先頃、地区の震災記念碑の漢字を読み。感じ入っておりました。
そういえば、
寺田寅彦に「津波と人間」という短文があったなあ。
と岩波少年文庫の寺田寅彦著・池内了編「科学と科学者のはなし」をひらく。
「災害記念碑を立てて永久的警告を残してはどうかという説もあるであろう。しかし、はじめは人目に付きやすいところに立ててあるが、道路改修、市区改正等の行われるたびにあちらこちらと移されて、おしまいにはどこの山かげの竹やぶの中に埋もれないとも限らない。そういう時に若干の老人が昔の例を引いてやかましく言っても、たとえば『市会議員』などというようなものは、そんなことは相手にしないであろう。そうしてその碑石が八重葎(やえむぐら)に埋もれたころに、時分はよしと次の津波がそろそろ準備されるであろう。
昔の日本人は子孫のことを多少でも考えない人は少なかったようである。それは実際いくらか考えばえがする世の中であったからかもしれない。それでこそ、たとえば津浪を戒める碑を建てておいても、相当な利き目があったのであるが、これから先の日本ではそれがどうであるか、はなはだ心細いような気がする。・・・・
しかし困ったことには『自然』は過去の習慣に忠実である。地震や津浪は新思想の流行などには委細かまわず、がんこに、保守的に執念深くやって来るのである。」(p184~185)
うん。
この震災記念碑について、だんだんと
地元の方に語りたくなってきました(笑)。
そういえば、
寺田寅彦に「津波と人間」という短文があったなあ。
と岩波少年文庫の寺田寅彦著・池内了編「科学と科学者のはなし」をひらく。
「災害記念碑を立てて永久的警告を残してはどうかという説もあるであろう。しかし、はじめは人目に付きやすいところに立ててあるが、道路改修、市区改正等の行われるたびにあちらこちらと移されて、おしまいにはどこの山かげの竹やぶの中に埋もれないとも限らない。そういう時に若干の老人が昔の例を引いてやかましく言っても、たとえば『市会議員』などというようなものは、そんなことは相手にしないであろう。そうしてその碑石が八重葎(やえむぐら)に埋もれたころに、時分はよしと次の津波がそろそろ準備されるであろう。
昔の日本人は子孫のことを多少でも考えない人は少なかったようである。それは実際いくらか考えばえがする世の中であったからかもしれない。それでこそ、たとえば津浪を戒める碑を建てておいても、相当な利き目があったのであるが、これから先の日本ではそれがどうであるか、はなはだ心細いような気がする。・・・・
しかし困ったことには『自然』は過去の習慣に忠実である。地震や津浪は新思想の流行などには委細かまわず、がんこに、保守的に執念深くやって来るのである。」(p184~185)
うん。
この震災記念碑について、だんだんと
地元の方に語りたくなってきました(笑)。