歯医者のある青山から、
山手通りを抜けての帰り道、
プスっとエンジンが止まった。
キーを回すが掛からない。
あたしゃ意地でもここを動かんからね、と、
愛車は抗議行動の老婆になった。
37度の炎天下。
俺が引き起こした渋滞で、
ドライバーたちの目つきが怖い。
普段は人の良いはずの個人タクシーの運転手が、
チっと舌を鳴らす。
殺される前に、まずは、
JAFと警察に電話。
JAFが来るまで40分、
できるだけはやく路肩に寄せないと、
愛車と俺はさらしもののままである。
20分間、好奇と非難の視線に耐え続け、
ようやくお巡りさん到着。
「どしたの?」
「急にエンストして、うんともすんとも言わないんです」
「ガソリンは?」
「レッドライン超えてますけど、まだ残ってるはずです」
「でもホレ、ここ坂道だからさ。タンクの角度によっては流れて行かないんだよね」
「…」
通行人にも手伝っていただき、
道端の駐車場に車を押し入れる。
「じゃ、高橋さん。あとはJAF待っててね。ガス欠だと思うよ~。」
30分後、
「遅くなりました~」と、JAF到着。
5リッターほど、ラブ注入。
車はドドスコスコスコと、エンジンを響かせました。
一時は愛車のせいにした、
自分を責め、
帰り道、車検の手配をしに、
修理工場に立ち寄ったのです。
山手通りを抜けての帰り道、
プスっとエンジンが止まった。
キーを回すが掛からない。
あたしゃ意地でもここを動かんからね、と、
愛車は抗議行動の老婆になった。
37度の炎天下。
俺が引き起こした渋滞で、
ドライバーたちの目つきが怖い。
普段は人の良いはずの個人タクシーの運転手が、
チっと舌を鳴らす。
殺される前に、まずは、
JAFと警察に電話。
JAFが来るまで40分、
できるだけはやく路肩に寄せないと、
愛車と俺はさらしもののままである。
20分間、好奇と非難の視線に耐え続け、
ようやくお巡りさん到着。
「どしたの?」
「急にエンストして、うんともすんとも言わないんです」
「ガソリンは?」
「レッドライン超えてますけど、まだ残ってるはずです」
「でもホレ、ここ坂道だからさ。タンクの角度によっては流れて行かないんだよね」
「…」
通行人にも手伝っていただき、
道端の駐車場に車を押し入れる。
「じゃ、高橋さん。あとはJAF待っててね。ガス欠だと思うよ~。」
30分後、
「遅くなりました~」と、JAF到着。
5リッターほど、ラブ注入。
車はドドスコスコスコと、エンジンを響かせました。
一時は愛車のせいにした、
自分を責め、
帰り道、車検の手配をしに、
修理工場に立ち寄ったのです。