さこういっぱく

「左後一白」は名馬の証です!

愛馬物語30

2011-06-25 | 愛馬物語
続き:愛馬4頭(パスワード/1勝、チャプター/2勝、リベラル/未勝利、イグニション/未勝利)

散々な結果に終わった2006年も幕を閉じ、2007年がやってきた。
2006年当初はイノセント・パスワード・チャプターと勝ち上がり組みが活躍すると見られたが、まさかの未勝利に終わった。1年経っても回復の兆しは見られない。何せ期待したリベラル&イグニションが全く振るわなかった。

しかし、回復の兆しは突如やってきた。元々、障害馬を描いて出資したリベラル。平地では結果を残すことができず、思い通り入障するも、府中のスピードについていけず、大敗を喫していた。元来障害好きの私はどうも府中の障害は好きではない。飛越よりスピードが要求されるからである。リベラルも飛越は上手いがスピードがない馬であり、中山に変わってから・・・と思っていた。2006年終盤にその期待した中山で出走も大敗。やはりこの馬は障害でもダメなのか・・・。入障後3戦していいとこなし。普通なら戦力外通告を受けても文句は言えない成績であった。しかし、リベラル陣営は障害の名伯楽と言われた矢野進調教師である。こんな成績のリベラルにも障害センスを見出していた。
1月リベラルは障害4戦目を中山で迎える。過去3戦全て2桁着順の彼には13番人気が妥当であった。レースはお得意の飛越で無難に障害をこなし、勝ち馬からは放されたものの3着と結果を残した。漸くそのセンスが結果となって帰ってきた。その後舞台を府中に移すが8着。これは想定の範囲内。続いて中山に戻り、さらに鞍上を水出騎手から金子騎手に変えてレースに挑む。ここは勝ち負けを想定した。人気も9番人気とお買い得。彼は懸命に走った、いや飛んだ。彼の持ち時計を5秒近く更新するも4着。時計が早すぎたことが敗因だった。残念ではあるが、これで中山コースでは3戦し3着1回4着1回と中山巧者であることを印象付ける。なんとももどかしいところがリベラルらしい。
4月、中山に再び姿を現すと、果敢に先行集団に取り付き積極的にレースを勧める。無難に飛越を決め、未勝利脱出かと思われたが、1馬身半届かなかった。このレースは本当に悔やまれる。もちろんリベラル自身はよく頑張り、時計も詰めたので、力負けは認めざるを得なかったが、ここで勝利していれば・・・・・。
そして放牧へ。

リベラルの大変身中には、パスワードが決めてくれた。1月の中央場所では結果がでなかった。というかレースを使うたびに悪くなっていくような気がした。何かカンフル剤みたいなものはないのか?出資者ならそう思ったに違いない。能力はあるのに結果が出ないもどかしさが続いていた。陣営は地方交流を視野に入れる。そして向かった先は園田競馬。鞍上に川原騎手を迎えた1戦は相手が弱かったとはいえ、今までのストレスを一気に解消するかのような走りで堂々の1着。久々の美酒に酔いしれた。しかし、喜びと同時に「こんな馬じゃない。これくらいの勝利では喜べない」と思う気持ちが交差した。そして中央場所に戻るわけだが、昇級初戦を惨敗するも徐々にクラス慣れし、掲示板を確保できるようになってきた。しかし、この辺りから、陣営の迷走が始まる。折角掴みかけていたところなのに、鞍上も若手に変え、距離も延長したり、どこに向かいたいのか方向性に???がついた。元々小林徹騎手が主戦ではあるが、結果を出していたのはベテラン騎手の赤木・小牧・川原らの地方騎手であり、競馬素人の私でも結果を求めるなら「追える騎手」だと考えていたが、現実は反対の方向に向かっていった。

リベラル同様、当厩舎の問題児イグニションも2007年を迎える。まずはパスワード同様地方交流に活路を求めたが、パスワードの様にはいかず5着。そして中央復帰も10着とデビューからここまで7戦して見所がない。これはかなり厳しい現実である。「5戦して見所のない馬は勝ちあがれない」という持論があるのだが、イグニションは完璧なまでに当てはまった。もうダメだな、引退もやむなし。そう思っていた。だが、ここからイグニションが目覚め始める。中京ダ1700で何を思ったのか4着という結果を残したのである。12番人気、道中後方だったイグニション。突如目覚めたかのような末脚を披露した。なんとビックリ!である。それからもコンスタントに使われ、芝・ダート問わず10戦を消化。しかも結果は全て8着以内という最初の彼からは想像できないほどに結果を残せるようになった。ただ残念なことに私の持論には逆らうことはできず未勝利で引退となる。
今まで何頭もの未勝利馬に出資してきたが、イグニション程に楽しませてくれた馬はいない。未勝利戦だけで17戦を戦い、芝もダートも関係なく走ってくれたのだから。最高着順は4着でもその4着は3回記録し、未勝利を卒業してもおかしくないところまで頑張った。できればスエヒロコマンダーの代表産駒になってもらいたかった。

2007年前半の出来事の中には、新たに出資した馬がいる。募集開始当初からずっと追いかけていた馬に出資することになる。後のシルクイーグルである。目立つ血統ではないが、馬体がしっかりとしており、「野武士」的な印象をかもし出していた。天栄での動きも良く不安はない。唯一不安といえば、厩舎に放置されないかだけであった。

こうして2007年の前半戦は終わっていった。勝利はパスワードの1勝(地方交流)のみであったが、悪夢の2006年からは回復の兆しも見られ、一口生活に張りが戻った。そんな中、期待のチャプターが復帰を目指し帰厩する。彼女は屈健炎を克服し、気がつけば1年半の月日が流れていた。

この年の新規募集馬にも触れておこう。この年いきなり飛びつける馬がいた。父ラスカルスズカ 母シルクトリニティー の牡馬である。そうこの仔は元愛馬トリニティーの長男である。出資理由はそれだけであり、無条件での出資が決まる。ただ、実行するのはまだ先となるが。トリニティー長男以外において良く見えたのは父ステイゴールド 母チャンネルワン の牡馬。そう後のシルクメビウスである。メビウスはご存知の通り素晴らしい馬に成長するのであるが、結果的に出資しなかった。なぜメビウスに出資しなかったのか?いやできなかったのか?私の間違いだらけの馬選びが再び炸裂するのであった・・・・。

続く:愛馬5頭(パスワード/1勝、チャプター/2勝、リベラル/未勝利、イグニション/未勝利、イーグル/未出走)