ゴールド免許失効

2024年02月29日 | Weblog

 

 テレビ番組で好きなのは、NHKBSの「ワイルドライフ」や「ダーヴィンが来た」あるいは「世界ネコ歩き」など動物が活躍するものである。

象やキリン、ガゼル・シマウマ・野牛、ペンギン・白熊・アザラシ・シャチなどの生態を食い入るように見る。

なかでもライオンやヒョウ、チーターなどネコ科の動物に目がない。

なんとなれば、家で同居している娘猫二匹の親戚筋だからである。顔だち姿態が似通っている。

遠くを見つめる様子、臥せっている様、毛づくろいや仲間同士でのパンチの応酬など、大きさは違うが瓜二つなのが親しく感じるのだ。

ネコ科の動物が草や木の遮蔽物に身を潜ませ、獲物の接近を待ち伏せ襲いかかる。襲いかかられる方に同情はするが、俊敏な狩りの姿は優美である。

 

 人間社会でもネコ科の習性をひたすら研究し仕事に活かしているのではないかと、つくづく思う出来事があった。

二月某日、わたしは軽自動車を運転してある人を病院へ迎えに行く用事ができた。わたしのパート先の理事長が緊急に検査をすると云うので、朝方病院へ送った。

しばらくしたら、「検査入院を指示されたので、家に戻り必要な品物を揃え病院へ戻りたい」との連絡があり、再び病院へ向かったのである。

さぞかし急いでいることだろうと、すこしばかり急いた気分ではあった。

病院までは20分ほど、新松戸駅を通り過ぎて片側一車線の道を緩やかに走る。病院はもう目の前である。

すると突然「ピッピッ」と呼子の音、何事かと思う間もなく警察官がわたしの車を停める。「あなたが走行してきたあそこに横断歩道がありますね。歩行者がたたずんでいるのを無視してあなたは走行しました。歩行者妨害の違反です」。

いわれてみればおばさんがいたような気がする。

この道は通いなれた道である。いまは亡き妻の通院する病院でもあったから何百回も行き来している。

そこで折悪しく捕まってしまったのだ。

 

 警察の捕まえ方が気に入らない。

電信柱や街路樹の陰に身を潜ませ気配を消し獲物を捉える。

ネコ科動物をそうとう研究しつくしているのでは、と思わざるをえないではないか。

取り締まりならもっと正々堂々と姿を現し、交通指導すべきではなかろうか。

など云っても通用する相手ではない。違反切符を切られ罰金9,000円を支払う破目になってしまった。

自慢ではないがわたしはこの20年ほど、無事故・無違反のゴールド免許保持者であるのだ。それがパーになったのが虚しくしばらく寝つきの悪い日がつづく。

 

 わたしには長い自動車運転の歴史がある。

30代わらび座の営業部で大阪に在住していたとき教習所に通い一発で免許獲得。

最初の違反は。この大阪で「一時停止違反」でやられた。その後は大阪各地、和歌山・滋賀・鹿児島・宮崎など乗り回したが捕まることはなかった。

わらび座を辞し、東京の会社で都内各地へ配送業務、この会社員生活で3度ほどやられはした。

65才で会社員生活を卒業し、73才から80才まで東京の「ディサービス」勤務、送迎で都心を巡っても無事故・無違反だ。

 

 昨年8月からの運転業務も無事にこなしていた。

通りなれた道での行き来だから、どこで取り締まりをしているかは先刻承知という有利さもある。

最近気になりだしていたのは、街路樹や街灯・電柱の陰にに身をひそめる警察官をしばしば見かけること。「信号無視を捕まえるのかなぁ」と、しばしば黄色信号を突破してしまうわが身を反省したりもしていた。

しかし多くの場面を推察してみれば、信号のない横断歩道に歩行者・自転車が車が行き過ぎるのを待っている場面で、車が停止しないで進行するのを挙げるのだ。

多分、シートベルト装着違反やスマホ通話違反など影を潜めたので、新たに運転者の錯誤に狙いを定め検挙成績を上げるため強化された取り締まりなのだろう。

 

 歩行者優先は交通ルールの大前提だから、「非は我にあり」はうけいれざるを得ない。

運転により慎重さが加わったことは言うまでもない。

だが、ゴールド免許失効はなんとも悔しい限りではあるのだ。

 

 

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