VIVIEN住生活総研

住生活ジャーナリストVivienこと藤井繁子が、公私を交えて住まいや暮らしの情報をお届けします!

自転車の「走」と「駐」を考える

2008年11月20日 | 社会・文化
自転車まちづくりフォーラム「自転車の『走』と『駐』を考える」というテーマの研究会に出席。
というのも、私は同様のテーマで地元逗子市『歩行者と自転車のまちづくりを考える会』を会長として立ち上げ
この週末、市民に向けたシンポジウムを開催することにもなっている。

今日の研究会は大学教授などの研究者や国交省・行政が制定した推進モデル都市が
10年間取り組んできた経過を共有する形で行われた勉強会。(自治体関係者や研究者の参加が多いようだ)
 
住信基礎研究所の古倉研究理事からは、自転車走行空間が整備される世界の状況が紹介され(ユーロベロは6万キロ!)
日本は一番進んでいる名古屋市が97㎞(人口222万人)と、世界には遅れを取っていると。
 
また海外の自転車走行空間は車との“共用道”がほとんどで、自転車が車道を走ることで事故も増えないとレポート。
(歩道を走ることによる事故の方が多い)
 
欧各国の自転車走行数と事故の反比例状況
自転車が数も増え市民権を得れば、車側に注意意識も高まり事故も減るということのようだ。

交通事故総合分析センターの吉田氏からは、国民の‘66人に1人’が何らか交通事故に合っているという数字!
車の死傷者はシートベルト着用などで減っているが、自転車は数は17%と少ないが増えている。自転車の一時停止違反が多い。
 

自転車利用環境モデル都市(国交省)の各都市から現状報告。
日本一の人口密度という東京都・豊島区では、放置自転車対策について。
「まず放置禁止地区を制定で40%は減る」と。
その後、自転車税の導入からH18年には総合計画の策定と行政施策として参考になるお話だった。
 
次に埼玉県・三郷市の、公営自転車駐車場の設置手法として「自転車駐車場整備センター」を活用し
市の起債無しに駐輪場を運営、放置自転車の減少に効果を上げた事例は早速、研究したい方式であった。
高齢者が運営する「自転車工房」という点検・修理も好評と、面白いお話であった。

最後の事例は神奈川県・開成町の露木町長が発表。「サイクルイティ宣言」をしている。
観光客向けのレンタサイクルは好評。‘子ども自転車運転免許制度’は早くから安全運転を意識付けるのに良い手法だ。
 
5年生が安全乗り方大会の県大会で入賞 

推進者である日本大学(社会交通工学科)の高田教授はじめ、茨城大学(都市システム工学科)金教授、日本大学の小早川専任講師からも
プレゼンテーションの後、事例発表者と共にパネルディスカッション。
 
私は各市に雨の日の状況や対策を聞いてみたが、特に無いという事だったが
バスの連結増車などを検討する余地はあると言うことであった。