乱鳥の書きなぐり

遅寝短眠、起床遊喰、趣味没頭、興味津々、一進二退、千鳥前進、見聞散歩、読書妄想、美術芝居、満員御礼、感謝合掌、誤字御免、

チュニジア世界遺産 『古代カルタゴとローマ展』 きらめく地中海文明の至宝   京都文化博物館

2010-03-05 | 美術・文様・展示物









       
       チュニジア世界遺産 『古代カルタゴとローマ展』 

                      きらめく地中海文明の至宝   京都文化博物館




 2月21日。

 子どもと京都国立博物館の『ハプスブルク展』を楽しんだ後、京阪七条から京阪三条まで乗車。

 今回は川沿いを歩かずてくてくと繁華街を通り京都文化博物館にいく。

 京都文化博物館はチュニジア世界遺産 『古代カルタゴとローマ展』のモザイチ(モザイク)が目的。


 
 息子もわたしもモザイクが好きでトルコでは長距離バスに乗ってガイヤテップという町に行き、トルコでは南のモザイク博物館(正式には『ガジアンテップ考古学博物館  Gaziantep Arkeoloji Muzesi』)を楽しんだ経験がある。

 わたしが、
「モザイチ、モザイチ・・・。」
とつぶやきながら楽しそうに博物館を目指して歩いていると、小声が息子の耳に届いたらしく、
「その言い方なんだか A(C )だね。いややわ。」
と、非難囂々(ごうごう)。

 失礼しましたとばかり、つぶやくのをやめた。



 さて、待望の『古代カルタゴとローマ展』につく。

 期待に期待を寄せて会場に入った。

 だが、モザイクの部屋にはなかなかたどり着かない。


 
 1章「地中海の女王カルタゴ」と2章「ローマに生きるカルタゴ」という具合に楽しんで行く。

 写真にもある鼻のかけた『ビーナス像頭部』は顔も頭の形も美しい。

 右には体部立像(仏像ではないがこんな言い方するのかな?)も美しい。

『ビーナス像頭部』を左回りに楽しむと頭部が何体も展示されている。

 中にはアグリッパのようなお顔立ちも(笑ーーーといって笑っても、わたくし、アグリッパのお顔も好きですが!)

 頭部の並ぶ一番端近くに(左からひとつ目か二つ目)『美しい頭部(?)』といった名のつけられた お方がおられた。

 この『美しい頭部(?)』さまはえらく大きな頭で、首も太く、立体像としては凹凸もなく、どのように鑑賞したら美しく感じることができるのかと悩みに悩んだ。

 立体造形などにほとんど手をつけたことのないわたしだが、おそらく、ぶっとい目の直方体を無計画に頭と首にわけ無意識で彫っていけば、西洋的大型こけしができるのではないかと感じた。

 この集合体の中ではやはり群を抜いて上に書いた『ビーナス像頭部』が美しかった。



 生活用品や器や装身具やコインの展示物も多い。

 コインにおいてはそれを見て 時代や生活やその他いろいろわかる、と以前読んだ本に書いてあったが、わたしには全く興味がないのが残念だ。




 いろいろと興味深いものが続き、突然 会場では中庭のように感じる空間(といっても庭ではない)に『有翼女性神官の石棺』の蓋が立てかけてあった。

 この『有翼女性神官の石棺』も非常に美しい。

 真っすぐからも斜めからも下からも丹念に眺める。

 かがみ込んでみてみると、これが魚に見えて仕方が無い。

『流石、カルタゴ。魚やイルカをモチーフにするんだね。』
といいながら納得。

 そして、説明を読んで、二人とも驚いた。二人の声は、

「つばさだったんだーーーー。」
でハモル。


『有翼女性神官の石棺』はフェニキア・ギリシア・エジプトの美術様式の行きを集めた傑作であると会場にもパンフレットにも記されていた。


 ところでこんな美しい石棺に眠っていた人は一体どんな人物だったのだろうか。

 イメージが膨らむ。

 会場には、きっと高貴な方が眠っておられたに違いないと書かれていたが、具体的にはわたしにはわからない。




 さてさて、そろそろ記録をモザイクに進めたいと思う。

 モザイクの部屋には様々なタイプのものがあった。

 だが、一口にいうとイタリア(ポンペイなど)やトルコやイランでみたモザイクに比べて、写実的なモザイクのものが多かった。

『靴をつくる職人』であったり、『入浴する女性』であったり、『水を注ぐ女性』であったり・・・。



 大きなモザイクもあった。

 魚が海に泳ぎ、いろいろな島(国)をあらわしていた。

 わたしは「シチリア島」だけ字が読め、あとはわからない。

 この大きなモザイクにも、他のモザイクにも、魚やイルカを描いたものがあった。

 イルカはこの国にとって特別な存在のようだ。



『メドウーサ』にいたると、わたしと子どもの顔はバラ色に染まる。

 これだ。これらがみたかったんだ。



 わたしの持っているモザイクのイメージはこれなんだ。

 息子は『メドウーサ』の意味がうれしいらしく、わたしに驚くばかりの丁寧さで 説明をしてくれる。

 モザイクの『メドウーサ』は堂々としており、トルコでみたモザイクを思い出した。

 下の一枚目がそれである。▼  (トルコのこの博物館ではノーフラッシュでカメラ撮影可能でした。)

   

 ちなみに下のモザイクもトルコのもの。カルタゴに比べて細かさが違うのがおわかりいただけると思う。

   



 今回のカルタゴに展示されていたモザイクの一片は1×1×1(㎝)だと説明書きがあったことを付け加えておく。

 上はもっと細かい。



 ところでモザイクというのは諸外国では絵の代わりという訳ではない。

 カルタゴでもイランのビシャプール(シーラーズから100キロくらいかな?)でも館の床の部分にかってモザイクが張り巡らされていた。

 ビシャプールには実際行ってみたが、モザイクの残る部分は少なく、多くがはがれ あるいは はがされていた。

 管理人が近寄ってきて説明してくれるのだが、しまいにはポケットマネーならずポケットモザイクの一片をプレゼントしてくれるというが、丁重にお断りをした。(笑)

 実は彼が、モザイクのことを
「モザイチ、モザイチ・・・。」
とにこやかに言い続け、わたしが彼の言い方を引き継いだという訳だ。




 かくして チュニジア世界遺産 『古代カルタゴとローマ展』は楽しく見ることができた。

 ただ、『古代カルタゴとローマ展』においてはメモをとって見なかったため、気になるひとつのことがらがわからないままでいる。

 墓?などに記された丸と三角(◯△)を楯につなげた人形のような記号を何というのか忘れてしまったこと。

 この記号はいろいろなところに多く使われていたにもかかわらず、なんというのかわからないでいる。

 博物館学芸員の方にお尋ねすればいいのだが、まだ未解決のままである。(悲)



コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする