憂国の花束

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ジェンダーフリーは良い思想。でも男女不平等では「天皇」を測ることはできません。

2020-12-22 22:33:00 | 天皇
世の中には、大小様々色様々な沢山の物差しがある。
誰でも物差しを持っている。私も持っている。
ジェンダーフリーもそんな物差しのひとつでしょう。私も解決したい問題によってはジェンダーフリーを使うこともあります。

ジェンダーフリーは「従来の固定的な性別における役割分担にとらわれず、1人ひとりが自由かつ平等に行動、選択をできるようにしよう」という考えです。 
ホッパー女史などは相手がジェンダーフリーや平等を口にしただけで、相手をアカ、サヨクと決めつけて蛇蝎のごとく嫌うが、ホッパー女史御自身が家庭を持って働く職場でその立場でいられるのは、まだジェンダーフリーという言葉が無い時代から女性の先人達が社会の偏見にめげずに女性の立場を良くする努力を重ねてきた結果であり、次第にジェンダーフリー的思想が広まって来たからでしょうに、と、私は見ていて思います。

プレジデントオンライン12月21日に、ジェンダーフリーをもとにした男女不平等で「天皇」を測る記事が掲載されていた。
筆者の大門小百合さん(本名田中小百合、夫君は田中宇氏)は、出身校も素晴らしく華麗な経歴のかたです。
御優秀伝説の皇族の方々と違ってこういう方こそ本当に頭の良い方、優秀な方でしょう。
頭の悪い私など到底大門小百合さんの足下にも及びません。
でも、大門さんに私は言いたい。
男女不平等では「天皇」は測れません。男女不平等で「天皇」を測らないでください。と。

「今回の騒動は、日本の皇室は世界で最も脆弱な王室であるということを思い出させるものだ」 ニューヨークタイムズ 
この記事だけでなく、眞子さまのご結婚をめぐる話を報道した海外のメディアのほとんどが、日本の皇室が年月とともに縮小(shrink)している点に言及していた。 

皇位継承の先行きに不安があることは、海外から指摘を待つまでも無く、日本の国内でも知られていることですが、海外メディアがなぜ日本の皇位継承の先行きに興味を持つのか。
大門さんに解説をお願いしたいところです。

2005年11月には小泉純一郎内閣が女性・女系天皇を容認する報告書をまとめ、2012年には野田佳彦内閣が「女性宮家創設」を含む論点整理を公表した。しかし、その後、残念ながらそれらの議論の進展はない。 

議論の進展が無いというより、悠仁殿下が誕生して、女系天皇の容認と女性宮家の創設が早急の課題ではなくなったからでしょう。
小室圭氏の登場で、女性宮家に対する国民の懸念が大きくなったので、頓挫。

女系天皇では、古代から先祖達が護ってきた「天皇」では無くなってしまいます。そして女性宮家は女系天皇へ繋がる制度です。
頓挫して本当に良かったと思いますが、まだまだ安心はできません。
性懲りも無く「皇女制度」など、そっと出して来たりしますから。

日本の皇室のお手本にもなってきたイギリスでは、300年以上続いた男性優位の王位継承のルールが2013年に改正された。今の時代にそぐわないルールは変えるべきだという理由からだ。

明治の日本が手本にしたのは、英国の「立憲君主制度」でしょう。
でも、明治政府は手本にしたというより、参考にしたというほうが当たっているのではないでしょうか。
皇室が手本にしたのは、西欧王族の暮らしぶりと西欧社交界のマナーでしょう。
天皇の名代としてヨーロッパの王室を訪問旅行(新婚旅行)した高松宮妃殿下は「西洋の王より日本の天皇のほうが勝っている。」「日本の天皇と違って国民の人気を気にしなければならない西洋の王は気の毒だ。」というようなことを日記の中で繰り返し書かいておられます。
高松宮妃殿下のような考え方が当時の皇室の西欧の王室を見る見方ではなかったでしょうか。
煌びやかな西洋文化を目の当たりにしても妃殿下は「日本にも、日本の皇室にもこれ以上のものはある。」と意気軒昂です。
昭和天皇は若き日の欧州旅行でイギリスを訪れた際、高松宮妃殿下とは違う感銘を受けられたという話もありますが、それは又別の機会に。
取りあえず、日本の皇室はイギリスの王室に傾倒するばかりで何でもイギリス風にというわけでも無かっのではないでしょうか。

イギリスの王室の気風と日本皇室の気風は違う。(日本の皇室の気風のほうが上の部分もある。)
これが明治以降少なくとも、終戦までの皇室を覆う考え方で有り、終戦後も長く日本人の一般的な認識であったように記憶しています。

それまでは王位継承者は、王の直系の子孫の最年長の男子と決められていて、男子がいない場合のみ最年長の女子が王位を継承できるとしていた。現在のエリザベス女王2世がこれにあたる。 
直系の子孫がいない場合は最近親の傍系の男子の子孫が優先されていた。しかし、2013年王位継承法により、男女関係なく女性でも王位継承の上位につくことができるようになったのだ。たとえば、現在のウィリアム王子とキャサリン妃の第2子のシャーロット王女は弟のルイ王子よりも皇位継承順位が上になる。 

なるほど。最近秋篠宮殿下、悠仁殿下を傍系傍系という声が多いのは、イギリス王室がこういう制度を取り入れたことも一因なのですね。
秋篠宮は平成の天皇の直宮です。
傍系というのなら、三笠宮、高円宮でしょう。

王位の継承と皇位継承は継承するものが違います。
王位の継承は、「王権」の継承を意味しますが、皇位の継承は、「○権」の継承ではない。
そこが全く違うところです。
皇位の継承が「○権」というものの継承なら、ジェンダーフリーの見地から女性にも継承権があるかないか、という論議をすることは正しい。
しかし、天皇から天皇へ継承されるものは「○権」というような、身体から離れてそれだけで存在する。というものではない。
古代の天皇から天皇へ継承されてきたものは「貴種」です。貴種を受け継ぐ男子のみが天皇となることができる。
男系男子継承を支持するかたがたは、「Y染色体が」と、おっしゃるがY染色体で「貴種」を語るのは少し違うのではないかと思います。

古代、「貴種」というものの存在を信じ、天皇に「貴種」を見た人々の歴史が今に続いている。それが日本の天皇の歴史です。
西洋の「王権」の継承とは根本から違う世界観によって貴種の継承は続いてきた。
貴種は大地に播種されなければ、次代に貴種を伝えることはできません。
大地は貴種を得なければ、貴種を育むことはできない。貴種と豊かな大地というおおらかで清らかな古代日本人の世界観は「権利」という思想では測ることができません。測るべきものでもないでしょう。
イギリスの王室が「王権」の継承順位をどうきめようが、それは日本の皇位継承とは関わりのないことです。
継承の根本的な部分が違うからです。

インドのインディアン・エクスプレス紙は、日本の皇室について「歴史家や学者が皇室における女性のステータスや役割について真剣に考えるべき時がきているといっている。男系による皇位継承にこだわり続けていると、いずれ皇室は消滅してしまうからだ」と述べている。

インドの女性の社会的地位の低さによる悲劇は日本にも伝えられ、心を痛めてる日本人もすくなくありません。
漏れ聞くところによれば、男女差別以前にインドの身分格差も凄まじいとか。
皇室の消滅を心配してくださるのは有り難いですが、それより前にジャーナリズムとしてお国の中でなさることはあるでしょうに。
男系に拘るのは、男尊女卑の思想からではありませんので、そこのところをよろしくご理解いただけますように。

 
眞子さまの結婚の話が今後どうなっていくかわからないが、間違いなくこの「おとぎ話」には日本の皇室が避けて通れない問題が残っている。海外メディアの率直な指摘を真摯に受け止め、今後どうしていくべきかの本格的な議論を早くスタートさせてほしいと、多くの人が思っているのではないだろうか。 

海外メディアの的外れな指摘を振りかざして、女系天皇を認めろ、といわれてもね。
今後どうするか、考えろって?「男系男子」による皇位継承を安定させるべく、早く手を打つ以外になにを考えろとおっしゃるのでしょう。