乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

121:『奇想の江戸挿絵』辻 惟雄(つじ のぶお)著  (集英社新書ヴィジュアル版) [新書]2008 年

2012年08月05日 | 変体仮名見むとするハいとをかし


2012年  本

    121: 『奇想の江戸挿絵』 (集英社新書ヴィジュアル版) [新書]


 集英社

 2008 年

  206 ページ 1050円



 『奇想の江戸挿絵』 集英社データーベース ▼
 200年前に描かれた、北斎・豊国らの挿絵から選りすぐった、驚異の世界!図版100点掲載
「ギョッとする迫力、ハッとする新しさ!」
 横尾忠則氏推薦!
 北斎をはじめとする江戸の浮世絵師たちにとって、版本の挿絵は重要な仕事であり、そこには、物語作者とのコラボレーション、対決を通じての創造のあくなき追求を見ることができる。北斎・馬琴の『新編水滸画伝』『椿説弓張月』から無名の作者、絵師の作品に至るまで、幽霊や妖怪、異界のものたちが跋扈し、生首が飛び、血がしたたる、残虐とグロテスクに満ちた「奇想」のエネルギーが横溢しており、斬新な技法、表現、意匠の実験が絶えずくりかえされている。
 本書は、かつて伊藤若冲・曽我蕭白らを発掘した美術史家が、この膨大な版本の世界を渉猟し、新発見の図版などから、現代のマンガ・劇画・アニメにまで流れる日本の線画の伝統の大きな水脈をたどり、その魅力と今日性を浮き彫りにするものである。




 辻 惟雄(つじ のぶお)  集英社データーベース ▼

 一九三二年、名古屋市生まれ。東京大学、多摩美術大学名誉教授、MIHO MUSEUM館長。東京大学大学院博士課程中退、東京国立文化財研究所美術部技官、東北大学文学部教授、東京大学文学部教授、国立国際日本文化研究センター教授、千葉市美術館館長、多摩美術大学学長などを歴任。著書に『奇想の系譜』『奇想の図譜』(ちくま学芸文庫)、『岩波 日本美術の流れ7 日本美術の見方』(岩波書店)、『日本美術の歴史』(東京大学出版会)、『岩佐又兵衛 浮世絵をつくった男の謎』(文春新書)など多数。


 辻 惟雄  ウィキより ▼

 (つじ のぶお、1932年6月22日 - )は、日本の美術史学者。
 専門は日本美術史。
 東京大学名誉教授、多摩美術大学名誉教授、MIHO MUSEUM館長。


『奇想の系譜-又兵衛、国芳』美術出版社、1970(ぺりかん社 1988年、ちくま学芸文庫 2004)
『若冲』東京美術出版社 1974
『日本の美術121 洛中洛外図』至文堂、1976
『岩佐又兵衛』集英社 1980 (日本美術絵画全集)
『日本美術の表情 「をこ絵」から北斎まで』角川書店 1986
『風俗画入門』小学館 1986
『日本の美術259 岩佐又兵衛』至文堂、1987
『奇想の図譜 からくり・若冲・かざり』平凡社、1989 のちちくま学芸文庫
『岩波日本美術の流れ 17・18世紀の美術 浮世の慰め』岩波書店 1991
『日本の美術300 絵巻 鳥獣人物戯画と鳴呼絵』至文堂、1991
『岩波日本美術の流れ 日本美術の見方』岩波書店、1992
『戦国時代狩野派の研究 狩野元信を中心として 』吉川弘文館 1994
『遊戯する神仏たち 近世の宗教美術とアニミズム 』角川書店 2000
『日本美術の歴史』東大出版会 2005
『奇想の江戸挿絵』集英社新書 2008
『岩佐又兵衛』文春新書 2008
『ギョッとする江戸絵画』羽鳥書店 2010
『戦国時代狩野派の研究 新装版: 狩野元信を中心として』 吉川弘文館 2011

 (上 辻 惟雄著  辻 惟雄先生の本って読みたい本が多くある


 
 『於六櫛木曽仇討』山東京伝作、歌川国丸

 
 『奉納額小三』葛葉山人正二、歌川国丸

 
 『金神長五郎忠孝証』山東京伝作、歌川豊国

 まぁ、ステキ!歌舞伎を観ているようで、かっこいい~~!

 (本書には上のような絵がてんこもりです☆)


   

 辻 惟雄著の『奇想の江戸挿絵』を読む。

 歌舞伎の場面を思い浮かべたり浮世絵を想像しながら絵を楽しみ読む進める。

 絵、詞、解説全てがわたくしにとってはたいへん興味深い本だったので、この本は欲しいと感じた。

 お値段が手頃でない用が充実。

 お勧めいたします。興味のある方は是非どうぞ…。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

120: 『神と旅する太夫さん』国指定重要無形民俗文化財「伊勢大神楽」岩田書院 2009年

2012年08月05日 | 読書全般(古典など以外の一般書)
 (写真はイランのキャンドバーン。小学生の女の子たち)




 2012年  本

    120: 『神と旅する太夫さん』国指定重要無形民俗文化財「伊勢大神楽」






 岩田書院

  (2009/01)

 104ページ 1575円




 内容(「BOOK」データベースより)
「伊勢大神楽」は、獅子舞と放下芸(曲芸)とで構成される神事芸能で、昭和56年に、国の重要無形民俗文化財の指定を受けている。演目は「鈴の舞」「四方の舞」から「剣三番叟」「魁曲」までの16曲で、これらを演ずることを総舞(総舞わし)と呼び、これが狭義の伊勢大神楽であるが、広義には、これらを演ずる太夫たちをもそう呼ぶ。太夫たちは、伊勢国桑名郡太夫村(三重県桑名市)と東阿倉川村(四日市市)の二か所を拠点に、檀那場となっている地域を訪れ、各戸で竃祓い・悪魔祓いの獅子を舞い、かつては伊勢神宮の、現在では伊勢大神楽講社の神札を頒つのであるが、そうした彼らの活動全般をも、やはり伊勢大神楽と呼んでいる。本書は、神と一体となって旅に生きる太夫さんの姿を、永年にわたる密着取材による魅力的な写真と、学術的な裏付けのある判りやすい文章とで、再現する。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
 北川/央
1961年大阪府生まれ。神戸大学大学院文学研究科修了。現在、大阪城天守閣研究副主幹。織豊期政治史ならびに近世庶民信仰史、大阪地域史専攻
 出水 伯明
1960年大阪市生まれ。民俗カメラマン。(社)日本写真家協会会員。広告写真スタジオを経て独立、1990年映像工房出水を設立。文化財、民俗文化財の写真・映像撮影・航空写真を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)



 わたくしがこどもの頃、お正月になると獅子舞が門口にこられて頭を噛んでいただいた。

 父の話によると、頭を噛んでいただくと、頭が良くなるらしい。

 二人組、獅子舞ひとつといった小規模なものだった。


『神と旅する太夫さん』国指定重要無形民俗文化財「伊勢大神楽」を見ていると猿田彦や三番叟や歌舞伎の『どんつく』さながらの神楽があるらしい。

 夫に言わせれば、夫のこどもの頃に一度見たような気がするというが、京都にはあまりまわってこられてなかったように思うとのこと。

 

 以前読んだり聴いたり見たりした
  『まことに めでとう そうらいける『万歳』』
  『演者と観客 生活の中の遊び』(日本民俗文化大系7)第3章(222-254)の一部
  秋篠音楽堂で聴いた公開講座  「大和萬歳と伊勢萬歳」 前半 講師:鶴岡正生氏(現状と取り組み)
  初めて見た「大和萬歳と伊勢萬歳」 村田社中
などは伊勢神楽とは言わないのかもしれないが、そういったものを思い出した。

 門口にまわってこられる獅子舞以外もこられるという華々しい神楽と言うものを見たかった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

好みの映画二作品『アドルフの画集』ハンガリー カナダ イギリス合作『英国王 給仕人に乾杯!』チェコ

2012年08月05日 | 映画
  (写真はイランの画家 Mahmud Farshchianの絵)


好みの映画二作品
  『アドルフの画集』ハンガリー カナダ イギリス合作
  『英国王 給仕人に乾杯!』チェコ






 映画『アドルフの画集』 10★/10


監督・脚本:メノ・メイエス
出演:ジョン・キューザック ノア・テイラー リーリー・ソビエスキー モリー・パーカー ウルリク・トムセン
2002年
109分
カラー
画家を目指しながらも、やがてナチスドイツの独裁者となったアドルフ・ヒトラーの若き日の姿を描いた人間ドラマ。第一次大戦後のミュンヘン。大戦で片腕を失った画商・マックスは、画家志望の孤独な青年・アドルフと出会う。 画家を目指すものの才能が開花せず、生活のために政治へと傾倒していくアドルフ。彼の心に秘めた孤独や怒り、その全てを絵画へ傾けるように示唆するマックス。芸術への情熱が取り持った、一見不釣合いな二人の友情は、次第に皮肉な運命をたぐり寄せていく…。


 筋書きが素晴らしい。

 もしあの時…と考えると、とてつもない大きな運命のいたずらを感じる。


 映画が重厚で上等

 また、色彩も素晴らしい。

 油絵を描くように場面の事細かなひかるの反射に透明色で色を塗り込んだ画面に注目。

 画家が見える世界を映画の中で再現。



 映画『英国王 給仕人に乾杯!』 10★/10

監督・脚本:イジー・メンツェル
原作:ボフミル・フラバル
出演:イヴァン・バルネフ オルドジフ・カイゼル ユリア・イェンチ マリアン・ラブダ マルチン・フバ ミラン・ラシツァ ズザナ・フィアロヴァー
2007年
120分
カラー
あるホテル給仕人の人生を通して東欧の小国チェコがたどった激動の現代史を浮き彫りにする 第57回ベルリン国際映画祭FIPRESCI賞 受賞 小は大より美しい… 小さな国の使用人が生き抜いた愛と笑いの20世紀チェコ現代史 巨匠メンツェルの甘く美しい傑作 歴史には悲しみがある 悲しみには笑いがある 笑いには愛がある 愛と死、ドンデンかえしの人生が見たものは? イジー・メンツェルが監督を手掛けたドラマ。主人公・ヤンはプラハに近い田舎町のホテルのパブで給仕人見習いとして働く身。ある日、富豪の別荘で働くことになり、その後プラハ最高のホテル・パリで働く給仕長と出会う。


 重い内容を込む借るに描き、筋書きが素晴らしい。

 役者の演技力に目を奪われる。

 また、洒落た各場面とラストも好き。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

119:角川文庫『新訂 古事記』「下つ巻」 昭和五十四年 中村 啓信 (解説), 武田 祐吉 (翻訳)

2012年08月05日 | 古事記、日本書紀


 2012年  本

    119: 角川文庫『新訂 古事記』「下つ巻」付 現代語訳





 中村 啓信 (解説), 武田 祐吉 (翻訳)

 付 現代語訳

 昭和五十四年



 8月4日

 角川文庫『新訂 古事記』「上つ巻」「中つ巻」「下つ巻」全て読了

 時間はかかったが、満足感は大きい。

「下つ巻」も「上つ巻」「中つ巻」のように色々なお話や名前が出てくる。

「下つ巻」では特に歌が面白いなと感じた。


 本書にメモや記号を書き込んで人名が混乱しないようにと心がけながら読んだが、見直すと覚えてないものが多い。

 だが『古事記』の全体の流れだけはわたくしなりにつかめたようなので、これで次回の古典講座も一層面白く感じることだろう。

 よかったよかった☆

 


   解説より メモ

『古事記』は最古の文献ではないが、最古の古典であるといってよい。(解説より  385)

『古事記』という書名は フルコトを記録したフミという意味    (解説より  385)  

『古事記』 三巻
  上巻  「上つ巻」       神代記
  中下巻 「中つ巻」「下つ巻」  天皇記



 『古事記』「上つ巻」

 『古事記』「中つ巻」



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

118: 『日本の音』コロナ・ブックス 2011年 平凡社 (目次衣装三枚追記あり)

2012年08月05日 | 読書全般(古典など以外の一般書)



 

 2012年  本

    118: 『日本の音』コロナ・ブックス



 平凡社

 コロナ・ブックス編集部=編

 128頁  1890円

 2011.07


 平凡社データーベースより ▼
 雨、風、雷、波、虫の音などの自然の音から日常生活の音、節分や涅槃会、祇園祭などの年中行事まで、日本の伝統と繊細な感性が生みだした音の表現を、日本画、浮世絵などに探る。



 美しい日本の絵に合わせ、日本の音が紹介されている。

 一気に楽しませていただいた。


 

 追記



『日本の音』には次のような音が美しい絵と合わされて載っています。

自然の音(雨の音
雷鳴
雪の声
滝音
渓流の音
瀬音
水音
波音
潮騒
櫂の音
風の音
松籟
秋風と葉音)
鳥獣の声(動物の鳴き声
鹿の遠音
鳥のさえずり
蛙の声
虫の音)
歴史と生活の音(鬨の声
矢音
砧の音
機の音
妙音
撥音
鼓打
楽器
歌声
囁き
衣擦れの音
遊び音
焚火の音
三井晩鐘
物売りの声
芸能の音)
年中行事の音(花火の音
賀茂競馬
盆踊り
六斎念仏
時代祭
祇園祭り
牛祭)



 衣擦れの音


 『島原太夫の図』三畠上龍  江戸    京都文化博物館蔵


 『絵になる最初』竹内栖鳳  大正2年  京都市美術館蔵


 『舞妓』    村上華岳  大正6年  福井県立美術館蔵



 日本のおともいろいろ思い出すものが多く、美しいですね


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする