オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

何のための防災?

2006年09月01日 | Weblog

防災訓練があちこちで行われている。

 阪神淡路大震災では、死者のほとんど(約8割)が発災時に瞬時に亡くなっている。その後助け出された被災者の中で亡くなった人が2割である。また、救助された人の8割は地域の住民によるものであり、国や地方自治体が救助したのは残りの2割に過ぎない。防災訓練の中身を見ていると、助かった人達を焦点に、かつ国や地方自治体が行う救助活動に焦点に行われているように見える。冷静に人命救助の観点から考えると、助かった人たちは既に8から9割方は災害を防いだも同然で、国や地方自治体ができる人命救助は全体のほんの一部にしか過ぎない。そして、国や地方自治体が行う災害対策の主体は、助かった人たちの避難生活の支援であり、二次災害防止であり、遺体の捜索であり、応急災害復興である。

「防災」の主要部分は、自分の命を自分で守ることである。

 そういう意味で最も重要なのは、災害があっても死なないで生き残ることである。そのために重要なのは命を守るための住宅であり建築物であり周辺環境である。そこの部分を整備する必要がある。よく、耐震構造の住宅を宣伝する時、大地震でも住宅が壊れないことを強調するが、本当は住人の命を守ることを強調するのが正しいと思う。住宅は壊れてもいいが人命は助かるというのが本来であろう。たとえば、寝室をシェルター化していざという時にはそこへ避難できるようにすればいいと思う。高額で買った住宅が地震で壊れると言ったのでは購買意欲は減退するが、効率的に人命を守るには一部のシェルター化も有効な施策だろうし、耐震強度を満足しない既存の住宅も対策が可能だと思う。シェルター化した部屋は重量物や危険物は置かないことである。住宅は人の命を守る砦と思わなければならない。

被災して幸運にも生き残って重傷を受けていない場合はジタバタしないことである。

 2、3日すれば周辺から進出した救助活動が始まる。酷なことを言うと、1日や2日は飲まず食わず野宿でも生き延びるはずである。そんなことを考えると、防災訓練の焦点がずれている感じがするし、防災のための市民の意識もぼけている気がする。生き残った時に困らない準備ではなく、生き残るための準備をシッカリやらなければならないし、国や地方自治体の最重点は生き残って生死の境目にある人たちの生存率を向上させることである。。そう考えると、防災訓練もより具体的になるし、市民の意識も変わってくると思う。被災民は救助員でもある。日頃から準備するなら救助の資材や救助方法を具体化するとともに、まずは自分たちが救助するんだという意識を持つ必要がある。2,3日間は生き残った自分たちしか居ないのである。

こんな言い方をすると、住民サービスを本旨とする国や地方自治体は困ってしまうだろうが、

 最も大切なことは、自分で助ける(自助)、隣近所で協力して助ける(共助)ことであり、端的に言えば住民が自分たちで努力することが主要な部分だと言うことを声を大きくして言うべきであり、そのための具体的な対策と支援策を考えるべきである。また、避難生活をするのも災害復興をするのも主体は住民であり、国や地方自治体はこれを支援するだけである。国や地方自治体が行う支援(公助)は発災から2、3日後以降であり、人命救助の観点からはほとんど手遅れになる。何も国民の不安を増大させようとは思わないが、阪神淡路大震災の教訓から明確なことであり、教訓事項として地域住民の組織力が弱かったこと、震災を境に住民の結束力が強化されたこと等が報告されている。対策としては日頃から自治会や町内会を整備することだと思うし、学校区を中心とするPTAも充実したらどうだろう。学校は多くの場合災害時の避難所に指定されているのである。そして国や地方自治体は一刻も早く最大の救援活動ができるような態勢をとることが重要である。

地震調査委員会というのがあって、ここが地震の予測地図を作っている。

 予測地図は、地震発生の確率で色分け分布表示されている。今後30年以内に震度6以上が発生する確率が高くて26%以上、以降6~26%、3~6%、0.1~3%、低くて0.1%未満となっている。最も高い26%は約100年に1回、3%は1000年に1回である。どう考えても26%以上の地域は危険信号である。交通事故や火災に比べれば10倍以上危険である。素人的には1回起こった場所では以降100年 は発生しないだろうと思うが、数学的には続けて起こる確率は同じである。残念でした。しかし来年起こらない確率は100分の99である。これを高いと見るか低いと見るかは個人の主観である。

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