少年時代(小田剛一)の僕は、
幸せとゆうのは海の向こうにある、
漠然とそう夢みていた。
自分の生まれ育った炭鉱の近くじゃない。
遠くへ行けば行くほど、何かそうゆう所があるに違いないと。
俳優という生業(なりわい)
魂が龍もってしまう、密度の濃い時問を過ごした撮影ほど、
クランクアップが近づくにつれて、心のバランスが崩れる。
自分でも何だかわからないうちに、どんどん不機嫌になっていく。
どうしようもなく、寂しくなる。
肉体的にはきついのに、まだまだ撮影を続けていたい。
もっともっと旅を続けていたいと思う。
だが、俳優の旅には、必ず終わりがくる.
残酷な生業だ.
終わりがわかっているのだから.
人と出会って好きになればなるほど、離れ難い
別れがあるのがわかっていて、
また新たな旅に出なければならないのが俳優と言えるから、
業の深い生業だと思う。
生業の深い意味は知らないが、生きるため……何だか哀しい響きに聴こえる。
二度と泣いたりするもんか。
今度は、鼻歌で終わってやるぞと、そんな仕事をしたいと思う
早く、こんな生業を投げ捨てて、穏やかな自然の中で安らかに静かに暮らしたいと。
ああ―、夢だよね。
だけど、一生懸命、命を燃やしていると 、
人と人との優しさ、〝幸せ〟が味わえるのかもしれないね。滅多にないけど。
集英社発行 想SOU より引用
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます