猫の殺処分減らそう 保護猫カフェ協会、8店で発足へ
2017年2月20日 朝日新聞
「東京キャットガーディアン」のカフェスペースでは、保護猫たちが自由にくつろいでいる=17日午後、東京都豊島区、竹谷俊之撮影
捨て猫や元野良猫と新たな飼い主との出会いの場である「保護猫カフェ」の健全な運営を目指して「保護猫カフェ協会」(本部・東京)が設立される。
ニャン、ニャン、ニャンの語呂合わせで「猫の日」の2月22日、東京や埼玉、愛知などの8店が加盟して始動する。
JR大塚駅(東京都豊島区)から徒歩約5分の雑居ビル5階に、常時80~90匹の猫が暮らす保護猫カフェ「東京キャットガーディアン」がある。
来店者は平均1千円ほどの寄付金を払って入店し、猫たちと思い思いに過ごすことができる。
いわゆる「猫カフェ」は猫と気軽にふれあえる喫茶店で猫の譲渡を前提としていない。
「保護猫カフェ」は猫と新たな飼い主とのマッチングの場で、来店者は気に入った猫がいれば、スタッフとの面談などの手続きを経て、譲り受けることができる。
環境省によると2015年度、全国の自治体で8万2902匹の犬猫が殺処分されたが、このうち猫が8割(6万7091匹)を占める。
また、猫カフェは国内に314店あり、そのうち約100店が何らかの形で保護猫の譲渡活動を行っている(同省調査、15年10月時点)。
殺処分を減らしていくために、保護猫カフェの役割が重要になってきている。
東京キャットガーディアン代表で、保護猫カフェ協会の会長に就く山本葉子さんは08年に保護猫カフェをオープンさせ、ほかにも東京・西国分寺でも店舗を展開している。
今年1月までに5520匹の保護猫たちが、山本さんのカフェから新たな飼い主のもとへ巣立っていった。
だが、山本さんによると、情報発信がうまくできずに譲渡が思うように進まない、店内の設備が簡素すぎる、飼い主が猫を捨てに来る――など、様々な問題を抱える保護猫カフェもあるという。
「いい出会いがあって猫ファーストな『仮のすみか』にならないといけない。皆で勉強しながら、理想的なあり方の指針を作っていきたい」と山本さん。
すべての保護猫カフェに対して、加盟を呼びかけていくという。
(太田匡彦)