9月も半ばになっても暑さは衰えず、真夏日を更新。
今年は夏が長引くぶん、一気に秋が深まりそうだ。
そんな暑さのなかを歩くには涼しいところがいい。さてどこがいいかと考えたとき、
まだ走ったことのない第二東名を通ってみたいこともあって、久しぶりに富士山五合目へ
行くことにした。その前に、東海自然歩道を小田貫湿原までぶらっと散策、
ウン(^-^*)、なかなかいいプランじゃないの(^v^)
猪之頭公園にクルマを置いて、東海自然歩道を小田貫湿原へは片道CT40分くらい。
1時間半もあれば戻ってこれるだろうと出発。
陣場の滝までは公園の中の道を行くことにした。
公園内を流れるのは一級河川芝川、園内には県立養鱒場、ニジマス釣り場に、
虹鱒料理を出す食事処「ますの家」がある。しかし、歩いている人は誰もいない。
公園の森をぬけると畑が広がり、キバナコスモスやシュウメイギクが咲いて一気に明るくなる。
清らかに流れる川。川に迫る林にピンクの花が咲いている。
ん?ベゴニア??
と思うほどよく似ているシュウカイドウ(秋海棠)。シュウカイドウ科ベゴニア属
中国原産の多年草で帰化植物。
野生化したものがこうして咲いているらしい。この近辺では道ばたや林に咲いているのが目につく。
この花は雌雄異花で、雄花は上に伸び、雌花は下に垂れ下がる。
花の色、海棠に似たり、、、
春に咲くカイドウの秋バージョンとして名前の由来もあり、たしかに、薄紅色の花びらは、
どちらもほぉ~っとするような美しい色だ。
秋海棠 西瓜の色に 咲きにけり
と、芭蕉は秋海棠の花色をスイカに重ね合わせたけど、う~ん('_')スイカね~
その昔、スイカは赤ではなくてピンクだったのかしら???
日当たりのいい川の土手
に密集して咲くキクイモモドキ。別名をヒメヒマワリといい、花はヒマワリよりかなり小ぶりだけど、
背は高い。その下ではヒルガオとノアサガオが蔓を伸ばして、まだまだ夏の風情。
川を離れ道路を横切ろうとしたとき、無人の野菜販売所があるのに気づき覗いてみる。
これからまだ歩くのに荷物になっても
困るしで、大好物のミョウガだけ買うことにして、ポストに¥100を入れる。安くて新鮮なり~
ここから「陣場の滝」は目と鼻の先だった。
滝へのアプローチは民家もあり
道はきれいに整備され、堀を流れる水は透きとおっている。
堀には水草がびっしり生え、小さな白い花を咲かせている。沈水植物のバイカモだ。
バイカモ(梅花藻)の生育適温は水温15℃、清流に育つキンポウゲ科の多年草。
画像ではわかりにくいけど、梅の花に似た1cmくらいの小さな花。
寺の脇を流れる小川、ここも透明度の高いきれいな水。
山から贈られる最高の恵みに潤いながら暮らすここの人たちがうらやましいような、、
なんといってもきれいな水は、命の源ですから。
陣場の滝は、源頼朝が巻狩をしたさい日が暮れて、滝の近くで一夜の陣を敷いたこと
からきているそうだ。五斗目川上流の水と溶岩層の隙間から湧きだす水が滝となっている。
滝の周囲はひんやりと涼しく、ベンチも置かれ、よい休憩場所。
ペットボトルに水をつめて持ち帰る人もいたので、飲用にもなるのかな?
畑と民家が点在する細い道を、各家の庭に咲く花を眺めながら歩く。
コスモスや野菊などなど、庭先や通りにはいろんな花が並んで賑やか。
しばらくすると、コースは樹林の道になる。
林の縁には、ミズヒキ、ツリフネソウ、キバナアキギリ、オオバショウマ、セキヤノアキチョウジ、
よく目につくヤマホトトギスなど、いろんな花が咲いている。
薄暗い樹林の先が明るくなってきた
と思ったら、小田貫(こだぬき)湿原に着いた。
この湿原は富士山麓で唯一の低層湿原で、基底には富士泥流が分布し、この上を富士火山
新期の黒土層(クロボク)が一面に覆っていると看板にある。
木道脇にはアサマフウロがびっしり
アサマフウロの濃いピンクの間に散らばる小さな白い花がステキなアクセント
その白い花はミゾソバ(溝蕎麦)
ビュービュー吹く風に小さな花は揺れて揺れて、なかなかピントが合わずに困った(;´Д`)けど
ファインダーを覗いて見る花の可愛いことったらなくて、しばらくしゃがみこむ。
ミゾソバは湿った場所に群生する雑草ではあるけど、蕎麦に似た実をつけることから、飢饉の
ときの救荒食として栽培されていたこともあったそうだ。で、名前も畑に生える本物のソバに
対して、溝に生えるソバで溝蕎麦。
さらに調べてみると、こんぺい糖のようなかわいい花は、順番に咲いて長い間咲き続けるよう
になっていて、さらに虫を呼び寄せる工夫として、蕾や咲き終わった花までも美しいピンク色
にして目立たせているという。 へぇ~(゜∀゜ )やるじゃない!
もっと驚きなのが、地中にも花をつけること。
土の中にできる花は自家受粉の閉鎖花で、風雨や外敵から身を守れる。
すなわち、一年草のミゾソバは確実に子孫を得るため、二つの異なるやり方で種子を残す。
一方は安全な親元で、もう一方は水鳥の糞に紛れてどこぞの新天地へ。
いやぁ~ミゾソバって、小さくてかわいいだけじゃない、しっかりもんのおかん~(^▽^)
なんか長くなってしまったので、つづきは次回に。。