春の町内の一斉清掃があった。
自分の家の前の側溝の蓋をあけて、掃除する。
この蓋が重いのなんのって…。
私がやったら、たぶん腰がでて寝込むことだろう。
だから頭が痛いのである。
だって、彼の体調はあてにならないから。
何日も前から、お願いしておいても、そんなの関係ない。
当日も朝から、「ざわざわする…。」ってやりたくなさそう。
どうも、近所の人に会うのが嫌みたい。
まっ、働いていないってのはみなさんバレバレなんで。
でも、そんなことを言ってる場合じゃない。
「自分が気にするほど、他人様は気にしてないから。」と
言い聞かしてみるものの、それでもものすごく嫌そう。
しかし、嫌でも何でも、私にはできないのだから、それを
彼がしないというなら、こっちにだって考えがあるってものだ。
「これしないって言うなら…。」と釜をかけると
「大丈夫、辛くてもやるから…。」って。
朝の7時半、雨も降り微妙な天気だったが、始まった。
彼は軍手をはめて、1つ1つ思い蓋を上げていく。
途中、息を上げながら、手を震わせながら、1つ1つ。
近所の方が挨拶されるので、ちゃんと返すように促しながら。
娘も手伝って、掃除を始める。
側溝の土泥をすくうのだ。
それが終わって、また1つ1つ蓋を戻す。
あまりに苦しそうなので、途中で変わるって言ったけど最後まで
自分でやりきった。
終わって、「いいよ、ありがとう。」って言うと
軍手を投げ捨て、さっさと2階で寝てしまった。
まったく…。
何気に、彼が居なくなった場合のこの作業を思い浮かべる。
誰があの蓋を上げるのか…。
そんな日が本当に来るのかなぁ…。