和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

老人国になることだし。

2022-11-27 | 前書・後書。
古本で200円。キケロ著「老年の豊かさについて」(法蔵館1999年)。
訳者は、八木誠一・八木綾子。

はい。題名にひかれて買った単行本です。
うん。読む読まないは別にして(笑)。
まず、「はしがき」のはじまりを引用。

「気がついたら老境に入っていた。
 気の早い友人はぼつぼつ旅立ち始め、
 からだの故障にいたっては、無いという人のほうが珍しい。

 かくいう私ども夫婦も、共に癌の経験者、
 いつまで二本足で歩いていられるか定かでない。

 よって人並みに働けるうちに、なにか老境にふさわしい
 仕事をしてみようかと思い立ったのが、
 キケロ『老年論』の翻訳である。

 わが国はやがて世界有数の老人国になることだし、
 老年もさまざまに論じられている状況だから、

 この分野での古典の訳も、本邦初訳というわけではないけれど、
 まんざら無駄ではあるまいと考えたわけで、
 幸い法蔵館が出版を受けてくれた。・・・   」


ちなみに、八木誠一氏は1932年生まれ。
八木綾子さんは1930年生まれ。
ちょうど、60歳代後半最後の頃の訳。

「あとがき」は、5行ほどで短い。
こちらも、最後の2行をカットして引用することに。

「ラテン文学は、ギリシャ文学とは違い、
 あまり青年向きではないように思われる。

 情熱と冒険というよりは、経験と常識の産物で、
 華麗ではないが滋味があり、
 年配の人の静かな共感を呼ぶのである。

 本書もそういう意味で現代に語りかけ、
 読者を人生についての省察に誘うだろう。・・・  」




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