vagabond の 徒然なるままに in ネリヤカナヤ

エメラルドグリーンの海,溢れる太陽の光,緑の森に包まれた奄美大島から,乾いた心を瘉す写真をお届けします。

ボクのヒーロー(実写編)

2004-09-06 22:20:38 | 映画
「友を持つならダルタニャン」ともいう(「三銃士」)。小学生のころ子供名作全集で読んで心が揺さぶられた。が,「友」ではなく「ヒーロー」を選べと言われると,迷わず,同じく仏蘭西の国民的英雄シラノ=ド=ベルジュラックを選ぶ。
時は絶対王制期のフランス。詩人にして剣豪,月世界の旅人にして毒舌の名人。そんなシラノの唯一の欠点はめっぽう大きな鼻。
絶世の美女ロクサーヌに恋するシラノが,同じくロクサーヌに恋する美男子だが恋を語る才覚に欠けた男に成り代わり,ロクサーヌに恋をささやく。2人の男の恋の結末やいかに…
シラノについては,当初エドモン=ロスタンにより戯曲として書かれ,映画化もされた。
シラノは,快男児にしてフランスの国民的英雄。
演ずるは,当代きっての名優ドパルデュー。衣装良し,時代考証良し,映像良し,音楽良し,そして何よりも台詞の一音一音が天上の音楽を聴くように美しい(やはり恋を語るならフランス語ですね。)。
今の日本では忘れられた「男の心意気」を堪能できるストーリーであり映像でもある。
戯曲(シラノ・ド・ベルジュラック岩波文庫)も手許に置きつつ,落ち込んだ時には,いつかはシラノのようにと思う今日この頃である。
最後の台詞は何度聞いても(読んでも)涙が出る。

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