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嘱託警察犬「大ちゃん」 災害救助犬目指す

2014-11-29 06:57:14 | 新聞記事・Webニュース・テレビ・書籍・ブログなど

<嘱託警察犬>「大ちゃん」災害救助犬目指す
 雑種で東北初、物覚えも良く 審査会「捜索」トップ /青森

2014年11月25日(火) 毎日新聞

◇飼い主「大物になって」
 雑種の嘱託警察犬「大ちゃん」(雄、1歳11カ月)が災害救助犬を目指して訓練を続けている。大ちゃんは「予定外の妊娠」で生まれたことから青森市の動物愛護センターに預けられたが、青森市の介護士、三上恵子さん(55)に引き取られ、6月の嘱託警察犬審査会では4部門のうち「捜索」部門でトップ合格。
これまで2件の事件事故の捜索に出動した。
雑種が警察犬になるのは東北初で全国的にも珍しいという。
三上さんは「大ちゃんが誰かの役に立ってくれれば」と話している。
【石灘早紀】

県警によると、今年7月から1年間の県内の嘱託警察犬は38頭。
今年度は9月末現在で169件の事件や捜索に出動した。
一方、同センターによると、昨年度に同センターに預けられた犬875頭のうち、ほぼ半数の430が殺処分された。
同センターで犬の洗浄ボランティアをしていた三上さんが、大ちゃんと出会ったのは昨春。
元の飼い主から預けられていた大ちゃんをシャンプーした時だ。
第一印象は「へちゃむくれ」だったが、なぜか気になり、引き取った。
手のひらに乗るくらい小さかった子犬に「大物になってほしい」との願いを込め「大」と名付けた。
好奇心旺盛な大ちゃん。
帰宅すると生米が散乱した真っ白な床に迎えられることもあった。
「最初は何もできなかった」が、「座れ」から一つ一つ教えた。
「できなくて当たり前。できたらすごく喜ぶ」という三上さんを見て、大ちゃんもどんどん教えを吸収した。
「人の役に立ちたい」とその後、警察犬の訓練を始めた。
大ちゃんの訓練に携わったNPO法人「北東北捜索犬チーム」(青森市)の岩本良二理事長は、「雑種だが、大ちゃんは賢くて物覚えが良い」と話す。
前週に教えたことは、翌週にはできるようになっていたという。
大ちゃんと三上さんは今月15日から2日間、群馬県みなかみ町で行われた災害救助犬の認定試験に参加。
大ちゃんにとって初めての大きな試験だった。
みぞれが降る中、周りは大型犬ばかり。
慣れない環境に大ちゃんは緊張している様子もあったという。
合格には至らなかったものの、倒壊家屋を想定した倉庫の中で10分間で3人を見つけ出す試験では、1人を発見したという。
三上さんは「大ちゃんにとって良い経験になった。訓練を続けていきたい」。
大ちゃんと三上さんの挑戦は続く。



雑種の僕でも警察犬・・・青森

2014年09月23日 読売新聞


県警の嘱託警察犬「大ちゃん」と飼い主の三上さん(21日、青森市の県動物愛護センターで)

飼い主から県動物愛護センター(青森市)に預けられていた雑種犬「大ちゃん」が、県警の嘱託警察犬として活躍している。
雑種が警察犬の審査で合格するのは珍しく、新たな飼い主との出会いで才能を見いだされた。
26日まで動物愛護週間。この犬の気持ちになりきってみた。
僕は1歳9か月の雑種犬。
名前は大、警察犬として働くときは「大号」と呼ばれているんだ。
よく覚えていないけれど、僕は生まれて間もなく元の飼い主から「飼えないから」と、センターに預けられた。とても不安だったけれど、ボランティアで僕の体を洗ってくれる三上恵子さん(介護士55歳、青森市)が引き取ってくれた。
おもちゃを探したり、壊したり。とにかく遊ぶことが大好き。
三上さんは「大ちゃんは好奇心旺盛でやんちゃね」と笑う。
家にはお姉さん犬のフウがいて、警察犬になるのを目指して訓練を受けていた。
僕が7か月くらいの時、三上さんが一緒に訓練に連れて行ってくれたんだ。
訓練は楽しいよ。
高い所を歩くのも平気さ。
「もっと遊びたい」ってところで終わってしまうと、次の練習が楽しみになる。
そんな調子で少しずつ上達していった。
三上さんは家で一緒に遊んでくれる。
僕が悪いことをしても大声をあげたり、たたいたりしないで表情で叱る。
僕は褒められると、もっと頑張ろうと思える。
三上さんはそれを知っていて、いっぱい褒めてくれる。
1歳6か月になって、警察犬になるための審査会に出たんだ。
訓練を始めて11か月くらい。
周りは大きな犬(ラブラドールレトリバーなど)ばかりで怖かったけれど、試験が始まったらいつも通り出来たんだ。
1位になって捜索犬になり、夏には事件の捜査に参加したよ。
今度は災害救助犬になる試験を受けるんだ。
がれきの中で捜索する訓練をしているところ。
三上さんと一緒に頑張っているワン!

県警審査会捜索部門で1位
県動物愛護センターに預けられる犬は昨年度、875頭。
うち引き取り手がなかった430頭は殺処分された。
大ちゃんは今年6月、臭気選別や足跡追及など4部門ある県警察嘱託犬審査会の捜索部門で1位になった。
審査会に出場した47頭中38頭が合格したが、雑種は大ちゃんのみという。
委嘱期間は1年間。
訓練を行ったNPO法人「北東北捜索犬チーム」(青森市)の岩本良二理事長は、「雑種にこんな能力があるのは驚き」と話す。
大ちゃんは11月に群馬県で行われる「災害救助犬ネットワーク認定審査会」にも出場する予定だ。
災害現場で活躍する災害救助犬を目指す。
県内の災害救助犬は現在2頭だけという。
(坂本早希)