思考の7割と収入の3割を旅に注ぐ旅人の日々

一般的には遊び(趣味)と見下されがちな「旅」も、人生のなかでやるべき「仕事」である、という気概で旅する旅人の主張と報告。

これで正真正銘の“プリキュアおじさん”に

2016-11-30 23:59:59 | その他趣味

今年は特別に奇数月に続けている「初めてやることシリーズ」の今月分のネタとして、プリキュアシリーズの劇場版を初めて大きなスクリーンで観た。
今年は『魔法つかいプリキュア!』からの『魔法つかいプリキュア! 奇跡の変身! キュアモフルン!』で。
本来は、毎年のプリキュアたちに帯同する妖精がいて、今年の場合は熊の妖精「モフルン」で、今作はそれが主役だということから説明せにゃならん気がするが、面倒なのでそれは公式サイトとウィキペディアに譲る。

ただこれ、単にネタとしてではなくそろそろ終盤のテレビシリーズのほうも初回からすべて観ているが、例年とは趣向が異なる部分というか気になる点が多くて結構面白いので、もちろん観たくて観に行った。そうしたら上映時間はお子様向けに短くはなっているが、僕好みの王道バトル展開でもあって満足度は正直、『君の名は。』よりも高かったかも。

“まほプリ”の趣向が異なる、について簡単に触れると、3人の魔法使い(修行中)でもある主役のキュアミラクル/朝日奈みらい(CV:高橋李依)、キュアマジカル/十六夜リコ(CV:堀江由衣)、キュアフェリーチェ/花海ことは(CV:早見沙織)のうち、これまでのシリーズでは各メンバーがプリキュアに変身するときに魔法少女モノで旧い喩えでは『ひみつのアッコちゃん』のコンパクトのような携帯できる端末のようなものと妖精の力があれば個々人のタイミングで単独でも変身できるが、今作はみらいとリコとモフルン(CV:齋藤彩夏)が揃って手をつながないと変身できないという縛りがあり(ことはは単独で変身できる)、魔法界とナシマホウ界(人間界)のパラレルワールドを頻繁に往復している(まあこれは『ドラえもん』でタイムマシンを利用して未来や過去へ行けるように以前から他作品でもよくある伝統的な設定か。ただ、往来の回数が結構多い)、単純にリコ役の「中の人」である堀江由衣が今年で40歳、ということか。

これまでのシリーズを観てきた大人の視聴者でいわゆる“大きなお友達”には特に、声優業界では歌手活動も含めてそろそろベテランの域に入りつつある堀江由衣が少女役、というのが放送開始前から衝撃だったと思う。これまではプリキュア役はキャストのなかでも比較的若手の声優の登竜門のような位置付けだったので、失礼ながら若手とは言えなくなってきた? 堀江の起用は凄いなと唸った。僕と同世代でも中学生の年頃のヒロインを1年を通じてこなせるとは。
ちなみに、別作品だが高橋は昨年の『それが声優!』から知り、そこから派生の声優ユニット「イヤホンズ」のフリーライヴも昨年に偶然に観ているということから予備知識は放送開始前からあった。また、(以前に『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のイベントで遠目だが生で観たことはある)早見はまだプロではない志望者および候補生も含めると数千人いるとも言われる現在の日本の声優業界でおそらく人気と仕事量はベスト10に入ると思われるくらいにすでに人気者の観があるなかでプリキュアを、というのも声優好きの“声豚”には大事件ではないかと。僕個人的には早見というと最近は別作品で、『アイドルマスター シンデレラガールズ』(および『デレステ』)の高垣楓役と『響け!ユーフォニアム』シリーズの小笠原晴香(部長)役の印象が特に強いが。

とかいう、つまり特に主役の「中の人」への馴染みというか興味も、この作品にはまる決め手であったりする。

そういえば、プリキュアシリーズの主役たちと対峙する敵幹部のキャストは逆にベテラン声優を配することが多く、今作の場合は敵の上層部役で龍田直樹、速水奨、井上喜久子も出演していたりで、それこそ1990年代かそれよりも前から、小・中学生の頃からアニメを観ているおじさんおばさん世代にはツボの声だろうと思う。ストーリーは女児向けであっても親世代も観るそのようなきっかけもそつなく設けたりもすることによって、結果的に“プリキュアおじさん”が増えることになる。

テレビシリーズの毎週の放送日時は日曜日の8時30分からで固定されているが、いつもその時間から、延びるときは正午あたりまでツイッターのトレンドの上位にプリキュア関連のワードが残るのは“プリキュアおじさん”がたくさん絡んでいるからで。
これまではそのハッシュタグやワードを含むリアタイ実況を、過去シリーズ作品との狙った共通点とかキャストの他作品つながりとか作画監督によって得意な話が異なって作画の人数も各話で変動するとかいうマニアックなネタも眺めて楽しんでいるだけだったが、テレビシリーズの印象をさらに補強するこの映画を観てようやく、僕も“プリキュアおじさん”に成ったように思う。おそらくアニメの制作陣のなかにも僕と同世代が多いだろうし、女児向けの作品であっても創るほうも観るほうも大人が本気でまわしている、そしてそれに僕も参加しているという感覚が劇場版を機により強くなったと思う(これは大人になってもべつに恥ずかしい感情ではない、というのは、ビッグコミックスピリッツ連載『トクサツガガガ』でもわかる)。

それに、今作で言うとみらい・リコ・モフルンの2人と1体のセットで変身が「友情」、みらい・リコの魔法使いとしての習熟の様子が「努力」、これまでのシリーズと同様に敵から自分たちの住む世界を守ることによる「勝利」、の3つでいわゆる『週刊少年ジャンプ』の三原則をこれまでのシリーズで最も多く見せている作品だと思っている。今年で創立60周年の東映アニメーションはそのような作品を数多く手掛けているという信頼感もあるし。
最近はアニメやマンガをなんでもかんでもジャンプ流というか少年マンガの定義で喩えてしまうのは悪い癖だが、それに則った王道と言える良作は以前から多い(当てはまりやすい)ので仕方ない。

まあ、対象年齢にかかわらず良い作品は良い、と言い続けてゆこうと今回改めて思った。


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