跳箱

跳び箱でも飛箱でも飛び箱でもとびばこでもいいけどそこはそれ跳箱なんです。体育日和のお供にどうぞ。

著作権初めて物語

2006-07-21 00:40:06 | 知的財産権
念のためおさらいしとこう。

簡単なおさらい:著作権法の成立過程からおさらいしてくれる上にタダで読める素敵な資料が藤本弁護士が1997年に発表したWebコンテンツと知的財産-ネット環境下の著作権と公正利用-20ページ程度の資料なのできっちりよく読む。

がっつりおさらい:するなら、

本の歴史

創元社

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で、パピルスの時代からまずは"著作物"がどう時代に位置づけられてきたのか把握するべし。

中学か高校の世界史で活版印刷の普及がルターの宗教改革成立を後押しした、なんて囲み記事は読んだことあると思うけど、跳箱はこのあたり、

新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く

NHK出版

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ペテロをルターに置き換えても良いかなぁと。

話を戻すと、印刷革命による情報流動性の拡大を契機とした社会統治コストの増大をおさえたい統治者と市場独占機会の獲得による事業安定性を獲得したい当時の印刷-出版-流通複合事業者(出版者)の利害の一致が出版特許制度を生んだあたりはかんたんなおさらいで紹介した藤本弁護士のレポートにも記載の通り。

時代はさらに下って血みどろのフランス革命がフランス人権宣言をもたらしたところで、ようやく近代的な意味における著作権が生まれたらしいけどその辺は、

著作権の誕生―フランス著作権史

日本ユニ著作権センター

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よく読む。19世紀も後半になってベルヌ条約が成立して現在に続く国際的著作権保護体制の原型が現れるけど日本じゃ、

ニッポン著作権物語―プラーゲ博士の摘発録

青山社

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プラーゲ旋風(跳箱的にはブラーゲショック、の方が適切な気も)が巻き起こるまで条約加盟してはいるけど著作権て何?な状態が続く(というか今も続いている気が)内務省を動かし、JASRAC誕生に続くのでした、べけべんべんべん。(弁士風)

続く20世紀後半をなにげにスルーしたり、輸入版CD非合法化の件とかもすっとばして、今年の1月、文部科学省文化審議会著作権分科会報告書が発表されるもネットワーク時代における著作権の在り方についてはいまだ方向性見えずな昨今に至る。

ちなみに、ラテン的自然権論はロマンチックではありますが、アングロ的インセンティブ論の方がなにかと説明しやすくってレヴィット博士も大満足なんじゃないでしょか?

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