上野みえこの庭

日本共産党熊本市議の上野みえこのブログです。

「産業文化会館の存続を求める会」学習会 その2

2012-11-19 16:10:00 | 熊本市政
11月17日の「産業文化会館の存続を求める会」学習会にお話しいただいた、区画整理・再開発全国連絡会の遠藤哲人さんのレジメをご紹介します。

遠藤先生のレジメ

2012年11月17日(於:熊本市)
都市再生下の再開発
遠藤哲人(えんどうてつと)
(NPO法人区画整理・再開発対策全国連絡会議・事務局長)

参考文献 遠藤著『改訂・これならわかる再開発』(本の泉社)
今日のお話では、都市再生特別措置法制度化10年で、再開発の様相がガラッと変わったことをお伝えします。
(1)市街地再開発事業の概況
ア)再開発をめぐる誤解
「ああ、いいな、タダで家を新しくしてもらえる。タダできれいなお店をもらえる」―じっさいの再開発の現場で地権者自体がそう思っている場合も少なくない。
しかしじつは違う。地権者は大半の自分の土地を処分し新たなビル床をもらうに過ぎない。処分した土地に見合う新しいビル床をもらうだけ。タコやイカが自分の手足を喰ってしまうようなもの。どんどん喰っていけば、そのうち何も残らない。
   → 再開発が一大「都市開発産業」のツールとなっている。
原材料の仕入れ、加工、製品化を納期を厳しく管理しながら行う。
都市の「構造改革」、新自由主義のもとにおかれた都市開発の実態。
   → ところが今日に至るまでの相変わらずの国土交通省の再開発説明図。
   → 「タダできれいなお店になる。そのためにビル床をよぶんにつくり、そ
れを処分すれば事業費をつくれる」
   → 再開発の内容 権利変換(けんりへんかん)
     保留床処分(ほりゅうしょうしょぶん)
     道路などの拡幅・整備
イ)じゃあ、なんのためにやるの?
はやい話が、できるだけ大きな再開発ビルを建てる人、そこで不動産事業を営む大手不動産業者の仕事になる。
   → 今日の高容積率再開発は、かつての時代の再開発とは違う。不動産業者、
ゼネコンの一大仕事興しとなっている。
できるだけ大きなものをつくりたい。
1
   → 「民間活力」によって「時間管理」で仕事をする。
ウ)それじゃあー、ミもフタもない…
そういう批判を受けないように、図書館や文化会館のような公益施設をビルにもうける例が後を絶たない。おだいじんこの役所をひっぱりこみ、その補助金で支えてもらう。税金を投入してもらいできた床も買い取ってもらえれば、より大きなものが建てられる。
エ)実態は大きなビル床の埋め合わせ
90年代くらいまでは、公益施設床は、売れ残った再開発ビル床を埋めるために導入していた。典型的にはよくひきあいに出される埼玉県川口市川口駅東口前の事例。バカ高い値段でビル床を役所に売りつけて、他のビル床の値段を下げていた。
オ)昨今はあらかじめ公益施設をあてにした再開発ビルづくり
徳島市新町西地区など。
カ)熊本駅東口再開発は、途中でデベロッパーが参入してきたおかげで、中層程度の再開発ビル計画を大規模変更。「プロボーザル」(提案)なる方式で、民間大手不動産業者に「提案」させ、超高層の再開発事業へ変貌。
今や、再開発事業は、民間会社のいいなりで右往左往という現状。
再開発は、今や「企業主権改革」のもとにおかれている。
キ)つまりは「再開発はまちづくりか」が問われている
市民、住民から、ほんとうの意味での「都市再生」「再開発」を問わなければならない。いまある利便施設を大切にしながら、市民参加、住民参加でまちづくりを考えるとき。
                        以上
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