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雨過天晴

ジャズとホークスとファッションなどなど
興味のあることには片っ端から手を出して
そして時々飽きます

半島を出よ<下>

2009-06-21 | 
さて本書を手に取り、通勤時に読みました。

やはり「愛と幻想の~」とも繋がる世界観がそこにありました。
近未来の日本、経済も外交も落ちぶれてしまい、失業率が高まり、ホームレスが増え続ける。
今現在の日本を投影させるような既得権益をただ守るだけの政治家が「それなり」の政治を行い、市民も「それなり」政治に甘んじて毎日を平和に過ごしている。

そんな中、北朝鮮が自分たちの強い外交環境を作るべき動き出す。それは弱くなった日本に「反乱兵」を送り込むこと・・・。


今の日本の政治・経済状況の根底にはこの本に描かれている問題がやはりあること、また自分が今のような精神状態にあることは常に「強者」側にありたい、「弱者」側へ行きたくないと思い、どのようにうまく立ち回ればよいかと考えていることを痛感しました。

今まさに読むべき本だったと思います。

別にこの本を読んだからといって、明日からの行動が大きく変わることもないのですが、「自分」という信念を持って行動していくこと肝要と思いました。そういうことを考えられたことが今良かったのだと思います。

ちなみにこのウィークデイは久しぶりに忙しく疲れやストレスが多い1週間でしたが、なんとか持ちこたえたのは電車の中でこの本を読んでいたことも一因だったのでしょう。



半島を出よ〈下〉 (幻冬舎文庫)
村上 龍
幻冬舎

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半島を出よ<上>

2009-06-21 | 
村上春樹の「1Q84」が売れまくっているようです。

ふとAmazon.comを覗いていたら同じ「村上」でも「村上龍」が検索結果から出てきました。

はじめて「村上龍」と出会ったのは、学生を終え、社会に出ようとしていた10数年前。
「愛と幻想のファシズム」でした。

かなり衝撃を受けました。
今まで自分が持っていた価値観を覆す弱肉強食を地でいく主人公とその世界観。
全て周りが用意してくれた世界で育ってきた自分に思いっきり「NO」を突きつけられ、これから社会に出て行く自分にいろんな意味で影響を与えた作品でした。

しかし社会人になり、周りの評価ばかりが気になり、いつしか自分自身の考えも欲求も抑え、何か閉塞感ばかりを感じる日々を過ごす大人になっている自分がいます。

Amazonで「村上龍」を見つけた私は、その著書の中で「半島を出よ」と再び会いました。「再び」というのはまだ東京で勤務していたときに本屋で「半島~」を見つけていたからです。

そのとき私は興味はあったものの、上下巻で4000円程度するので、「まあそのうち買ってみよう」という程度で流していました。あれほど衝撃を受けた作家の最新作、舞台は生まれ故郷、社会的に大きく騒がれている北朝鮮、と読む条件は整っていたにもかかわらず。
恐らくそれなりに満足した毎日を過ごし、ビジネスマンとしてのスキルアップに励もうと、ビジネス書ばかりを読んでいたためでしょうか。

今社会人として大きな壁にぶつかり、人生の意義を問い続けているなかで、「半島~」を見つけてすぐに買いました。
(ちなみに文庫本で安かったこともあります)

(続く)

半島を出よ〈上〉 (幻冬舎文庫)
村上 龍
幻冬舎

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