乗鞍岳への自転車道

40歳で突如、自転車乗りになろうと発心して早15年。CAAD9少佐と畳平へ駆け上がる日はくるのでしょうか。。。(汗)

和田峠オフ もうひとつの戦い 登れ! 明王峠編

2012年09月12日 | 自転車
 栃谷林道最高地点に到着し、いよいよ登山道へ突入でございます。
あ、ちなみに、栃谷林道の最高地点の標高は、613メートル。偶然にも、「six13」でございますのよ。
なにか、ご縁を感じますわね~。
 それで、、、林道から登山道への取り付き口というのは、たいていむりやり道をこじ開けた、急斜面だったりするわけです。
ご多聞に漏れず、明王峠へ続く道の入口も、ちょうどそんな感じ。
粘土層がむき出しになった急な斜面に、幅1mにも満たないくらいの細い登山道が上方に向かって直登しているのでございました。道の両側は、夏草が生い茂り、左右から覆い被さるようにはみ出しています。
 わたくしは、伍長さんを右肩に担いでおりますので、体の右半分は、完全に塞がれた状態。
良く解釈するならば、アキレス腱とふくらはぎが伸びて、痛きもちいい~感じの斜面ですが、斜度がキツすぎて、まったくグリップが効きません。
登るそばから、ズズズ~っと、滑り落ちてしまうのです。

伍長さん:「おい、何をしている。さっさと登らんか!」
うり坊:「話しかけないでくださいよ、伍長どの。いま、この斜面に停止しているのが精一杯なんですからっ。ちょっとでも足を動かしたら、滑り落ちてしまいますよぉ~」
伍長さん:「どうしてキサマは、そう根性ナシなのだ! いつまでもセミみたいに斜面に張り付いているんじゃない! 前進しろ! 前進~!」

伍長さんにどやされて、半泣き状態で斜面を登ります。
取り付きの草むらを越え、杉林の中を進んでいくと、少し平らなところに出ました。伍長さんを地面に下ろして、押しながら歩いて参ります。

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木陰が涼しげな、いい感じの道ですわ~。
ずっとこんな道だったらよいのに、、、と、甘いことを考えたとたん、、、
うわ~! 崖ですよぉ~。

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こういう場所は、下から斜面をよく観察して、どのようなルートで上部へ上がるか、シミュレーションすることが大切です。
なにしろ、伍長さんを担いで登るわけですから。。。
こんなときには、自分が大女でよかった、、、と、つくづく思います。
小柄な女性だったら、伍長さんを担ぎ上げて、こんな崖崩れの跡みたいな斜面を登るのはさぞ困難でしょう。
、、、ま、ほとんどの女性は、大柄だろうと、小柄だろうと、こんなところに自転車を持ってこないと思いますけれども、、、(汗)
さて、次なる障壁は、、、ああ、、、登場しちゃいました。。。高尾陣馬名物の木階段でございます~(涙)

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いやはや、、、覚悟はしていたものの、階段かぁ~、、、うむ、、、仕方ありません。
またも、伍長さんを担ぎます。
しかし、これが、、、思いのほか、わたくしのLPを削るのでございました。
連続して歩みを進められるのは、せいぜい10段くらいなのです。
それも、はじめのうちだけ。
しまいには、5段に1度は伍長さんを下ろして、肩で息をつくようになってしまいました。
想像以上に厳しいのでございます。
階段を登っている時間よりも、ゼェゼェしながら立ちすくんでいる時間のほうが長いくらいでございますよ。
後から登ってくるハイカーに、何度も道をゆずりました。
追い越し際に、「あら? 女の人? がんばるわね~!」
なんて、お声をかけてもらったりもしました。

Dsc00992

荷物が少なくて、うらやましい、、、
日帰りハイキングの荷物として、常識的ですね。

いっぽう、わたくしは非常識な荷物持ちです(汗)
このままではいけません。ボトルケージから水筒とツール缶を抜き、バックパックに詰め込みます。
こうすれば、三角フレームの中が広くなって、若干、担ぐのが楽になりますし、とにかく今は、伍長さん自体の重量を少しでも軽くすることが肝要です(汗)

しかしながら、そんな努力もむなしく、やっぱり5段に1回、伍長さんを下ろして呼吸を整えるわたくしなのでした。。。
ふと視線を落とすと、道脇の下草の中にヤブランの花が咲いていました。

Dsc00995

本当は、疲労困憊していて写真どころじゃなかったのです。
でも、山の中の写真が1枚もなかったら、後でともちんさまあたりから、「うり坊さん、バテすぎて写真を撮る余裕もなかったんですね、せせら~(笑)」なんて言われちゃうじゃないですか。
そんなの悔しいから、花1カットくらいは押さえておくのですわ。

それにしても、階段キツイ、、、伍長さんを右肩に担ぎ、一段一段、鬼の形相で登ります。
それほど暑いと感じていないのに、全身から吹き出した汗が、アゴからひっきりなしにポタポタと落ちるのでした。
さすがの伍長さんも、心配そうです。

伍長さん:「おい、オマエ、大丈夫か?(汗)」
うり坊:「こ、これしきの階段。。。こう見えてもわたくし、某女子大体育会山岳部の出身でございますのよ。25年前は、30kgのキスリングを背負って、、、」
伍長さん:「に、25年前だと?(汗) おい! 自分を客観視しろっ! いいか、とにかく、いったん俺を地面に下ろして、水を飲め!(汗) これは命令だ!」

命令と言われては仕方ありません。
階段の途中でしたが、伍長さんを下ろして水を飲みました。ああ~、おいしい~。山でノドを潤すには、スポーツドリンクより、なにより、普通のお水がいちばんおいしいです~。
5分ほど休憩して呼吸を整え、再び伍長さんを肩に乗せて、階段を登ります。
林道最高点から明王峠へのアプローチは、急角度ですけれども、その分、距離は短かったはず、、、もうそろそろ、峠の茶屋が近いと思われるわけでございます。
頭上が、なんとなくガヤガヤとしています。人が大勢いる気配がします。
ああ~! 明王峠~! 着きました! やっと着きました~!

明王峠は、ハイカーで混雑していました。
高尾山や景信山から尾根伝いに歩いていらした方々でしょう。
このルートは、人気があるのでございますね~。
親切なおじさまが、シャッターを押してくださいました。

Photo_3

明王峠からは、わりと平坦な尾根歩きです。
小さなコブは越えますけれども、登山道としてはアップダウンの少ない道といえましょう。
ここからは伍長さんを地面に下ろして、押して歩くことにいたします。
次なる目標は、陣馬山854メートルです~。(まだ、つづく)