TOKIDOKI 日記

日々のなかで、「へぇ~」「ふぅ~ん」と思った、
私につながるステキなコトやモノ、そしてヒトたちの記録です。

ヒメサユリ咲く鬼ヶ面山(おにがつらやま) その1

2013-07-07 | 写真日記

梅雨のさなかに行く山は、天候の読みが難しく、ころころ変わる天気予報に惑わされ、
あっちダメならこっちと、山へ向かいつつ行先を決めることにした。

前夜の予報で晴れマークが出ていた谷川岳へ向かうと、
関越道・本庄児玉あたりから空はどんより、
みなかみインター付近で見る山は、すっぽり暗い雲におおわれている。
こりゃだめだ、、、谷川岳は却下。次の候補地を目指して小出インターへ走る。

国境の長いトンネルを抜けると、
わぉ!暗い空は一変して太陽サンサンの青空だったいいぞ!
鮮やかな対比ではじまる「雪国」の冒頭じゃないけど、
トンネルを境にして劇的に変化する景色の、なんと鮮やかなことよ!

小出インターからR17、右折してR252へ入ると、あとは登山口まで一本道。
だけど、どのくらいの距離なのかがわかってなくて、とにかく六十里越トンネルを
目指して走る。穏やかに晴れてはいるが、梅雨特有のもやっとした空で蒸し暑い。

  

道路は只見線に沿うようにして山奥へとつづく。
只見線は福島・会津若松駅と新潟・小出駅を結ぶJRのローカル線で、豪雪地帯ゆえに
11月下旬から5月中旬にかけて通行止めとなる国道252号線によって足止めされる人々の
唯一の交通手段となる。そういった事情から、赤字ローカル線廃止の対象除外となっている。
が、しかし、2011年の豪雨被害で一部区間はいまだ復旧の見通しが立たず、代行バスが運行している。

山の奥深くへとつづく線路のところどころに、小さな蒲鉾型のトンネルが蓋っていてかわいらしい。
車窓から眺める景色はきっとすばらしく、いまなら緑の風が車内を満たし、爽やかこのうえないだろうと
想像すると、普段から鉄道を利用して遠くへ旅することはまずないけど、この列車には乗ってみたい。
道路からでは得られない風景の展開と、ガタゴトとリズムを刻んで揺られゆく気持ちよさがあるにちがいない。

 

 六十里越トンネル手前にある駐車場
トンネルを挟んで福島県と新潟県に分かれる県境に登山口があった。
駐車場は広く、2、30台は駐車できそう。駐車中のクルマは6台で、1台を除いて他県ナンバー。
携帯電話(au)電波状況は良好。電話ボックスもあり。8:30出発。

 

  

駐車場からすこし戻ったところにある登山口。 ユニークな山名によくマッチしている字体。
歩き出しは草に覆われた細い道から樹林に入る。

 

      

昨夜は雨が降ったようで、登山道は湿った土が滑りやすく、葉や草はたっぷり露をはらんでいる。
白いギンリョウソウがあちこちで目立ち、ヒメアオキ?の茶色い花もそれなりに目立っている。

 

この小さな白い花は何だろう? 登山道の縁にずっと咲いている。

不明だったこの花、ミズタビラコ、コシジタビラコでは?ということで調べてみると、
ムラサキ科キュウリグサ属の、さて、どっちだろうということになると見分けが難しい。
ミズタビラコ(水田平子)とその変種コシジタビラコ(越路田平子)の違いについて
コシジタビラコには「分果の背面に環状の付属体がある」という、なんのこっちゃね?
なんでも果実となった部分を拡大して見たとき、4分果したそれぞれの縁が盛り上がって
いるのがコシジタビラコ、盛り上がった縁がなく平なのがミズタラビコになるそうで
画像の状態からはどちらかわからない。コシジタビラコの分布は近畿から北秋田に
かけて日本海側で、ミズタビラコは本州・四国・九州なので、両方ともに可能性あり。

 

見過ごしてしまうくらい地味な花クモキリソウ 

 

  

展望のきかない樹林の登りがしばらくつづく。
目を引く赤い花はユキツバキらしい。ブナは雪の重みに耐えて根元が曲がっているのが多い。
小沢をV字型に越えるところがあって、沢の水を飲んでみたらまろやかでとても美味しかった。

 

  

風が遮られてしまう樹林と急坂の道を汗まみれになって登っていくと、やっと視界が開け、
マイクロウェーブ反射板が現れた。樹林帯歩きの閉塞感から解放される。

 

ムシカリの白い花の向こうに毛猛連山が大きい。
あたりにはタニウツギのピンクの花がいくらか残っていたり、先っぽがないブナの大木に
ツルアジサイがからみついている。
ここから道はフラットになって、片側は灌木が繁るけど、そこそこ展望も得られ閉塞感はない。

 

先月登った三国山ではブユに刺され顔半分が腫れたこともあって、
今回は早めの虫対策を心がけねばと思っていたが、なんとあのこうるさい虫がいない。
かわりにたくさんのアキアカネが飛び回っている。
そうか、キミが食べて始末してくれたんだね、よかったよかったありがとう。

 

どこでも見かけるムラサキゴケだけど、ブルー系の花がないここでは新鮮に映る。

 

花の色などがそれぞれ違うこの3つ、

どれもヤマトユキザサなんだろうか?

 

コケイランが3株 
草にまぎれてひっそりと咲いていた。

送電線の巡視路でもある登山道は草木が刈られて歩きやすい。
吹峠の分岐を右折すると、道は緩やかな登りとなる。

 両側を木に囲まれ展望はないけど
空をふさぐほど繁っていないので気分よく歩ける。

 

 

登りはじめたでは終わっていたマイヅルソウが、ここでは勢いよく群生。

 

チゴユリが賑やかに咲き

どれもフレッシュ!

 

 

あらら、ツバメオモトが 

 

サンカヨウが、
お二方は今季クローズ寸前ながらも、山の花たるや清楚に咲いて~

 

   

初夏の森に咲く白い花たちはどれもエレガント、控えめな一輪はコミヤマカタバミ。

 

 ツクバネソウ

 

 

  

足元に何か転がってる?ちょっとお顔を拝見。もしかしてウスバサイシン?
そうだとヒメギフチョウの食草だから、春にはここらでが見られるのかな??

 

目の高さには 
オオカメノキの白い花、

ムラサキヤシオもまだ花を付けていてくれた

 

そしてこれは 
何だろう?  シオデでした(^^)v

 

花は他にも、ミヤマハコベ、ホウチャクソウ、ハナニガナ、タニギキョウが
散らばるように咲いて、エンレイソウ、タケシマランは実になりはじめていた。
花を見つけては立ち止まってばかりいて3時間近くが経過、いまだ尾根にとどかず、
当然というかお姫様の姿は気配すらない。
空気はひんやりしているものの湿度は高く、渇いた喉に凍らせて持ってきたアクエリアスが
浸みこむように入っていく。

    

傾斜が増してきた道の両側に、濃淡のイワカガミが並んでいる。
長い灌木帯歩きもそろそろおしまいのようだ。

次回につづく、、、