オクトシティー正直村

おかしいな?変だな?と思った事を綴った駄文

国民の幸福の指標は経済力だけか?

2023年11月01日 | Weblog

岸田首相が所信表明演説で「経済」を三度連呼した。

 経済を好転させることしかやることがないのかと改めて呆れてしまった。これまでもそうだが、これからもずっとそうだと思うと政治に対して不信感と諦めしか感じない。大体が、何かというとGDPを持ち出してとにかく予算規模を拡大して借金しながら金を使うことしか考えていないようだけれども、ここ50年くらいことごとく失敗している過去の歴史がある。少しは反省してほしいものである。

GDPは国内総生産のことである。

 GDPを増大させることは、国内の生産活動を強化することと同じである。経済成長を強調することは、国民に「働け!はたらけ!」と言っていることに等しい。今の世の中で、働くことを強制することが果たして国民の幸福に繋がるのかをちょっと考えてみたらすぐわかることではないかと思う。働くのは程々にして個人の幸福追求を目指すのが政治のあるべき方向だと思う。

「働き方改革」が騒がれていたが、その後どうなったんだろう。

 無駄な労働をカットして、効率的な働き方をすべきであり、労働の質を上げれば賃金も上がるはずである。ただ生産性だけを要求しても、GDPには貢献するかもしれないが、中身はとんでもないものを作り上げていることになる。日本の製品が売れなくなっている現実を見れば、外国製品に遅れを取っている現実を見れば、イノベーションも科学技術の発展も足踏みしている現実を見れば、何をしなければならないかわかるだろう。

円安になって物価が高騰しているのは日本のせいではない。

 コロナ禍があって、ウクライナ紛争があって、イスラエルで内戦があって、国際競争が激化して、世界中が不安を抱いて、現在の状態になっている。円安でもインフレでも構わないのである。これをどうかしようというのではなくて、これにより困っている人を一時的にでも助けてやらなければならない。その人達は国民全員ではないはずだし、本当に困っていれば声を上げなければならない。助けを求めるのは当然の権利なのである。この声に対して国が動くのだと思う。

定額の所得税減税で経済を無理やり回そうとしているようだが、

 金が無いから経済が回らないわけではない。原因はもっと他のところにある。大きく言えば日本文化であり、その文化に基づく人材教育である。この文化の振興は種を撒いてから20年か30年の歳月を要する。日本は経済ばかりにうつつを抜かしてここ50年この文化振興の努力を怠ってきたのではないだろうか?そのための投資をしてこなかったのではないだろうか?日本文化は廃るばかりである。

明治、大正、昭和初期に培われた貴重な文化をその後食い潰してきた歴史がある。

 未だにその文化は残って入るが、新しい人に受け継がれることなく、途切れようとしている。例えば、今の生産技術を継承してきたのは職人さんであるが、この職人さんが高齢になりリタイヤしても、これを受け継いでくれる人がいない。そのような人を育ててこなかったのである。若者は小綺麗な職場でパソコンに向かってデスクワークをすることが本来の仕事だと勘違いしている。残念ながらデスクワークは何も生産しないのである。

今の若者は自分の全知全能と身体機能を使ってやる肉体労働は最初から嫌ってしまう。

 本当の生産活動は3Kもしくは4Kの中にある。きつい、きけん、きたない、給料が安い職業を敬遠していたら、残った職業は社会に貢献できるものではなく、ろくなものはない。人手不足と言われるが、職業選択で4Kを嫌っているから働き手がいなくなるのである。ここにも個人の経済活動すなわち効率的に金を稼ぐことしか考えないし、自分の個性と能力を発揮して仕事をしようとしないために、必要な労働力を養成できないし、そんな教育をしてこなかったのだろう。

経済至上主義は考え直す時期に来ている。

 経済が右肩上がりで発展しなくても国民の幸福は十分追求できるし、もっと大地に足をつけて冷静に腰を据えて国民生活をするところから始める必要がありそうである。金さえあれば幸福なわけでもないし、金がなくても十分幸福を謳歌できる。実質の話をすれば金がない方が創意と工夫を凝らした自分なりの幸福が手に入る。そして、金を稼ぐために四苦八苦してやりたくもない労働に励む必要もない。

手に職があれば生産活動に従事し、生活に必要な金は調達できる。

 それ以上の金は必要ないのである。日本国民全員が手に職を持ち生産活動に従事できれば、それなりのGDPが創生されるし、これこそ本来のGDPであり、効率的な生産活動に基づいた無駄のないGDPである。そして、若者には手に職をつけることを目標にして教育するのである。一人前の職人さんになれば分野は違っても一生の仕事が手に入る。それこそがその人の本当の能力なのである。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「アメとムチ」でなく「ムチ... | トップ | なんとなくリーズナブル »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事