欅平に登って行くトロッコ電車を眺め、その先の黒部峡谷に目をやると何ともいえない達成感で満たされた。3人とも同じ気分だったらしい。
ノサカさんが突然言った。
「俺、実は死んでたかも知れないんですよ...。」
よく理解できずに聞くと、昨日、下ノ廊下で写真を撮ろうとしてカメラを構えた際、うかつにもザックを歩道の壁面にこすり、谷側に押し出されたらしい。咄嗟にバランスを取りどうにか助かったが今思い出しても体に戦慄が走るとのこと。
ともかく無事で何より。入浴後、地ビールで乾杯!宇奈月地ビールは苦かったが美味。まったりする。
売店のおばさんは我々が黒四から下ノ廊下を抜けて来たと聞くと、
「よくもまあ、無事で何よりだねぇ。若い頃行ったけどもう、怖くて怖くて...。人もいっぱい亡くなってるし、熊も出るっていうし、落ちたまま見つからない人もたくさんいるからもう行きたくないよ。」
と言っていた。ここへ来る前に調べたデータでは過去5年に1人亡くなったという話以外に聞いていない。
「そんなに落ちてるんですか?」
「最近は死亡事故はあまり聞かないけど、昔は多かったのよ。テレビなんかで取り上げられるようになってかなり危ない景色が映されるからしっかりした人しか来なくなったからねぇ。」
と言っていた。
その後、女性陣が打ち上げを兼ねて富山湾の寿司が食いたいというと、黒部市街の『きときと寿司』という店を紹介してくれた。
車でわずか20分あっという間に日本海である。8号線沿いのその店は石川の氷見を拠点とする回転寿司らしいがネタは地元民にも定評があるとのことだった。
6人で乗り付け食いも食ったる35皿。さすがに満腹満足状態となった。
『きときと』とは富山弁で『ぴちぴち』という意味らしい。しかし魚にしか使われることはなく、けっして『きときとのギャル(なんともオヤジ臭い例えだ)』とは使わないらしい。
その後、小谷・白馬で土産物を買いながら130km離れた扇沢まで移動。
【小谷で買った地ビール・よなよなエール メチャメチャ美味かった】
白馬を過ぎると雨がまた強く降りだし、扇沢近辺では霧が濃くなり出した。
自分たちの車を認め、ノサカさんは言った。
「なんか、何日も前にここを出たような気がする。」
誰もがそう感じていた。出発したのは前日の朝のことである。それでもこれだけ非日常的な体験が続くとやはりここを出発したときが遙か昔に感じられる。
秋の山行は終了となった。また、このメンバーが主で来年またどこかへ行くことを約束し解散となった。
ノサカさんが突然言った。
「俺、実は死んでたかも知れないんですよ...。」
よく理解できずに聞くと、昨日、下ノ廊下で写真を撮ろうとしてカメラを構えた際、うかつにもザックを歩道の壁面にこすり、谷側に押し出されたらしい。咄嗟にバランスを取りどうにか助かったが今思い出しても体に戦慄が走るとのこと。
ともかく無事で何より。入浴後、地ビールで乾杯!宇奈月地ビールは苦かったが美味。まったりする。
売店のおばさんは我々が黒四から下ノ廊下を抜けて来たと聞くと、
「よくもまあ、無事で何よりだねぇ。若い頃行ったけどもう、怖くて怖くて...。人もいっぱい亡くなってるし、熊も出るっていうし、落ちたまま見つからない人もたくさんいるからもう行きたくないよ。」
と言っていた。ここへ来る前に調べたデータでは過去5年に1人亡くなったという話以外に聞いていない。
「そんなに落ちてるんですか?」
「最近は死亡事故はあまり聞かないけど、昔は多かったのよ。テレビなんかで取り上げられるようになってかなり危ない景色が映されるからしっかりした人しか来なくなったからねぇ。」
と言っていた。
その後、女性陣が打ち上げを兼ねて富山湾の寿司が食いたいというと、黒部市街の『きときと寿司』という店を紹介してくれた。
車でわずか20分あっという間に日本海である。8号線沿いのその店は石川の氷見を拠点とする回転寿司らしいがネタは地元民にも定評があるとのことだった。
6人で乗り付け食いも食ったる35皿。さすがに満腹満足状態となった。
『きときと』とは富山弁で『ぴちぴち』という意味らしい。しかし魚にしか使われることはなく、けっして『きときとのギャル(なんともオヤジ臭い例えだ)』とは使わないらしい。
その後、小谷・白馬で土産物を買いながら130km離れた扇沢まで移動。
【小谷で買った地ビール・よなよなエール メチャメチャ美味かった】
白馬を過ぎると雨がまた強く降りだし、扇沢近辺では霧が濃くなり出した。
自分たちの車を認め、ノサカさんは言った。
「なんか、何日も前にここを出たような気がする。」
誰もがそう感じていた。出発したのは前日の朝のことである。それでもこれだけ非日常的な体験が続くとやはりここを出発したときが遙か昔に感じられる。
秋の山行は終了となった。また、このメンバーが主で来年またどこかへ行くことを約束し解散となった。