珠玉の音楽に囲まれて

オーディオのこと、音楽のこと、思いついたまま記していきます。
by 横浜のVienna Acousticsファン

33年ぶりの槍ヶ岳

2019-08-10 18:21:47 | その他
今年は例年より長めの夏季休暇を取っています。8月に入って早々、北アルプスの槍ヶ岳に登ってきました。前回は学生時代で、実に33年ぶりの登頂となりました。今回のパーティーはサークルのOB/OGに加え、ご家族、ご友人を交えた6名編成です。幸い、梅雨明け10日の好天に恵まれ、夏山を満喫することができました。結局、平成は、槍の穂先を他の山から見るだけで終わりました。33年と言えばかなりの年月です。就職、結婚、子育て・・・時間の経過も背負って登ってきました。

5日に上高地入りし、横尾まで移動しました。横尾山荘は以前より拡張されていて、何と入浴が可能でした。30年前では考えられませんでした。翌6日、大抵の登山客が穂高を目指す中、我々は槍方面へ向かいました。


横尾からしばらく進むと、一瞬、槍ヶ岳を望めるポイントがあります。富士山もそうですが、シンボリックな山容には、惹きつけられるものがあります。登りが本格化するのはまだ先です。先を急ぎます。


今回は槍沢沿いに登るルートです。学生時代は槍ヶ岳まで縦走した後、専らこの沢を下っていました。沢が大きく曲がる辺りから、グンと勾配がキツくなります。雪渓がアルペンムードを醸し出しています。


天狗池方面へ向かう分岐です。ここから一踏ん張り、二踏ん張りして、この日の宿、ヒュッテ大槍を目指します。ヒュッテの夕飯は豪華でワイン付きで、生ビールも3種類。そうそう、5年前の船窪小屋の食事も充実していました。


翌日はいよいよ槍へアタックです。ヒュッテ大槍から朝焼けの槍を望みます。夏山は朝が勝負です。この日は、4時半に朝食を摂りました。結局、入山中の4日間、日常との時差3時間の生活が続きました。


槍の肩に荷物を置いて、空身で山頂を目指しました。難所にはハシゴがかけられています。槍を巻くようにして登り詰めます。33年ぶりの頂、感慨もひとしおでした。メンバーの一人は当時持ち帰った槍の石を、無事、戻せました。


半時計周りに山々を紹介していきます。まずは富士山と南アルプスです。距離があるので小さいですが富士山は一目瞭然ですね。他、北岳、甲斐駒ヶ岳、塩見岳、悪沢岳、赤石岳、聖岳等が確認できます。


後立山連峰の山々です。残雪の雨飾山(途中で引き返し)の際、信濃大町や雨飾荘から見た後立山連峰の姿は記憶に新しいです。


北アルプスの最奥部です。鷲羽岳、水晶岳に、薬師岳と百名山が重なります。この山域には秘境、雲ノ平もあり、楽園のような風情です。


新穂高温泉から聳え立つ笠ヶ岳です。2年前の高山市からのアルプス遠望を思い出しました。後方には加賀の名峰、白山も見えます。


南側は、まず穂高連峰です。その右側に、焼岳、乗鞍岳、御嶽山が、左側には中央アルプスが続きます。上空の雲にも何となく秋の気配が・・・。


他にも八ヶ岳、妙高・火打、雨飾山、浅間山(この日、噴火しました)、常念岳、燕岳など、著名な山々を見ることができました。台風をブロックしてくれた太平洋高気圧に感謝です。一行は槍ヶ岳を後にして、大喰岳、中岳、南岳と続く3000mの稜線を進みました。ここから先、穂高までは大キレットが難関となりますが、将来の宿題としておきます。この後、天気が急変し、天狗池方面へ下る際に、強烈な夕立に見舞われました。「女ごころと秋の空」とよく言いますが、秋の空以上に変わり易いのが山の空です。


幸い、南岳ではライチョウの親子に巡り合えました。中央アルプスのライチョウは残念な状況になったとのニュースもありました。天狗原でサルを見かけたのですが、ライチョウにとっては天敵のようです。


最終日は槍沢ロッジから上高地へ下山です。前日の雨をたっぷり含んだ登山靴を早く脱ぎたく、皆で先を急ぎました。途中、徳沢園にてソフトクリームを頬張りました。徳沢や小梨平は、サークルの夏合宿が思い出される懐かしい場所です。


山旅の終点、上高地です。梓川の清らかな流れに、穂高岳の吊尾根、そして真っ青な空。言葉は要りません。バスターミナル近くの食堂にて、ざるそば・うな丼を食し、帰りがけに乗鞍高原の温泉で汗を流して、帰路に就きました。


この30年で北アルプスの様子は随分と変わりました。まずは山小屋の充実ぶりに驚きました。食事然り、お風呂然りです(その分、値段も立派になりましたけど)。見晴らしの効くところでは携帯電話が使えました。標高3000mから当たり前のようにブログのコメントを書き込めました。携帯電話は万が一の際の連絡手段にもなるので、これは良い変化です。登山客の層が老若男女広がり、入山者も増えました。オーディオとは対照的です(笑)。その分、自然環境をキープする意識を皆が持たねばならない、ということです。

次の30年となると、流石に山もオーディオも厳しいです。それでも、両方ともできるだけ長く楽しめるようにと、願っています。
コメント (2)
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