乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

映画38; 『ツィゴイネルワイゼン』 鈴木清順監督 原田芳雄 大谷直子 麻呂赤児 

2010-03-31 | 映画



  映画 2010年度 38本目 『ツィゴイネルワイゼン』





 ★★★★★ ★★☆☆☆

 1980年  146分

 監督 鈴木清順

 脚本 田中陽造

 出演 原田芳雄 大谷直子 麻呂赤児 大楠道代 藤田敏八 



 鈴木清順さんのインタビュー②(20分間)をみたあと『ツィゴイネルワイゼン』をみた。

 以前、友人から絵画で言うと表現主義の監督だと聞いていたが全体的には古典主義で、突然はっきりとした鮮やかな色があらわれる。

 

 映画の途中、境界線が度々あらわれる。

 それは鎌倉の『切り通し』であったり、トンネルであったり、川であったり、家の玄関の戸や窓ガラスであったり・・・とにかく異次元空間を意識しているがその採用は驚くばかりの回数だった。

 この映画は霊験豊かな鎌倉の切り通し無くしては製作は不可能であった。



 女性を描く上で美しさと妖婉さをあらわす監督は、唇の赤などを強調する。

 後ろ姿、肩、肌の白さ、はらりと落ちる着物・・・これらは実際の女性よりも美しく、ある意味 歌舞伎の女形にも類似。


 始まりから途中、アングラ劇を多様。

 麻呂赤児さんも出演されており、映画は部分的にかなりの面白みをみせる。

 

日本映画専門チャンネルから ▼

内田百﨤の「サラサーテの盤」ほかの短編小説をもとに、夢と幻想、生と死、時間と空間が交錯する鈴木清順独特の映像美学で描かれた日本映画史に残る傑作。ベルリン映画祭審査員特別賞。キネマ旬報ベストテン第1位。帝大のドイツ語教授の青地(藤田)と同僚の無頼の友人・中砂(原田)の関係を軸に、二人が旅先で出会った芸者・小稲(大谷)、小稲と瓜二つの中砂の妻・園(大谷直子の二役)、さらに青地の妻・周子(大楠)らが、現実とも幻想ともつかない幽玄の世界で交流する。荒戸源次郎の製作会社シネマプラセット初製作作品で、インディーズ映画としては異例の96,000人を動員する大ヒット作となった。
 


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映画37; 『EAST MEETS WEST』監督岡本喜八 真田広之 竹中直人 岸部一徳 仲代達矢

2010-03-31 | 映画


  映画 2010年度 37本目 『EAST MEETS WEST』





 ★★★★★ ★★★☆☆

 19955年  126分

 監督 岡本喜八
 
 脚本 岡本喜八

 出演 真田広之/竹中直人/岸部一徳/仲代達矢



 昨日 岡本喜八監督の映画を二本見た。

 二つ目は 『EAST MEETS WEST』


 この映画画また面白い。


 某局の◯河ドラマのようなような出だしで始まった映画『EAST MEETS WEST』

 映画が進むと、これが映画だ、これが岡本喜八だと言わんばかりの面白さ。

『楽しまんことには映画じゃない。』
といった言葉が聞こえてきそうだ。

 いろいろな手法と映画のシーンをちりばめたこの映画。

 竹中直人さんの半端じゃない笑いへの誘い。

 だが、竹中直人さんの大笑いさせる場面を縦に、本来の岡本喜八監督の笑いへのこだわりを全体像で示し、
『時代劇はこんなに楽しくできるんだぞ』
といった、作品作りへの挑戦とこだわりをあらわしたこの作品は素晴らしいと思う。

 娯楽の・・・といった風に紹介されているがその笑いは平たいもの以外に非常に繊細でデリケートで緻密に計算されたもののようで、好きだ。

 映画監督である岡本喜八さんもまた素晴らしい方だと感じる。


日本映画専門チャンネルから ▼

岡本喜八監督がアメリカ西部を舞台に描いた痛快アクション・コメディ。1860年、開国を決意した幕府は、サンフランシスコに日米修好使節団の護衛として咸臨丸を送り込む。その護衛艦には開国を阻止しようと企む刺客の健吉(真田)と、艦長護衛役の忍者・為次郎(竹中)がいた。しかし、船がサンフランシスコに着くやいなや、一行の秘密資金三千両が何者かに奪われてしまい、本来なら敵同士の健吉と為次郎がその行方を追うことになり・・・。
 
コメント (2)
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映画36; 『助太刀屋助六』原作 生田大作 監督岡本喜八 真田広之 鈴木京香 村田雄浩

2010-03-31 | 映画




 映画     36; 『助太刀屋助六』

 



 ★★★★★ ★★★★☆


 2002年 日活 90分

 原作 生田大作「助太刀屋」

 脚本 岡本喜八

 監督 岡本喜八

 キャスト  真田広之 鈴木京香 村田雄浩 鶴見辰吾




 岡本喜八監督の『助太刀屋助六』をみた。

 最近岡本喜八監督の映画をテレビで見ることが多いが、この人はすごい人だと感じる。


『助太刀屋助六』は随所随所に歌舞伎がはめ込まれている。

 助六の場面場面は題名から考えて当たり前。

 キセルのシャワーは最後の助太刀屋助六のお弔いで。

 始まってすぐの飲み屋縁台のようすや助六のカッコいい六法。

 真田広之さんにぴったりのきっぷのいい助六。



 衣裳にも気遣いがあった。

 着物左半分は赤みを帯びた紫。右半分は黒。肝の全体は縦柄ですっきり感を出す。

 父の敵をうつに行く前、グレーのはちまきを助六風にきゅっと締める。

 着物半分に色を使っているので、はちまきの色でぴったし。



 父の敵の助っ人(実際は仇討ち)であらわれるときの棺桶は『すし屋』を思わせる。

 途中の忠臣蔵の『二つでっぽう』を思わせる場面は蓋腕は無く二人。棺桶で登場し、女を泣かせると明台詞のあと小判を叩きつけるは、
「五十両(ごじゅぅうりょぉうう~)」
 では無く
「十五両(じゅうごりょぉおう~)」

 みてるわたしは大笑い。


 種子島(火縄銃)でやられた...と思いったら、案の定、復活。

 助六は我らのヒーローだい!



 この映画、相当面白い。

 そうだ!もう一回、是非みてみよう^^



     日本映画専門チャンネル  ▼

 活劇ファンでもある巨匠・岡本喜八監督が生田大作の「助太刀屋」を映画化した新感覚時代劇。助太刀が生業の風来坊・助六(真田)は7年ぶりに故郷へ戻った。そこで幼馴染みが仇討ちをする寸前と聞いた助六は早速助太刀を申し出るが断られる。しかし、その仇討ちの相手とは助六の実の父(仲代達矢)で…。随所に喜八テイストあふれる話題作。

コメント (4)
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