vagabond の 徒然なるままに in ネリヤカナヤ

エメラルドグリーンの海,溢れる太陽の光,緑の森に包まれた奄美大島から,乾いた心を瘉す写真をお届けします。

阪神大震災から10年

2005-01-17 22:42:40 | 日記
10年前の今日,朝7時のNHKニュースをつけて,愕然とした。故郷・神戸の街並みが完全に崩れ去り,所々で火の手も上がっているではないか。神戸への電話も繋がらない。テレビニュースを見ながら,父母の生命はもう絶望的だと感じた…

あれから,10年が経つ。お陰様で,父母は無事だった。被害総額はおよそ10兆円ともいわれるが,震災後の再開発も進み,神戸の町は,少しずつかつての輝きを取り戻しつつあるように思う。人口も,昨年11月にようやく震災前の人口を上回ったという。少しずつ明るいニュースも聞かれるようになってきた。
しかし,被災後に仮設住宅を経て県営住宅等に住処を見出した人たちの高齢化が進み,孤独死等の問題も起きていると聞く。また,ただでさえ不況のために減少傾向にあった貨物船の寄港量も,ポートアイランドの埠頭の崩壊により大阪港等へ寄港地を変更したことに伴い大幅に減少した後,なかなか神戸へ帰って来ないとも聞く。さらに,昨年は,神戸経済の一つの象徴であったダイエーが産業再生機構の手続に入ることが決まるなど,暗いニュースも相次いだ。

人は,時間が経つと色々なことを忘れ去ってしまう。新潟県中越地震,スマトラ沖地震等の参加のことも徐々に記憶の中で色褪せていくだろう。
他方,被災者の方々の心と体の傷には,計り知れないものがあり,時を経てもなかなか瘉されないのも事実だ。
我々にできることは,これらの惨禍があったことを少なくとも心の片隅には止め,募金でも,ボランティアでも,それぞれが実行可能なことを少しずつ実行することなのだろう。そして,気が向けば,その地を訪れること,実はそれがとても役に立つことなのかも知れない。沢山の人出があるとそれだけで賑やかになって気持ちも晴れやかになってくるし,それに,経済的な効果もあるから…
そんなことを10年の節目に考えた。

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2 コメント

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よかった。。。 (Honey)
2005-01-18 02:03:46
vagabond67さんのご両親は、そちらにお住まいだったのですね。

ご無事で何より。



災害に関しては、本当にvagabond67さんのおっしゃるとおりと思います。

そして、防災の精神も大切なのですよね。

震災後、作風のすっかり変わったという高村薫さんが

「”大震災が来た”と諦めてはいけない!」

と言われていましたが、

備えと気構え、本当に大事なことですね。



そういえば、数年前初めて神戸に行ったのですが、

そのとき復興しつつある街の一隅で、

小さな写真展を見ました。

震災のときの。

モノクロで、そう大きくも無い写真からも、

ものすごく衝撃を感じ、記憶にとどめるべく、

はがきを買って帰ったのでした。

その後すっかり忘れていましたが、

明日にでも探し出してみようと思います。
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ありがとうございます。 (vagabond67@管理人)
2005-01-19 01:01:48
神戸のことを忘れず,いつまでも心にかけて,そして来訪してくださる,それだけで感謝の念に耐えません

本当にありがとうございます。

目立たず地道にやっている人こそ,本当に苦労しているのだと思います。

その思いに,どう応えていくのか,人としての真価が問われているかもしれない,そんなことを思います。
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