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雨過天晴

ジャズとホークスとファッションなどなど
興味のあることには片っ端から手を出して
そして時々飽きます

Every Note is True

2022-03-02 | 音楽
久しぶりにアルバムを紹介しましょう

昨年はそもそも作品が少なかった上に、あまりレビューをアップしませんでした
せっかく聴いたんですからその時の感覚の備忘録は残しておいたほうがいいです

さて今年初レビューは元The Bad Plusのピアニスト イーサン・アイヴァーソンのBluenote移籍作で『Every Note Is True


 
1.The More It Changes
2.The Eternal Verities
3.She Won't Forget Me
4.For Ellen Raskin
5.Blue
6.Goodness Knows
7.Had I But Known
8.Merely Improbable
9.Praise Will Travel

Ethan Iverson(p)
Larry Grenadier(b)
Jack DeJohnette(ds)

結構前からアイヴァーソンがツイッターでアナウンスしていたし、Youtubeにも一部アップされていたので期待はしていましたがその期待値を超えてきました
Bluenoteサイドも相当気合が入っていたのではないでしょうか

今回のトリオはラリー・グレナディア、ジャック・ディジョネットという最高のリズム隊
中々おいそれとはスケジュールも揃わない3人ですが、コロナ禍でツアー等が中断させられたためそれが叶った、というのは少し皮肉なものです

さてアルバムですが、久しぶりにアイヴァーソンらしさがギュッと詰まった作品と言っていいと思います
1曲目はなんともウマいのかヘタなのか(多分ウマくはない笑)、しかし味わいのある合唱曲
学校の先生の合唱コンクールのように温かみのあるオープナーです
ここからBluenoteのキャリアを始める、という心意気なのでしょうか
2曲目からはThe Bad Plusの時のようなアイヴァーソンらしいフレーズが並びます
もちろんThe Bad Plusは少しロック、ポップ的な要素が強いバンドでしたが、ここではこのトリオらしさなのでしょう、激しさが抑えられたジャズらしい演奏です
4曲目のEllen Raskinとはニューベリー賞を受賞した「アンクル・サムの遺産」の作者
文字好きのアイヴァーソンの、その入口にあった子供向けミステリー小説です

 
5曲目はガラッと様相が変わってリリカルで低温で薄暗い
この曲はディジョネットの作曲
7曲目のスローなソロ曲はアルバムの奥行きを広げてとても美しい
ラストはベース強めのブルース
Bluenote最盛期の50年代・60年代ジャズでアルバムを締めくくります




久しぶりにアイヴァーソン節を堪能できました、新しいアイヴァーソンも聴けました
今年一発目のオススメ作です


My Choice

2021-12-09 | 音楽
今日は比較的暖かかったです
明日も同じくらい、やや高めとのこと
ありがたい

週末知人と日帰り温泉でも行こうと行っていたのですが、都合が悪くなったためNG
滋賀の高島付近に行こうと思っていました
高島といえばメタセコイア並木の紅葉
ギリギリ見られるかな、と思っていましたが、また来年見に行きたいと思います

さて今日はワタシが何気にリーダー作を所有しているジム・ブラックの『My Choice


 
1. Z
2. Cahme
3. Maybe
4. Naluch
5. Let It Down
6. You Know Just Because
7. Super K’s
8. Optical
9. Dogs of Great Indifference
10. Awkwarder

Jim Black (ds)
Hilmar Jensson (g)
Chris Speed (ts,cl)
Skúli Sverrisson (b)

本作メンバーとしては”AlasNoAxis”のメンバーですが、ブラック名義になっています
全曲ブラック作曲
クリス・スピードとヒルマー・ジェンソンをフロントにおいて、ブラックとエレクトロベースにスカリ・スベリッソン
プログレッシブ、アヴァンギャルドといった表現になるんでしょうか
ピアノレスゆえその傾向が強く感じられます
サンプリングが多用されているようですので、各々のインタープレイという感覚はないんでしょうけど、ハマり具合は抜群で、これは録音を自分で手掛けたブラックの手腕でしょう



このぐらいの苦味が旨味になるんですよね


The Storm

2021-11-30 | 音楽
久しぶりにブログ連投

今日はノルウェーのピアニスト ベルント・モーエンのトリオ作で『Storm


 
  1. A Sense of Urgency
  2. Majestic
  3. The Search for Absolution
  4. Relentless
  5. In retropect
  6. Leisurely
  7. The Storm Intro
  8. The Storm
  9. Ode
  10. Floating
  11. Passing By, Not Too Fast, Not Too Slow
  12. Sakral
Bernt Moen (p)
Fredrik Sahlander (b)
Jan Inge Nilsen (ds)

モーエンはメタルバンドの経験を経て、作曲家、キーボード・プレーヤーとして活躍中
アグデル大学のリズム音楽コースでピアノを教えているそうです

ワタシは初めて聴いたのですが、従来ファンクやフュージョンの要素も取り入れた自在なスタイルらしいのですが、本作はグランドピアノだけを演奏し、楽曲的には少しアップテンポではあるもののジャズらしい演奏になっています

楽曲はすべてモーエン作
アップテンポで情熱的なオープナーはいわゆる北欧ジャズとの乖離に驚かされます
4曲目はドラムが中心で、エレベとの相性抜群
5曲目のスローは「月光」にも似てロマンティック
7曲目のピアノソロから8曲目の緊迫感のあるタイトル曲
9、10曲目はピアノソロをスローでガツンと聴かせます
11曲目は柔らかいフォーキーな雰囲気を醸し出す
ラストは教会で流れるような神聖な曲で締める

という感じでしょうか
ストーリー性もあってとても聴き応えのある1枚です



明日から師走
イベントも色々あります

風邪を早く治さねば



Countdown

2021-11-29 | 音楽
今年も終わりが見えてきて、ようやくワタシもコロナワクチン2回目接種し終えた、と思ったら、副反応で体中が傷んで(筋肉痛?)、しかもコロナ以外の免疫が落ちたのか、再び風邪をひく始末

友人と紅葉狩りに行こうと思っていたのにドタキャンです
ごめんなさい

さっさと風邪は治してしまって、遊びに行きたい

さて最近ヴィブラフォン奏者で良い演者さんが増えてきたなぁと思っていたところに、いい作品が出ました
パリ生まれのヴァイブ奏者サイモン・ムリエの『Countdown


 
  1. Countdown (John Coltrane)
  2. Work (Thelonious Monk)
  3. I Concentrate On You (Cole Porter)
  4. Goodbye Pork Pie Hat (Charles Mingus)
  5. Nature Boy (Eden Ahbez)
  6. Turn Out The Stars (Bill Evans)
  7. The Song Is You (Jerome Kern)
  8. Beijo Partido (Toninho Horta)
  9. Hot House (Tadd Dameron)
  10. Ask Me Now (Thelonious Monk)
Simon Moullier (vib)
Luca Alemanno (b)
Jongkuk Kim (ds)

コルトレーン、モンク、ミンガスといった往年のジャズマンのカヴァー集
ムリエのヴィブラフォンの音色は個人的にはちょっと明るめでいてでもクールな感じ
選んだ楽曲にもよるんでしょうけど、カッコいいんですよね
ピアノだと少しスモーキーになりそうな楽曲ですが、ヴァイブとなるとピリッとした味付けになるのが素晴らしい
またルカ ・アレマンノの渋味が強いベースと相性抜群
デビュー作だった前作『Spirit Song』でもこのトリオだったそうで、これは前作も追う必要があります
おそらく韓国系のキムの小気味の良いトリオはまだまだ伸びしろあると思います


本作のリリース元のFSNTも前作の出来栄えを踏まえて、このトリオを採用したんでしょうね 



あまり今年は聴き込めていないけど、いい作品は出てますね




You Can't Take It With You

2021-11-13 | 音楽
めっきり寒くなってきてちょっと風邪気味です

緊急事態宣言が解除されて以来、やたら飲みに行ってたのもまずかったかな
人と会うのが楽しくてついつい・・・
人恋しい秋ですしね

今の時期にぴったりな作品に出会いました

サックス奏者のチェット・ドクサスのリーダー作で『You Can't Take It With You



1. You Cant Take It With You
2. Lodestar (For Lester Young)
3. Twelve Foot Blues
4. View From A Bird
5. Part Of A Memory
6. Soapbox
7. The Last Pier
8.Up There in the Woods
9.All the Roads
10.View From a Bird

Chet Doxas (sax)
Ethan Iverson (p)
Thomas Morgan (b)

実は初めて聴くチェット・ドクサスのリーダー作です
これまでにすでに8枚のリーダー作を発表していますが、トリオは本作が初めて
カナダ モントリオール出身で、カナダの音楽賞であるジュノー賞も受賞していた実力者で、現在はNYを拠点としているそうです
本作については、トリオのメンバーがイーサン・アイバーソン、トーマス・モーガンというワタシの好みの二人だったので聴いてみた次第です

これが非常にユニークでインスピレーションに富んだ創造性の高い作品に仕上がっています
カーラ・ブレイやスティーヴ・スワロウとの共演を通してかなり影響を受けていて、本作に収録された10曲についても、スワロウから月に1曲作ってみるようにアドバイスを受けて1年かけ作ったもの
ドラムレスの構成は、彼の楽曲・表現を枠に閉じ込めないアプローチになっていて、本作にあたっては素晴らしい選択だったと思います
簡略化されたトーンながら、そのアプローチは多角的
The Bad Plusを離脱後、かなり自由に探求を続けているアイバーソンのピアノと、もはやソロベーシストとして確固たる信念を感じるモーガンのベース、この二人の才能があってこその表現なのだと思います



個人的には今年はなかなかいい作品が少ないと感じることが多かったのですが、ここに来て素晴らしい作品を見つけることができています

恐らく本作は今年のベスト盤の一つに挙げることができそうです。



SYSTEM ONE

2021-11-09 | 音楽
気がつけばもう11月

街のイルミネーションも点灯しています

ワタシはと言えば、ずっと会えなかった人たちと会えるのが嬉しくて、やたら飲みに行っています

もちろん他にも使いたいものはあるので、なんとかケチケチ飲み会にすべく、大阪駅前ビルを徘徊しています
安くてウマい
魚でも美味しいの揃えてくれてたり、ワインを中心に目の前でサクッと揚げてくれる店もある

地元福岡のグルメスポットが屋台なのだとすれば、大阪はこの駅前ビルですね

さてなかなか進まない新譜の聴き込みですが、見つけました!

やっぱりここでもFSNT強し!

1973年、ドイツ生まれ、NYで確固たる地位を築き上げているギタリスト、セバスチャン・ノエルの最新譜『System One』。



  1. Uncanny Valley
  2. Transient Beings
  3. Kaonashi
  4. Northern Dispensary
  5. Cathedral of Junk
  6. Winter Boat
  7. Sata S40221
  8. Shubho
  9. Ghost on 46th
  10. SBSFN
Sebastian Noelle (g)
Matt Mitchell (p)
Chris Tordini (b)
Dan Weiss (d)

同年代のギタリストは円熟味を増すと同時に、新たな可能性を貪欲に探っていて面白い。
大体リズムセクションの二人はよく知ってて、ピアノ・トリオのときよりもギターがチュイーンってくるタイプじゃないとはいえ、ピアノよりもギターを支えに行くのがよくわかります

曲想はやや低温度ではあるものの、フリー気味に立ち上げてくるところなどは相応の熱量が発生されています



今新譜ではギターソロを聴く機会が多いのですが、ソロではとても無理な表現がここにはある感じです

さてまたガラッと寒くなった気がしますので風邪には気をつけましょうね


Mirage

2021-10-19 | 音楽
さすがに寒くなってきましたね
先週までは半袖でいましたが、今週キリッと寒くなって
秋がない・・・

さて溜めに溜め込んだレビューをボチボチ出していきます
ほんとに更新しなくなって、もー・・・

イタリアのピアニスト アレッサンドロ・ランツォーニのFSNT盤です
Mirage


 
  1. When the Lights Are Low
  2. Moment’s Notice
  3. A Pretty Hunt
  4. Tornado
  5. Hyperbole
  6. Mirage
  7. Call Me Now
  8. Nobody Else but Me
  9. Coda
Alessandro Lanzoni (p)
Thomas Morgan (b)
Eric McPherson(ds)

今年は正直なところジャズ盤を買うことが例年と比較して少ないのは確かです
多分そもそもリリースが少ないし、好きなジャズマンのリリースがあまりない

そんな時にはレーベルで探すのが良いです
FRESH SOUND NEW TALENT
間違いないです

ランツォーニのリーダー作はアップしていませんが、イタリアのジャズレーベルCAMからリリースされた『Unplanned Ways』(2019)を持っています

 
実は本作はこのときのメンバーと同じ
トーマス・モーガン、エリック・マクファーレンというリズムセクション
この二人を背負ってリーダー作を2作も出せる事自体素晴らしい

ピアノ・トリオらしいピアノ・トリオと言っていいでしょう
ピアノの音はとても透明感・キレがあり、時に混じる不協和音的な音の選び方もセンス抜群
比較的穏やかな曲に広がりをもたせます
モーガンのベースは力強いのですが、しっかりとリーダーのメロディーに即していて、ちょうど体に吸収するのに具合のいい低音
そしてマクファーレンは手数は少なくとも上記二人のソロをしっかりと支える

多分ワタシがジャズを好きになった頃に聴き込んだピアノ・トリオよりも難易度は高くなっていても雰囲気は当時を思い出させてくれます



本作と前作をこの際両方購入されてもいいと思います

トリオで来日してくれないかなぁ


About Time

2021-10-17 | 音楽
10月も終盤に差し掛かろうとしていますが、皆さんお元気ですか

ワタシはすっかり気温の上下に体調がついていかず、なかなかつらい日々を過ごしておりました

とは言え、好きな服も手に入れたし、緊急事態宣言解除後には友人らと飲みに行ったりと楽しくはしています

ただ相変わらずブログの更新に手を付けにくく、さらにいいジャズ盤を今ひとつ手に入れてないのも原因でしょうか

そんななか久しぶりに輝いて見えたピアノトリオ作がありましたのでご紹介したい

ベルギーはブリュッセル出身のピアニスト マルチン・サレミの2ndアルバム『About Time


 
  1. Remembered
  2. Doubt
  3. One Fine Day
  4. Lamento
  5. Late April
  6. Still Water
  7. Most Of The Time
Martin Salemi (p)
Boris Schmidt (b)
Daniel Jonkers (ds)

全曲サレミのオリジナル

ピアノの演奏も彼が尊敬しているキース・ジャレットやブラッド・メルドーなどのいわゆる美メロ系のピアニストですね
音はやや柔らかであまりエッジを効かせたような場面はありません
穏やかに聴き入る今のような時期にもってこいだと思います
あと個人的には包み込むようなベースを奏でているボリス・シュミットに興味を持ちました

やたらと音数を増やすこともなく、メロディーの美しさとそれを支える安定したリズムセクションというのは最近あまり聴いていなかったかもしれず、それ故個人的にはかなり気に入っています。



明日から秋も深まっていくようです。

ちょい前は芸術の秋を楽しんだので、音楽の秋にふさわしい作品と出逢いたい



BLUE NOTE MEETS UT

2021-09-15 | 音楽
少しずつ秋めいてきたように思う今日この頃
ツイッターでも金木犀の話がちょこちょこと出てきたように思います

しかしそんな時期にも関わらず半袖カットソーを買うことになるなんて!

ついに出たんですよ
BLUE NOTEのアルバムTシャツ

そんなの今までも出ていたし、BLUE NOTEのオフィシャルサイト(海外)でも売ってたじゃないか
何を今さら

これが違うんです
確かに2011年、2017年とユニクロから発売されていましたが、今回はいわゆるバンドT的なクオリティーが全く違います

今回は現BLUE NOTE総帥ドン・ウォズが「エッセンシャル」をテーマにセレクト
さらにウォズが選んだ30型の中から「UT」のデザイナーが厳選した7柄がTシャツとして世に出てきました


今までの2回の発売時には実際に手に取っては見たものの、いくら安いとは言え買わなかったのが事実

しかし今回は2種買いました

アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ『フリー・フォー・オール』

 
セシル・テイラー『ユニット・ストラクチャーズ』

 
両アルバムともそもそも作品自体が好きなもの
そしてジャケットのデザインが好きなもの
『フリー・フォー・オール』なんてブレイキーのインパクトが大、テイラーの方はあまりにもカッコ良すぎるデザイン性







『ソニー・クラーク・トリオ』『サムシン・エルス』はちょっとメジャー過ぎるデザインなので除外しましたが、他の3種も買っちゃうか迷っています
ハービー・ニコルス『ザ・プロフェティック Vol. 1』とか泣けてきますよ

 
Tシャツってデザインをアピールするのにとても有効なアイテム
自分が好きな作品を着れるのは幸せにつきます
しかも高いデザイン性をさらにTシャツに落とし込むのに苦労した様子が伺える品々

ジャズファンであることをめっちゃアピールします


Música Bonita

2021-09-07 | 音楽
久しぶりにジャズのご紹介しましょう

最近発掘した過去盤なんですが、日本人3人ストリングス・ユニット”ChoroClub”の2017年リリースされた『música bonita

 
  1. Folks
  2. ハチロク
  3. 追憶のボレロ
  4. モリコーネの憂鬱
  5. 11 p.m.
  6. natureza morta
  7. 午後の瞑想
  8. 古城のワルツ
  9. Um Dia
  10. 風の鈴
  11. É por aí
  12. Rua Araxá
  13. .Waltz #03
  14. Entre
ChoroClub:
Oh Akioka: bandolim
Shigeharu Sasago: guitar
Jyoji Sawada: contrabass

笹子重治(アコースティック・ギター)秋岡欧(バンドリン)沢田穣治(コントラバス)の3人によって89年に結成された弦楽ユニットChoro Club(ショーロクラブ)
この時点で28年、年数を重ねた末に到達したインプロビゼーション
ゆるさと緊張感を併せ持つそのサウンドは結果として聴く人に安心感を与えていると思います
繊細でいてダイナミクスなトリオの演奏
生音の質感
みな60代というベテランゆえの安定感と、それを良しとしない探究心
抜群に息があった素敵なストリングストリオを聴けます

(SONG X 044)CHORO CLUB - New Album 『Música Bonita』 trailer "Waltz#3"

ワタシは簡単にこの言葉を言いたくないですが、心を解放させてもらって「癒やされ」ました
力が入らずとも音から寄り添ってくれます

ちなみに沢田はフィッシュマンズとも関わり合いのある人物です