日本の国蝶・オオムラサキが、羽化のシーズンを迎えました。
そこで、今回の山歩きはオオムラサキ観察地に近いところにして、下山後はいそいそと
オオムラサキセンターに向かいました。
オオムラサキは、日本のタテハチョウのなかでは最も大きいとされる蝶で、オスは青紫色の美しい翅が特徴。日本全土に広く分布し、種の基産地は神奈川県で、私の住む周辺でも発見できる可能性は大いにアリなのですが、まだ見かけたことはありません。
山梨県・北杜市にある『オオムラサキセンター』は、オオムラサキを観察するために設立された自然施設で、館内にはジオラマや世界中の蝶の標本映像室などがあって知識を高めるのに役立ちます。 そして、オオムラサキの生態観察に最適なのが「びばりうむ長坂」、
ここでは自然生息そのままのオオムラサキを観察することが可能です。
この日は、オオムラサキがサナギから羽化する感動的な一瞬を目にすることができました!
オオムラサキは、太陽の光にとてもよく反応するチョウで、それで曇りで光量が不足気味だったりすると飛ばないそうです。「びばりうむ」内でも、オオムラサキは陽が射して明るくなると飛び交い、陽射しが少なくなると葉や幹にとまりジッとしています。
クヌギの樹液を吸うオオムラサキの成虫と、葉を食べて育つ幼虫のムーちゃん。
オオムラサキの写真を撮りたいと目をキョロキョロさせて歩いても、相手は気ままなチョウだけにどこにいるかわかりません。
ま、ここは粘り強くチャンスを狙ってと。。
けど、今日は日曜日とあって、チョウを見に来ている人も多く、そういった人たちの姿を注意して見ていると、カメラを向けていたり、何人かが集まっていたりするところは、オオムラサキがとまっている撮影ポイントだとわかります。で、そういう姿を見かけたら、とりあえず行ってみる野次馬根性も、チョウとの出会いには必須です(笑)
オオムラサキのオスとメスでは、翅はオスの方がだんぜん綺麗な青紫色です。
メスはオスに比べ目立たない焦げ茶色で、大きさでは勝っていて、オスより一回り大きい。被写体としては、華やかな翅のオスを撮りたいところ。
で、その美しい翅ですが、運よく葉にとまっているオオムラサキを見つけても、翅を開いているとは限らなくて、、、ちょうちょって、静止しているときは翅を閉じていることが多いです。
ずっと長いこと枝にとまっているけど、翅は閉じたまま、、、ちょっと翅をひろげて見せていただけないかしら
ああ、チョウに言葉が通じたら、、と、皆さんオオムラサキを囲んで熱い視線を送ります。
でも~彼はそんな人間たちの思いをよそに、ピタッと翅を閉じて涼しい顔。。。
とまぁ、いろいろありましたが、ナントカ美しいオオムラサキの姿をカメラに収めてきました。
青紫の翅がとても綺麗なオス
オスよりひとまわり大きいメス 翅はこげ茶色
日本で見られる蝶には、オオムラサキの他にも美しいチョウがいますよね、アサギマダラ、ギフチョウ、アゲハチョウなど。でも、国蝶とするには全国に広く分布し、誰でもが見られて、親しみのわくチョウとなると、それら候補が絞られ、最終的にオオムラサキが国蝶に決まったようです。
さて、さきほどオオムラサキのサナギを観察したところ、そろそろ羽化しそうに思えたので、また様子を見にいってみます。
殻に包まれているものの、翅が透けて見えます。
もぞもぞ動きだしたサナギの殻が割れはじめました。
バリバリッて、音はしませんが、殻がさらに割れて、、、
青紫の美しい翅が現れました!
ここまで夢中でシャッターを切っていたら、旧にシャッターボタンが動かなくなって、
うわ~ん、カードがいっぱいでエラー表示
ここぞという瞬間にかぎって、、、でもまあ、こんなもんです(´д`)ハァ~
ソク気をとりなおして、いらない画像を削除してと、。
サナギから羽化したばかりのオオムラサキです。
この世に生命がもたらされる瞬間、青紫色の翅が殻を割ってでてくるそのとき、生命の神秘、その不思議な美しさを目にして感動しました。
「生きる」って、素晴らしいですね!