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青空ーすべてはバランス

縄文時代はどんな時代?part9土偶ーほほ笑みの土偶

土偶を何の基礎知識もなく眺めていると何を感じるでしょうか?

これは「土偶」です。
鼻の穴、目、口ははっきりとわかると思います。ほほ笑んでいるようにも見えます。

横から見ると耳穴もあります。眉毛は盛り上がってます。上から見ると分かります。

カマキリの顔?逆三角形の顔と口は確かにカマキリみたいです。エイリアン?そのようにも見えます。
富山県西部の遺跡から出土した土偶です。えええ?縄文時代の祖先がこんなものを作っていたことも知らずに死ぬところだった!と思いました。こんなものが土を掘り返していて出てきたらびっくりするでしょうね。

私が訪れた所は、「砺波市埋蔵文化財センター しるし」という所です。

ここでは、徳万頼成遺跡(とくまんらんじょういせき)松原遺跡(まつばらいせき)、八十歩遺跡(はちじゅうぶいせき)などの出土品が展示されています。

この土偶は徳万頼成遺跡で発見されました。
徳万頼成遺跡は般若地区にある縄文時代中期(約5,000年前)の集落跡です。さらに近世までの複合遺跡でもあります。
国道359号の工事中に発見されH26年度の調査では、竪穴建物を2棟発見しています。そのうちの1棟の土器が多く埋められている中からこの土偶が出土しました。埋蔵文化財調査の現地説明会が2014年10月4日に行われている。
調査内容は
調査面積:2,510㎡ 
主な時代:縄文、古代(奈良~平安時代)、中世
主な遺構:土器捨て場(縄文)、焼壁土坑(奈良)など
主な遺物:縄文土器・石器など 

高さ9cm、幅5cm、重さ187gと小柄ながらも、ほぼ全身が残り貴重です。「円錐型立像土偶」に分類されます。
下から見ると足がはずれた跡があるそうです。両腕もとれているそうです。その痕跡から両手で腹を抱えている、あるいは右手で腹を抱え左手を背中に回していると考えられるそうで、手足をつけたレプリカも同時に展示されてました。


レプリカを寝かした展示がおもしろい。

頭から見てみましょう。M字型の盛り上がりがあり、また後頭部には線を刻み頭髪を表現しています。女性は頭のてっぺんで髪を丸めていたのでしょうか?
土偶は女性を象ったと思われるものが圧倒的に多いのです。
足がついていた位置が胴体の後ろの方なので、お腹が出ている状況を表していたと考えられ、
「妊娠した女性」であると考えられています。妊娠の表現も圧倒的に多いのです。

出土した土偶はこと細かく時間をかけて観察され、データが記録されます。
そして、全国で発掘される土偶のデータと比較されます。類似点や相違点を整理していきます。
レプリカで指が3本なのは、同じ「円錐形土偶」である山梨県南アルプス市出土の縄文時代中期の「ポーズ土偶」も3本指で、この時代の円錐形土偶に多いためです
縄文土偶は、写実ではなく、当時の大切なこと(考え方等)を象徴的に表現していると考えた方がしっくりくる。いろんな出土品、地質学等考古学以外の学術的事項の参考から当時の気候、生活状況、いろんな環境条件を推測し組み合わせながら縄文人の考え方を探っていく。

データ
平成30年6月29日、「徳万頼成遺跡の土偶」が市指定文化財に指定される。

砺波市埋蔵文化財センター「しるし」
〒 939-1431 富山県砺波市頼成566 
電話番号 0763-37-1303 
開館時間 9時から17時
休館日  月曜、第3日曜、国民の祝日
入館料  無料

参考:これまでの縄文時代関連記事



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